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5. 「標準」「高尚・上品」「くだけた」文章が学べるフランス語の教本

研究書とかに限らず。耳タコ案件かもしれないけど、本を読むときに目次をまず読んでその本がイケるかイケないか(内容として信憑性がありそうか、しっかり事実と意見をかき分けているのか、論理的か、ただの随筆ではないか、項目立てがしっかりしているか)を見極めるわけですが、目次以外にも意外と参考になるのが前書きと凡例だと思っている。

はじめに:前書き(後書き)と凡例

前書き(あるいは後書き)は、だいたい本の経緯とか、本のだいたいの構成とか書いてくれているので、参考になります。思い出語っているのももちろんありますが、それでも経緯とかが書いてあればそれは一つの事実として知っておいて損はないだろうと思います。(あの時の講演が本に繋がったゼ!とか)

また凡例は、本で一定の表記の決め事を表示するわけですが、例えば辞書とか情報量が溢れんばかりの本の場合は、省略記号des abréviations を多く使用することがあるんですよね。人によっては「辞書のこの記号の意味わかんねえ」とか言う人いますが、凡例見てない人多い。頑張ってください。また、本の表示方法を記していることが前書きも凡例も多い。

その重要性を感じながら本を読んだという話

Guide de Communication en Français という本。(didier出版の100%FLEのシリーズ)出版社のサイト貼っておきます。↓

これ絶対楽しいと思って買っておいて積読だったんですが、取り組もうと思いまして。で、この本の簡単な説明ですが、

・全部で12章あり、テーマがだんだん難しくなっていきます。そのためA1-B2対応の記載。
・それぞれにおいて、1.standard 2.soutenu 3.familierの3レベルの言い方を記載している。
テーマに沿った会話例が75も掲載されています。
音声は無料でダウンロードできるので、CDがついていません。その分ちょっとは安いかな?

もちろん日本でも買えます↓一例は欧明社で。

で、前書きの話に戻ると、こういう本でも前書きをちゃんと読まないとせっかくの言い訳の3レベルも理解できないです。というのもこの本では各フレーズの頭に小さな色のついた丸があり、その色で文の使用される場面(standard soutenu familier)を示しています。

les trois registres de langue

曖昧に言ってしまった3つの場面orレベルですが、本ではles trois registres de langueと紹介されています。registreが調子とかの意味があるので、言葉の語調の違いが3つに分けられているという感じでしょうか。standardは(英)からなのでわかりやすく「標準」な文。soutenuは「高尚・上品」の文あたるかな。familierは家族へ語るように「くだけた」感じですね。expression familière で口語的表現になるようです(ロワイヤル仏和中辞典)。

ちなみに、サイトでは3レベルと書いていますが、本にはも少し別のものが記載されています。familier-jeuneと、Les expression imagée les plus courantesです。前者は若者言葉みたいな感じでしょうか(すぐに調べて出てこなかった)。後者は「最も流暢な比喩表現」と。

後者の比喩表現の例を1つだけ挙げると、「彼女は思慮分別がある」という印象を表現する文、そのままの意味だとElle est lucide et raisonnable.ですが、比喩を入れるとElla a la tête sur les épaules.となる。直訳は「肩の上に頭がある」。面白い。(p.50)

という感じで凡例や前書きを見てちゃんと本を使いましょうという話をしながら、この本の使い方を自分が学ぶ回でした。


全然関係ないですが洋書(私が見ているのは多く英仏に限られますが)は目次が後ろについているものが多いです。最近の本はたまに前にあるのもありますが。でも日本の奥付は後なんですが、仏だと前だったりする。面白いです。詳しい経緯は調べていませんが。

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