見出し画像

“先生”という、人と人が関わる素敵な仕事〜逸見峻介

近未来ハイスクールの先生インタビュー。第一弾の小学校で教える小島大樹さんに続き、第二弾は高校教員の逸見峻介さんです。社会、歴史の先生であり、ワークショップデザイナーというパラレルワーカーでもある逸見さんに、先生という仕事の魅力について伺いました。

逸見さん登壇のイベント詳細はコチラ!(10/13開催)

教員の心構えで、生徒も大きくかわる

近未来 小林  逸見さんは、いつお会いしても本当に楽しそうに仕事の話をしますよね。高校で教えることの面白さを教えてもらえますか。

逸見 まずは職場が楽しいんです! いまの学校の先生がたが本当に素敵です。部活や授業、学級経営など、素晴らしい実践をされています。後輩の育成にも熱心で、そっとアドバイスをくれる素敵な先輩もいます。教員になって初めての職場が今の学校で良かったと思います。

そして生徒がめちゃくちゃかわいい。成長した姿を見ることができると、とてつもなく元気をもらえます。

近未来 小林 職場愛と生徒愛がすごい(笑)。職場や先生たちの雰囲気は生徒にも伝わっていると思います。

逸見 こちらの心構えひとつで、生徒が大きく変わる点も先生の醍醐味ですね。

近未来 小林 心構えというのは、具体的にどのようなことでしょう。

逸見 欠点を探そうと思えば、欠点に目がいきますし、長所を探そうと思えば、長所に目がいきます。困っている生徒に声をかけるのか、他の誰かが声をかける可能性を待つのか、自分で立ち上がるのを待つのか。どのような対応が良いかは状況によって異なりますし、教員の在り方ひとつで雰囲気も変わります。「こう声をかけてみよう」「いや、少し待とう」など試行錯誤しています。

近未来 小林 成長につながるアクションは何かということを常に考えているんですね。

逸見 それと、教員をやっていて至福の時間は、成人した卒業生と飲みに行く時です。最高です(笑)。卒業生から教えられることがありますし、生きてて良かったと思えるくらい元気をもらえます。先日も卒業生に会いましたが、就職活動を経て、さらに成長していたので嬉しかったです。

近未来 小林 うらやましい。私はいつか近未来ハイスクールに通ってた子たちに「初めて飲むのは美味しい酒で」という、お酒とお酒を飲む場の魅力が伝わる企画を開催したいですね。あ、道がそれました。

逸見 仕事の面白さで言うと、一般的には、学校の先生はいつも同じような仕事を繰り返しているイメージがあるかもしれませんが、実はとてもクリエイティブな職業なんです。

近未来 小林 確かにルーティンワークで忙しいという印象があります。

逸見さん 例えば学校にゲストを呼んで特別授業の企画をしたり、同僚や生徒と一緒に卒業式や修学旅行などでサプライズを仕掛けたりすることもあります。対話型のワークショップでは、生徒にテーマ決定の主導権を任せました。それぞれの教員のネットワークや持ち味などを生かす企画なども進めています。

部活も面白いですよ。学級とは違うプロジェクトチームだからです。生徒と一緒に相談して何かを作ったり、運営を任せたりしています。

近未来 小林 逸見さんが学校でいつもワクワクしている様子が伝わってきます。

大いなる自信から先生の道へ入るが

近未来 小林 なぜ高校の先生になろうと思ったのですか。

逸見 私はもともとチームビルディングとキャリア教育、そして歴史教育に関心がありました。

そして、「学校の先生って、他にもいろいろなことができるのでは?」とも思っていました。今振り返ると、だいぶおこがましいですね(笑)。自分であればさらに子ども達の可能性を広げることができる。世界を広げることができるのではないかと思っていたんです。

近未来 小林 大丈夫です。他にもそういう先生を知ってます(笑)

逸見 実際に教職につくと、教員という仕事の難しさ、自分の甘さがよくわかりました。

近未来 小林 多様な生徒や保護者がいるでしょうから大変だと思います。

逸見 難しい部分もありますが、実際に教員になると改めて魅力的な職業だと実感しています。自分が生徒の時にはわからなかった、先生の凄さなどが見えてきました。学校では生徒と教員がともに課題や理想に向かって努力していきます。人と人とが関わり合う素敵な仕事なんです。

近未来 小林 心から先生という職業が好きなんですね。

相手を尊敬する

近未来 小林 学校の先生としてどのようなことを大事にしているのでしょう。

逸見 子どもたちや職場の同僚をリスペクトすることです。わからないことをわからないと言う、ということも意識しています。生徒からも先輩・後輩の先生がたからもたくさんのことを学びたいですね。

近未来 小林 調布市立第三小学校の小島大樹さんも同様のことをおっしゃっていました。先生と子どもは上下関係ではなく、お互いリスペクトする関係だと。

逸見 それは嬉しいですね!!

