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数時間でできる世界旅行! ゲームだからこその弾丸ツアーがある【GWはゲームのなかで旅行に行こう】

 暦通りにお休みがある人なら、本来旅行に最適のはずのゴールデンウィーク。今年は残念なことに旅行はおろか外出さえ控えめにした人も多いでしょう。そんな自粛自粛のなか、自分はちょっとした海外旅行に行ってきました。今回の記事ではその模様をレポートしていきましょう。

 念のため書いておきますがここから下はゲームの話。フィクションですよ。

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世界各地を巡る少し物騒な弾丸ツアー

 最初に訪れたのはフロリダ州のマイアミ。燦燦と照り付ける太陽は今が5月だとは思えないほどまぶしく、青空の下眺める海沿いの高層ビル群はここがアメリカの大都市であることを強く感じさせてくれました。

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 この日、マイアミでは非常に大きなカーレースイベントの真っ最中。普段テレビで見るカーレースはコースとそこを走る数々のマシン、それにピットインの光景と解説席で構成される感じですよね。ですが、現地は完全にお祭り模様。出店のようなものがあればバーカウンターもあり。レースそっちのけでイベント自体を楽しんでいる人がそこかしこに見られました。

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 さらに建物のなかはあえて明かりを落としてクラブのようになっており、一部の人たちは昼間っからワイワイ騒いでいる始末。正直あのパリピ感にはなじめなかったなあ。
 また、レースそっちのけでなんだかよくわからない着ぐるみマスコットキャラクターにも人だかりが。おそらくこのイベントのマスコットなのでしょうが、正直キモ……個性的な見た目だなと思いました。
 そうそう、このマスコットキャラクターのなかの人と意気投合したのもいい思い出。ちょっとお願いして着ぐるみを着せてもらいました。写真のとおり、かなり“密”なイベントだったのですがまあ旅行だし自己責任で多少はハメをはずしてもってことで。

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ちょっとお願いしただけで快く着ぐるみを貸してくれました。

 続いて訪れたのはコロンビアのサンタ・フォルチューナ。聞いたことがない? 大丈夫。自分も聞いたことがない地名です。こちらはマイアミとはある意味対極的な素朴な村。少し不便な面もありますが、都会の喧騒を忘れたい人にはうってつけです。
 ただ、この街でちょっと地元の方とトラブルを起こしてしまったんですよ。言ってしまえばドレスコード? 的なものを満たさずに私有地に入ったらものすごい剣幕でこちらに向かってくる人がいたんですよ。まあ、100%こちらが悪いのですが話し合おうにも聞く耳を持ってくれない。最終的にみなさん静かになってくれたのですが、大変でしたよ。

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 逆にドレスコードさえ満たしていれば、旅行者にもフレンドリーなのがこの村のよいところ。一軒だけ明らかな豪邸(村基準で)があったのですが、ちゃんと礼節をわきまえた服装で向かったら、なにひとつとがめられることなく快く迎え入れてくれました。郷に入っては郷に従え。ドレスコード大事。

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迷彩服に覆面がドレスコード

 そのほか、インドのムンバイにもアメリカのホイットルトン・クリークにも行きました。どちらも

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 さて、上でスクショを載せつつトンデモ旅行記を書く題材にしているのは『HITMAN2』。タイトルどおり、暗殺者となってさまざまな暗殺をこなしていくゲームです。今月のトークテーマ【GWはゲームのなかで旅行に行こう】で、なぜこのタイトルを選んだのか。それにはちょっとした理由があります。
 自分だって最初は『MINECRAFT』を探索メインでなにか語ろうかと思いました。さすがに書いたばかりの記事とタイトルがかぶるのはよくないと、『TROVE』でなにか語ろうかと思いました。世界が地続きなゲームでなおかつマガジンのメンバーとネタがかぶらないだろう『討鬼伝2』でなにか語ろうかとも思いました。

