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キッズケアラボ

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医療ケアが必要な子どもたち(医ケアキッズ)の活動・発信拠点。彼ら彼女らが活動すると、大人も地域も変化していく。ソーシャルイノベーターなキッズたちの活動を紹介します!
運営しているクリエイター

#医ケア児

笑顔的発作、発作的笑顔。人生いちばんのズバーーーーーーッッぶったぎりと子どもの笑顔

寝たきりの小学3年生の子 のいわゆる在宅主治医をしているときの話 定期的な訪問診療や急な体調変化時の往診に行く 月に1回の病院の受診にもできる限り付き添っていた 「最近、よく笑ってくれるんです」 お母さんが嬉しそうに病院主治医に話した 僕も、最近よく笑うのを知っている 嬉しそうに笑顔で話すお母さんの顔をみて 嬉しい気持ちだった すると・・・・ 小児科主治医は言い放った! 「ちがいますよ、それは笑ってるように見える発作。  病気の発作ですよ。」 ズバーーーーーー

小児の在宅医療と小児のACP(人生会議)、看取りの実際

あいち小児保健医療総合センター主催小児在宅医療研修会「小児の在宅医療と小児ACP・看取りの実際」 2022年12月10日、研修会にてお話ししました。 予定より30分以上の延長になるほど、終了後の質疑もたくさんいただきました! 最近、子どものACPというテーマをよくいただきます。 「こうすればいい」という単純な答えがないテーマなので、毎回うまく伝わるか苦戦しますが、苦悩しながらも諦めずに前に進んでいく様子を伝えられれば、と、 オレンジの考え方や取り組みを、視点を変えな

医療的ケア児が社会を変え、僕らを支える。そんな現場から。

僕は、医療的ケア児が、弱くてかわいそうだから活動しているんじゃない。 彼女ら彼らの強さが、社会を変えていく、よりよく幸せな未来に導いてくれている、それに気づいちゃったから、 最前線で、砂被り席でそれを見届けたいのだ。 こういうことだと思う。 医ケアキッズ、つまり医療的ケア児が 街に出て、旅に出て、山に登る。 学校に行き、社会に出て、世界に羽ばたく。 軽井沢に行く、応援してくれてる人たちと出会う。 好きなものを好きだと思える、やってみたいことに挑戦できる。 気球で空を飛

なぜ、山に登るのか。

登山キッズケアラボ いま、明日の3003m雄山を目指すため、2045mの室堂山荘にチェックインしたところです。明日は晴れてくれそうですが、今日は視界が真っ白。でも、この「なぜ、山に登るのか。」という問いに、登る前に答えておきたい。 登山キッズケアラボは今もクラファン実施中、プロジェクト詳細はそちらのページをご覧ください。 医ケアキッズと山に登る・・・子ども二人とその家族が初めての登山、それだけっちゃそれだけ。 そこにケアスタッフが10人、一緒に行きたいと手を挙げて、 酸

小児在宅医療の心得4箇条

在宅医ココキン帖の小児在宅医療のページに記した心得4箇条。ココに整理します。 1.世界でもっとも子どもが死なない国は、同時に世界でもっともその子たちが幸せに成長できる国でなければならない日本は世界でもっとも赤ちゃんが死なない国。誇らしいことです。 その、産科や新生児科の先生方が繋いだ「命」 地域にその「いのち」をつないでいくのが、私たち、地域をフィールドにする医療者の役割だと考えています。 2.小児専門医でなくても、在宅医として小児にかかわることで子どもたちの生活を支える

死神とひまわり

ある7月、1歳の子の紹介相談を受けました。名前はゆかりちゃん。重度の心不全があり、完治は不能。余命3週間とのことでした。生まれてからこれまで、ずっと入院しています。手術をしたり集中治療室に入ったりしながら今まで過ごしてきました。これ以上の治療が困難となった今、生まれてから一度も暮らしたことのないお家に帰って、家族団欒を過ごさせたい。という依頼でした。  オレンジは、断るという選択肢はありませんので、当然受けます。まずは入院中の病院に挨拶がてら会いに行きます。ちょうど七夕

有料
400

出会う場所と出会うきっかけを変えてみる 〜医ケアキッズ、ディズニーに集結〜

史上初の試み、日本中から医療的ケア児がディズニーランドで待ち合わせ!ディズニーキッズケアラボの様子を発信したFacebookやtwitterをまとめておきたいと思います!(2019年9月9日-10日開催) 9月8日【いよいよ明日!】 ディズニーキッズケアラボ!!! 全国8県から8人の医ケアキッズと家族、ケアチームがディズニーに集合!とにかく楽しみます! そして、旅を通して見つけた、気づいた、出会えた ハッピーポイントや出会いを、どんどん繋いでいって、いつでもどこへでも、楽