あと、学校と学校外で活躍ができる人材になることも意識しています。自分ひとりでできることは少ないので、いろいろな方の力を借りたいですし、自分も様々なフィールドでチャレンジを重ねたい、好きなことをやりたいと思っています。

近未来 小林 先生が学校以外の活動の幅を広げるのは大賛成です。生徒たちの進路指導をする上でもますます必要になってきそうですね。

逸見 最近は学校のシステムにおいて、本当に必要なものは何か、いらないものは何かを見直していくことにも関心があります。

良いものがたくさんありますが、改善したほうが良い点もあるので、これから取り組んでいきたいです。

近未来 小林  前の年に開催したから今年も実施するというのではなく、そもそもなんのためにやるんだっけ?ということを問う。

逸見 そうですね。そして、先生それぞれの頑張りを共有し、後押しできる環境を作りたいと思っています。先生がたの良いアクションは本当にたくさんあります。人材育成のスキルとして広めたいくらいです。

最近は、テレビでも公立の校長先生の素晴らしい取り組みなどが取り上げられていて、非常に嬉しく思います。私の周りにも、発信していないだけで、すごい人がまだまだたくさんいますよ。

近未来 小林 多様なレベルの情報が共有されることで、先生チームが生徒をサポートできる環境が整っていく。生徒も保護者も心強いですね。

学びの面白さを自ら体現する

近未来 小林 中高連携もしくは高大連携で意識していることはありますか。

逸見 自分を振り返る能力を養うことです。これは、成長をするために大事なことだと思います。中学生でも、大学生でもそれ以外の人でも大事なものだと思うので、そういう機会をきちんと作りたいと思っています。あとは、ぜひ私も今回のイベントでさまざまな方との連携力を高めたいです。

近未来 小林 自分は何が好きで、何を経験してきて、どのような性格かなど、自分がどのような人間かを理解できるというのは大切ですよね。それが強みにもなっていきます。

逸見 その通りですね。生徒も教員にも、それ以外の人にも大事な姿勢だと思います。

あとは、学ぶことは面白いということを伝えること、それを体現し続けることかなと思います。学ぶことは楽しいし、自分の力になるので。

近未来 小林 それに気づくと一生の財産ですよね。人生を楽しく生きる鍵のひとつになります。

忙しい子どもたち

逸見 最近の高校生は、SNSなどが当たり前になっているので、遊び方や学び方、友人関係の作り方などが多様になってきています。

近未来 小林 本当にそうですね。私自身、ネットでのコミュニケーションは、自分の子どもから新しいことを教えてもらうことのほうが多いです。

逸見 そうなんですね!私も、結構教わっていますよ。Airdropを初めて知ったのは、生徒からでした(笑)。生徒は自分たちでどんどん学んでいるのですごいなと思います。

課題に思うのは、子どもたちが忙しくなってきていることです。なんとかしてあげたいですね。その忙しさを自ら望んでいる生徒は良いですが、不本意な場合、心がすり減ってしまうことが心配です。これについては良い解決策がないか模索していきます。

近未来 小林 近未来ハイスクールの公開イベントを開催する際も、高校生が来られるタイミングを探すのに苦労します。学校行事が空いてそうだと思って開催したら、英検の試験日に重なったとか。もう少し余白があっても良いように思います。

地域の人とみんなで学べる場を

近未来 小林 逸見さんがこれから挑戦してみたいことはありますか?

逸見 埼玉を起点とした教育をテーマとした場づくりをしていきたいです。地域の方と話す機会を増やし、地元のことや学習・成長に関することをみんなで一緒に学びたい。10月13日のイベントは、自分のこのビジョンとも合う大切な機会です。

近未来 小林 私も埼玉在住なので、そんな場づくりには関っていきたいですね。あ、イベントそのものは埼玉県外からの越境参加も大歓迎です。

逸見 理想としては、人材教育や家庭教育、成人教育、福祉などと学校教育を掛け合わせていくことです。教育って学校だけではないと思います。他分野、異年齢から学ぶと得ることも多い。

あとは、今の職場が好きなので、生徒も先生がたも小さくてもいいので、たくさんチャレンジできる学校づくりを、みんなで進めたいです。

近未来 小林 10月13日のイベントは「先生と語る近未来ハイスクール」ということでは、保幼小中高の先生が一堂に会します。今回、一緒に司会進行をしますが、イベントへの期待を教えていただけますか?

逸見 ゲスト勢がすごい! そんな方々とご一緒できるので眠れないくらい楽しみです。当日はファシリテーターですが、肩肘張らず、等身大で参加したいと思いますし、その場にいることを満喫したいと思います。

近未来 小林 素敵な人ばかりというのは保証します。変人コレクターなので(笑)。当日は、どうぞよろしくお願いします。

(オプンラボ 小林利恵子)

逸見峻介さん 公立高校教諭(社会科)

画像1

公立高校地歴科教員&ワークショップデザイナー。教育×パラレルキャリア・大人の歴史講座ページ主催。教員の魅力発信・学校と社会での活躍を目指している若手変人教員。

■近未来ハイスクール https://www.kinmirai.co/
変人と高校生をつなぐキャリアのプログラム
10月13日(日)に先生と語る近未来ハイスクール
先生と語る近未来ハイスクール 「保幼小中高そして社会との“接続”というよりむしろ“ゆるくつながろう” 主体的な学びの支援と外部連携」
イベント申し込み→こちら

■オプンラボ https://www.opnlab.jp/
個人と企業を学びの場を通じてステージアップとブランディングを支援する
変人PRサービス

■関連記事
こんな先生に習いたかったシリーズ
vol.1  生徒の成長に関わる先生として、自らも成長を続けたい〜小島大樹
vol.2 “先生”という、人と人が関わる素敵な仕事〜逸見峻介
vol.3 教育を通じて誰もが生きやすい社会を目指す〜大野智久
vol.4 ゆっくり学んだ高校時代に学びのおもしろさを知る〜森川大地
vol.5 一生働ける仕事として選んだ、教師の仕事のおもしろさ〜木村裕美
vol.6 幼児期の遊びが、自分で考え仲間と一緒に未来をつくる力を育てる〜堀内亮輔


じんわりきたら「サポート」もよいですが「スキ」をぜひ^_^