小島大樹さん__n

生徒の成長に関わる先生として、自らも成長を続けたい〜小島大樹

オプンラボが主催する近未来ハイスクールでは、10月13日(日)に先生と語る近未来ハイスクールを開催します。そこで登場する小学校から高校の先生がたにインタビューをしてみました。

普段は、変人と高校生をつなぐキャリアのプログラムとして展開している近未来ハイスクール(ここでいう変人は、出る杭、変わり続ける人、エッジのたったプロフェッショナル)。今回は、先生の変人にお声がけして、イベントを開催しますが、それだけでは飽き足らず、オプンラボの小林が、近未来ハイスクールのスクール長として、その先生方のキャラクターをインタビューしながらご紹介していきたいと思います。

トップバッターの先生は、 調布市立第三小学校 小島大樹さんです。

6年間の急激な成長を間近で見る

近未来ハイスクール 小林(以下、近未来 小林) 小島さんが思う小学校の先生の面白さは、どのような点ですか?

小島 小学校の先生の面白さは「子どもの成長を一番近くで感じられること」です。月並みかもしれませんが、まさにこの一言に尽きます。小学校の6年間は、僕らおじさんの 6年間と訳が違います。1 年生は、本当に幼い、かわいい。

近未来 小林 おじさんて… 小島さん、十分若いです。でも確かに小学一年生、かわいいですよね。サイズ感も含め、いい!

小島 そうなんです(笑)。 入学したての頃は、ひらがなを書くのにも苦労している。でも、6年生は、もう立派なお兄さんお姉さんです。卒業の頃には、自分の将来について語ることができる。こんな素敵な6年間に携われるというのはとても素晴らしいことです。

子どもの成長は、日々実感しています。授業をしていれば、「あれ?この子こんな考え方ができるようになったんだ」とか「こんなことできるお兄さん(お姉さん)になったんだ」とか、感動の毎日です!

近未来小林 小島さんがむちゃくちゃ羨ましくなってきました。それにしても、なぜ小学校の先生になったのですか?

小島 僕は小学校の5・6年生のときの担任の先生が大好きでした。おそらく、それが原体験です。当時の担任の先生の年齢は今の僕よりも少し下、30歳前後くらいでした。毎日の授業も楽しいし、休み時間に先生と話すのも楽しい。今思うと、いろいろなことを僕らに任せてくれる先生でした。僕もその先生みたいになりたかったんですね。いまも心のどこかにその気持ちがあります。そして、小学校の教員免許の取れる大学に入りました。

子どもだけでなく、先生も成長し続ける

近未来 小林 思いが叶って小学校の先生になり、何か意識していることはありますか。

小島 僕のモットーは「僕が伸びれば、子どもも伸びる」です。

子どもに成長してほしければ、僕ら大人が成長しようとしなければいけないと思っています。だからこそ、今でもいろいろな勉強をします。チャレンジもする。そんなアグレッシブな先生でいたいと思っています。

近未来 小林 先生も常に生徒のような姿勢や目線でいつづけている感じですね。

学びの場で生徒と接する時、大事にしていることがあれば教えてください。

小島 授業を含め、子どもが知識を見つけられるように仕掛けることです。

一般社会のコミュニケーションは、お互いにわからないこと、知らないことを会話で解消していきます。会話を通じて双方の新たな情報を得ます。でも、授業のコミュニケーションというのは不思議なものです。僕ら教師は、答えを知っていることを子どもに聞いていきます。クイズ番組の出題者と回答者に似ていますね。

近未来 小林 わかりやすい例ですね。

小島 そうなんです。ただ、気をつけないと、答えを知っている僕らが上で、知らない子どもたちが下のような関係になりがちです。でも、それって同じ人間として変な気がします。確かに僕ら大人の方がたくさん経験をしていますが、人間としては同じです。

だから授業をするときも、子どもと話をするときも、できるだけ子どもの話を聞いて、子どもと一緒に新たな価値、知識を作り上げたいと考えています。決して僕らが教授するわけではないというスタンスです。教師と子どもで授業を一緒に作り上げていくのです。

勉強が仕事にならないように

近未来 小林 小学校の現場で課題に感じることは何かありますか?

