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1番歌 ナンパの必勝文句/万葉集絵日記

古典素人だけど万葉集を読み始めた。少しでも血肉になるように分かったことなどを纏めていこうと思う。兼備忘録。万葉集とは雄略天皇のナンパで幕を開ける4500首超えの歌集である。

籠(こ)もよ み籠持ち 堀串(ふくし)もよ み堀串(ぶくし)持ち この岳(おか)に菜摘ます児(こ) 家聞かな 名告(の)らさね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居(お)れ しきなべて われこそ座(ま)せ われこそは 告らめ 家をも名をも

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*拙訳* カゴよ 良いカゴを持って 堀串よ 良い堀串を持って この丘で菜を摘んでいらっしゃる娘さん 家を聞きたい 名を仰ってください 大和の国は あまねく 私がいるのだから 全てを治めて 私がいるのだから 私こそは告げよう 家も名も

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第一印象で、なんてタチの悪いナンパなんだ!と思ってしまった(どう断ったらいいんだ)。紐解いていくと印象は変わった。まず「私、天皇だから」の部分(そらみつ~われこそ座せ)。ここから態度がガラリと変わるが、すでにあった歌にこの部分を後から差し込んだという見解がある。そう考えると、長いあいだ歌い継がれて形が変わって行く様子に思いが巡る。沖積平野が出来てじわじわ陸の形が変わる!そんな心持ち。つまり、さながらこの部分は”こもよみこもち川”にできた三角州。

古代の結婚というのは親の同意を得るのが正式であったらしい。家(家柄)も名も言いますよという発言は押しが強いというより正当であると捉えることが出来る。如何せんデルタ地帯は強気地帯。 堀串について↓

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用途が同じで箆と呼ばれる道具もあるし、より深く地中を探るために長く作られたものもある。種蒔きの穴あけ、アワビおこしなどに使用される例も。

参考資料

国際常民文化研究叢書9—民具の名称に関する基礎的研究—[地域呼称一覧編] (神奈川大学国際常民文化研究機構HPにて閲覧可 各地の民具が記載されている。農具は大体各ファイル内の前方ページに有。)

万葉集神事語辞典 (国学院大学デジタルミュージアムでオンライン版公開 雑歌の項目)

研究へのいざない 万葉歌を読む(27)教科書の中の万葉歌 : 雄略天皇御製を読む 掲載誌 語文 = The journal of Japanese language and literature / 日本大学国文学会 編 160:2018.3 p.31-40



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