私と推しメンの話①

この自粛期間で、私が大好きでたまらないLAST IN MY CULTの六禄ろくちゃんに出会って1年が経った。

会えない寂しさを紛らわすために、私がろくちゃんに出会ってからの話を書いてみようと思う。


LAST IN MY CULT(ラスティマ)がデビューしたのが2019年2月3日。当時、私はBABYTRACKS(同レーベル)のShinto!に緩く通っていたため、BABYTRACKSから新しいグループがデビューするというのを事前の告知ツイートで知っていた。

私は以前、むすびズムというアイドルグループの椎名エルちゃんという子を推していた(通称:えったん)。その子は金髪ロングでピアスがバチバチに開いていて猫目で色白の女の子だった。

告知ツイートで流れてきた『六禄ろく(ろくろくろく)』という子は、金髪ロングで前髪の半分だけ黒く、猫目で色白の女の子だった。解散してからずっと忘れられないでいたえったんに重なった。そして、六禄ろくという名前、私はやりすぎ都市伝説という番組がめちゃくちゃ好きで、関暁夫の「666、そう悪魔の数字だよね」という言葉が浮かんできた。これは行くしかない、そう思った。

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しかし、私のフットワークはそう軽くなかった。

BABYTRACKSの新グループお披露目は必ず、レーベルイベント開催されていた。前年の10月にShinto!のお披露目のため初めてレーベルイベントに行ったのだが、あちこちでモッシュが起こりサークルで走りリフトが飛び交うような状態で、前の方でみていたのに後ろに流されるし、知らない人に押されるし、もう一生BABYTRACKSのレーベルイベントは行かないと決めていたのだ。

しかもなんといってもLAST IN MY CULTのコンセプトがパンクロックと来たもんだ。よく知らないけど絶対怖いし絶対痛い。

むすびズムはオタクの4割が女の子で、モッシュ、リフト等禁止、みんな大人しくキンブレを振るような現場だった。そんな穏やかな現場出身の私が気軽に行けるわけがなかった。


それから現場には一切足を運ばず、Twitterでろくちゃんを監視し始めて2ヶ月が経った。やっぱりどう考えてもろくちゃんの顔が可愛いのだ。どんどん会いたい気持ちが大きくなっていく。インスタをみると独特の世界観があってめちゃくちゃオシャレだし、やっぱり少しえったんに似ている。しかし、現場で直接みたらやっぱ違ったという経験が以前あったため、1度もリプを送ることはしなかった。

むすびズムとShinto!に一緒に通っていた女オタの友達に、やっぱろくちゃんに会いに行きたいんだけどどう思う?無料ライブの予定が4月の初めにあるふゆのどうぶつえん(同レーベル)との2マンか、4月の終わり頃にある月一の単独公演なんだけど…と自宅から1時間半かけて彼女のバイト先まで相談しに行くほどだった。

ふゆのどうぶつえんはBABYTRACKSの中でも特にオタクの元気がよく私の中ではトップレベルに怖い現場で、本来なら絶対にその2マンに行くという選択肢はなかった。しかし、早くろくちゃんに会いたいという思いが4月下旬の単独公演まで私を待たせてくれなかった。


2マン当日、私はどうしてもろくちゃんに会いたくなって、地元の友達とのカラオケを抜け出して下北沢に向かった。

会場は下北沢ERA。階段で4階まで上がらなくてはならずめちゃくちゃキツい。私は後方の丸テーブルの後ろを陣取った。ここならサークルに巻き込まれることはないから絶対安全だ、そう思った。

ラスティマのライブが始まった。ラスティマの曲はパンクロックということもありバンドみたいな曲が多く、一応予習してはいたが、今までアイドルっぽいアイドルの曲しか聴いてこなかった私には全部同じ曲に聴こえた。

しかし私はその曲を聴き、胸が高鳴った。よくわからないけどなんかかっこいい、ステージがキラキラしてる、と感じた。ずっとTwitterでみていたろくちゃんは本当に可愛かったし、誰よりも輝いてみえた。ハスキーがかったその声はとても心地よかった。六禄ろくちゃんは私の推しだ、これが"やっと見つけた真の推し"というやつだ、そう思った。


だが、初めてのライブはそれだけでは終わらなかった。

ふゆのどうぶつえんのライブで、メンバーのしじみがサークルで走っていたオタクたちの下敷きになったのだ。私の2m先の目の前だった。動けなくなったしじみにスタッフが駆け寄り、曲を止めるように指示した。会場が凍りついた。

その瞬間、フロアの端でライブをみていたろくちゃんが「氷ください!!!」とバーカンに走っていったのだ。

結局救急車を呼ぶ事態になったのだが、私はろくちゃんが誰よりも率先して助けようとしてる姿をみて感動した。


その後、ライブが終わり物販が始まった。私はアイドルとの接触が本当に苦手だったが、それでもろくちゃんは優しく対応してくれた。知り合いのオタクから事前に聞いていた通り、ろくちゃんは甘ったるい匂いの香水をつけていた。名前はなんて言うんですか?そう聞かれたのでモモコですと答えた。すると、あろうことか「覚えるの苦手だから」と言いながら、ろくちゃんは持っていたマッキーで手の甲に『ももこ』と書いたのだ。(もちろん油性ペン)

そのぶっ飛んでいる行動に、そんな本気で名前を覚えようとしてくれるアイドルがこの世の中に存在するのか?とびっくりした。と同時に、今日初めて会った可愛い女の子の手に、自分の名前が書かれているという優越感にも浸った。こんなに可愛い子を推さないわけがない。そう思った。

家に帰り、勢いで買ったTシャツとCD、チェキを並べてチェキツイをした。そのツイートには「ラスティマのオタクです」そう書いていた。手と右側の自分の髪の毛には、ろくちゃんの甘ったるい香水の匂いが残っていた。

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この日から私がLAST IN MY CULTの六禄ろくのオタクとして生きていく日々が始まったのだった。

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