制度は超えて、ニーズに愚直に 〜戸枝陽基さんの言葉〜

戸枝陽基さん、から学んだこと。もらった言葉。 来年の海があるかどうかより、来年の海を想う今を支えます。 2013年3月、愛媛松山で開催された、日本在宅医学会。 小児在宅医療を手探りで実践し始めた僕は、小児在宅医療の講演やシンポジウムがあれば、かたっぱしから参加していた。この時も、シンポジウム 「小児在宅医療の展望-医療 と福祉の協働による新しい コミュニティーの創造」に参加していた。 シンポジストとして登壇されている、戸枝陽基さんを初めて見た。 とにかく、いまだに強烈

悩ましいほど一生懸命に。不確かだからこそ信じる。〜まちのほしくし、吉田花蓮が行く〜

雑誌「小児看護」で オレンジキッズケアラボ・ほっちのロッヂの保育士、 吉田花蓮の連載が始まりました。タイトルは「保育はなが〜い滑走路」 いいタイトル!ぜひ、ご覧ください! 医療的ケア児、通称、医ケア児・医ケアキッズ。 子どもであるがために親が、 病気であるがために医療者が、 彼女ら彼らを制限したり管理したりする。 愛情や優しさが根拠になる制限と管理だから、 ダメですよ、とは言いにくい。思いにくい。気づきにくい。 経験ある大人は「安全」ばかりを望んでしまう。 不安定さを

僕を支えている名言たちと“福子伝説” 〜道標にしている名言が走馬灯のように巡った日。キッズケアの奥深さ、難しさ、楽しさ。〜(再編集・再掲)

1月のある日、小児がんに関する研究のミーティングと 小児在宅医療についてのワークショップに参加。 小児がんに関わる人はみんな優しくて熱い。でもその優しさが、子どもであり、病人である「人」に向けられた時、何かを奪うことがある。 それに気づかずそれが優しさだと思い込むことで楽になろうとする人もいるし。 優しさってなんだろう、って落ち込んだり自分を責めている人もいる。 熊谷晋一郎先生の「希望とは絶望を分かち合うこと」という言葉が、頭の中でぐるぐると何度も登場していた。 熊谷晋

ケアする、ケアされる、の関係を超えて

オレンジキッズケアラボでは、子ども一人ひとりにパートナーがつきます。「担当」でも「プライマリ」でもなく「Lover」と呼んでいます。 3ヶ月以上の入院を乗り越えて、昨日、久しぶりにケアラボに来てくれたキッズ。Loverの谷口、3ヶ月の遠距離ケア(物理的、社会的に遠方でしたが、入院中も関わりを継続しました)を経て、帰って来てくれた彼女と、お話が尽きないようです。 病院では「患者」と呼ばれ「ケアを受ける」という役割が全てになりますが、地域に帰ってくれば、それ以外の役割がたくさん

フレー、フレー、夢へと!

今年も、ケアラボの卒園式が行われました。 ケアラボ卒園式名物の、しっかりメッセージがこもった長い卒園証書、卒園児オリジナルソング。 今年の卒園生は1名。 じっくりたっぷり“おめでとう”と“ありがとう”が積もっていく素晴らしい時間でした。 キッズのママから、これまでを振り返った言葉をもらい 僕たちはたくさん、ハッとしました。 僕たちはある時間の一部のお預かりをしているのではなく 長い人生のとても重要な時間の一部を一緒に歩んでいる、進んでいるのだ、と。 オレンジキッズケアラボ、

医ケア児のママ、ナースになる。さて、夢が叶ったのは何人?

小児在宅医療、キッズケアについての話をするときに、 必ずと言っていいくらい、紹介するキッズとママがいる。 しーちゃん、と、しょうこさん。 オレンジが関わっているキッズたち、 オレンジキッズケアラボに通っているキッズたち、 のママは70%以上が働いている。 だから、 働いている方が、あたりまえ。 働いていない方が、マイノリティ。 「働かないの?」なんて、気軽に聞かれる。 もちろん、働かなくてもいいんだけど、選択肢があるってことが大事。 働かないの?と聞かれた、しーち