小島 一番変えたいのは、いま、子どもにとって学びが「お仕事」になってしまっているということです。

近未来 小林 お仕事になっている、という状況をもう少し詳しく教えていただけますか。

小島 学校は今までの慣習で動くことが多く、それ自体は決して悪いことではありません。伝統が続く背景でもあります。しかし、教師が「今までの伝統だからやるんだよ」と言ってしまったら、強制でしかありません。残念ながらそのような状況は決して少なくありません。子どもたちにとって学びではなく、お仕事になってしまうのではないかと危惧しています。

だからこそ、僕らは子どもたちが学校で取り組むことすべてに「やりたい!」と思えるようなしかけを作っていくべきなんだろうなと思っています。

近未来 小林 それは素敵な取り組みですが、かなり難しいですね。

小島 はい。チャレンジしがいがあります。

子どもや関わった先生をリスペクトする〜保幼小連携・小中連携

近未来 小林 保幼小連携もしくは小中連携ではどのようなことを意識していますか?

小島 どんな状態でも僕らが接続の段階で、子どもはもちろん、これまでその子に関わってきた先生方をリスペクトすることが大事だと思います。

学校現場ではどうしても「ここまで育てておいてくれれば・・・」という声が聞かれることがあります。

近未来 小林 確かによく聞かれますね。

小島 でも、どの段階でも子どもが育ってきた歴史には様々なものがあります。また、子ども一人ひとりにも成長の違いがあります。だからこそ、子ども一人ひとりをリスペクトして、そこに関わった大人みんなにリスペクトして、僕らが関わっていこうとする姿勢が必要だと考えています。

近未来 小林 とても大事な視点ですね。
そして実際、小島さんは子どもたちに丁寧に向き合っている様子が伝わってきます。

そんな小島さんが最近の子どもたちをみて、何か気づいたことはありますか?

小島 差別意識が本当に無いな、と感じます。共生社会と言われている中で、子どもたちは多様な他者と関わってきたからでしょうか。いろいろな人に対して、柔軟に受け入れる態度が育っているように感じます。これは、今の子ども達の本当に素敵なところです。

一方、忙しすぎるからでしょうか、遊びが上手ではない子が多いように感じます。

例えば、休み時間の鬼ごっこ。タッチされた、されていないでケンカになる。決してケンカが悪いことではありません。でも、「遊びの中なんだから、これくらいいいじゃん。じゃんけんで決めない?」とならないことが多いように感じます。つまり、遊びという世界が見えないのではないかと思います。だからこそ、僕は、もっと子どものときに遊ばせてあげたいなと考えています。

近未来 小林 一見、矛盾するような話ですがそうでないのかもしれませんね。多様な他者と関わる機会が増えたからいろいろな人を受け入れられる。遊びの経験が少ないから、ちょっとしたことで許せない。もしくは他の解決策をとることができない。体験の量が行動や考え方に大きく影響をする。

その他、少し先の将来もふくめて、やりたいことはありますか?

小島 自分に何ができるかを探っている最中です。今は、小学校の先生をしながら大学院に通っています。これも僕が成長すれば、子どもも成長すると考えているからです。その中で、新たな知識をもっと修得できればと考えています。

近未来 小林 最後に、10月13日の近未来ハイスクールのイベント「先生と語る近未来ハイスクール」への期待があれば教えていただけますか?

小島 多くの方々とディスカッションをして、新たな知見を得られることが楽しみです。

近未来 小林 成長し続けることを大切にする小島さんにとって、刺激的な場になるようがんばりますね。

(オプンラボ 小林利恵子)

小島大樹さん 調布市立第三小学校指導教諭

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ほぼ全教科教えているが、体育科を研究フィールドとし、昼間は小学校の先生、夜は大学院生として活動中。モットーは「自分が伸びれば、子どもも伸びる」。平成29年度に全国学校体育研究連合会の体育授業優秀教員として表彰。名に負けないように学び続けます!

■近未来ハイスクール https://www.kinmirai.co/
変人と高校生をつなぐキャリアのプログラム
10月13日(日)に先生と語る近未来ハイスクール
先生と語る近未来ハイスクール 「保幼小中高そして社会との“接続”というよりむしろ“ゆるくつながろう” 主体的な学びの支援と外部連携」

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