【400字小説】依存症
流行りの人気キャラクターのキーホルダーを買った。クラスではもうそのキャラクターの話で持ち切り状態で、ついていけない人は中々レアというか、輪の中から出てしまうのではないか、と言った具合。
私自身もこのキャラの虜で、キーホルダーを買った次の日にはまた別の商品が欲しくなっている始末だった。しかし、ネットでもやはり人気らしく転売や品切れ状態が続いていた。
そんなある日のこと。クラスの陽キャが一人、争奪戦に勝ったらしく、新作のぬいぐるみをわざわざ教室に持ち込んでいた。教室中がざわめいて、誰もが羨望の眼差しを向けていた。まだ手に入るかも!と意気込んでスマホで検索してみても、もうそこには高額転売品しかなく、手は届かなくなっていた。
このキャラの商品が流行り始めて数か月経ったころ。クラスはもうそのキャラなしでは生きていけないといった雰囲気に包まれていた。
各々は所持している商品を鼻に当てながら、笑っていた。
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