討鬼伝2 体験版_20160409224938

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 そこで、これらのタイトルから旅行にふさわしい場所やシチュエーションを探してプレイしていたのですが……なんか準備段階で疲れました。改めて考えると、ゲームで旅行をするとなったらオープンワールドに代表されるような広大で地続きな世界であるほど目的地に着くのに時間がかかりますよね(タイトルによってはファストトラベルはありますが)。もちろん旅行はその道程も含めて楽しむものだという意見があるのはわかりますが、せっかくゲームで旅行をするのだからなにかゲームならではの部分が欲しい。そこでふと思ったんです。オープンワールドじゃないほうがゲームらしい旅行ができるんじゃないかって。
 上で『HITMAN2』で各地を訪れた話をしましたが、ゲームシステム的に見るとマイアミやムンバイなどは独立したステージ。両者を行き来するのに大陸を渡って飛行機に乗って……という工程はなく、メニュー画面からお好きな国に飛べます。一応ストーリーはつながっているのですがネタバレさえ気にしなければ、ターゲットを暗殺しなくても先のステージをプレイ可能。もちろん別に珍しいシステムではありません。世の中にはステージ制で、各ステージの舞台が別の国もしくは遠く離れた場所というゲームは山ほどあります。対戦格闘の金字塔『ストリートファイターII』もそのひとつ。じっくり観光できるかはさておき、アメリカ、中国、タイランド……ステージ選択ひとつでさまざまな国に向かえます。オープンワールドで旅の道程から楽しむのもよいですが、目的地まではボタンひとつ。観光は着いてから楽しむというのもゲームらしい旅行でしょう。

意外と知らない!? 『HITMAN』はクリアのその先を目指すゲーム


 そして、今回『HITMAN2』をメインに取り上げた理由がもうひとつ。あくまで自分の周りでの話なのですが、『HITMAN』シリーズを知ってはいるけれど遊んだことはないという人が意外に多い。そこで、軽く紹介をしようと今回の題材にしました。と言っても、ステルス重視のゲームでとか、B級映画感あふれるバカゲーっぽさがあってとか語るわけではありません。
『HITMAN2』を含めた『HITMAN』シリーズは、根っこの部分ではトライ&エラーを繰り返すゲーム。ノーヒントで遊ぼうとすると、まずは舞台となる街や建物を歩き回って暗殺の手段を模索するところから始まります。ただ、本来は部外者である主人公。立ち入ると怪しまれてしまう場所が多々あります。

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 そこで、シリーズの特徴である変装術を使って怪しまれないようにターゲットに近づいていくわけです。例えば、研究施設に出入りしている人物をしとめるために別の研究員から服を奪えば、研究施設には怪しまれることなく入れます。服を奪う際には相手を気絶させる、もしくは始末する(もちろんどちらも犯罪行為)必要があるのでバレないように孤立した相手を狙うのが基本です。ただ、どこでも怪しまれない万能な服はほとんどなく、コックに変装していれば調理場では怪しまれない代わりにボディガードの詰め所では怪しまれる。ボディガードに変装すればその逆といった具合。

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 孤立する=もしもターゲットなら暗殺できるシチュエーションなので、マップの全貌を把握するためにはターゲットに加えて、服を奪うためにコックなどの複数の人物を暗殺できる状況を知る、もしくは作り出す必要があります。ステルスアクションで孤立した人を何度も襲うというのは、結構難しいもの。『HITMAN』も一度や二度であっさりマップの全貌が把握されるようなやわな作りはしていません。
 ですが、実は『HITMAN』はターゲットの暗殺だけを目的にするなら非常に簡単なゲームです。というのは、ゲーム中に“ここに行けばフラグが立って、それに沿って進めていけば暗殺できますよ”というガイドが用意されているから。例えば「ターゲットと会う約束をしているモデルが“偶然”主人公と似ている」という情報からガイドに沿っていくと「モデルに成り代わるタイミング」の情報が手に入り、そして本物のモデルを気絶or……させて成り代わり、モデルの代わりにキャットウォークを歩いてから誰にも怪しまれずにターゲットのもとに向かえる。そんな風に過保護なまでに暗殺への手順が示されています(古い作品はわかりませんが、ここ数年で出た新しい『HITMAN』及び『HITMAN2』はどちらもガイドが存在)。

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 ただ、ガイドに沿って遊べばそのミッションはおしまいというわけではありません。『HITMAN』の世界はとにかく誘惑が多いです。配線をむき出しにできる場所の側にウォーターサーバーがあればバチバチィとしたくなりますよね? 爆発するゴルフボールなんてものがあった日には、ターゲットに打たせてみたくなりますよね? 

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 そんなちょっと凝った暗殺を狙ったり、〇〇に変装すると安定しすぎるからあえて避けたりと、いろいろ試したくなってきます。さらにその誘惑を後押しするかのように、“シャンデリアで〇〇を暗殺する”などのサブクエスト的なものも用意。暗殺という目的こそあるものの、あの手この手をいろいろと試してそこに自己満足を見出すゲーム性は自分で目的を作って楽しむサンドボックス系のタイトルにも似ているかと思います。まだまだ地域によっては自粛真っ盛り。ゲームで旅行もアリですが、暗殺はゲームでしか(世の大多数の人は)できませんよ。

旅行もいいけど、暗殺もね。 
 
 

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