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米国セールステック5大分野の紹介:日本企業にどのように普及していくかの予測付き

セールステック分野①セールスコミュニケーション

・海外のセールステックベンダーは1,000近くあり、巨大なマーケットになっている。
・ざっくり分類すると、まずはセールスコミュニケーションのためのデジタルツールがある。
・オンライン商談ツールや、電話・メールツール、リードのデータツール、イネーブルメントツール、商談録画ツールなど。
・顧客とのコミュニケーションをデジタルにする、デジタルにすることでデータが取れる、データがあることで分析と改善ができるというわけだ。

セールステック分野②セールス業務の自動化

・次に営業の生産性を高めるために業務を自動化するようなツールがある。
・セールス用のドキュメント管理、スケジュール調整の自動化、見積もりや契約の自動化、セールスタスクの管理などだ。
・基本的にはセールス業務の中に完全に自動化しても大丈夫、型化をしてもいいという前提で、ツールが自動的に営業業務を担ってくれるようなイメージだ。

セールステック分野③セールスインテリジェンス(顧客DB)

・そして最近流行っているのは、セールスインテリジェンスの領域だ。
・インテリ、の言葉通り、顧客のことをめちゃくちゃ知れるツールという意味合いだ。
・zoominfoのような顧客候補のデータベース、インテントデータを管理できるツール、顧客の財務状況を通知してくれるツール、個人の連絡先がわかるツール、顧客のニュースや投資状況がわかるツールなど。
・これを見ながら対象顧客を探したり、狙いたい顧客に対しての営業プランニングをするのに活用する。

セールステック分野④SFAなど従来のセールス業績管理

・次にSFAに代表されるような、セールス数値の分析ツールだ。
・セールスのファネルやパイプラインを数字で可視化するツール、営業の予実管理ツール、営業担当ごとの業績管理、営業マンの会話内容管理など。
・基本的にはセールスの業績を管理する箱として使う。日本で言われてる営業DXというのは、Salesforceの影響もあり、だいたいはこのSFAのことを刺している。

セールステック分野⑤営業のリソースマネジメント

・営業マンのリソース管理、HRに近いものも出始めているようだ。
・営業のインセンティブを設計できるツール、セールスのトレーニングツール、コーチングやゲーミフィケーションで育成できるもの、地図と連携して営業マンの配置管理をするものなど。
・セールステックとして、営業の業績に焦点を当てるもの、営業組織のアクションをデジタル管理するものなど色々あるが、この分野は焦点としては営業個人のスキル開発やモチベーション管理に当てている。

特に今盛り上がっているセールステック分野

・いま米国でもホットなのはセールスインテリジェンスツールで、わかりやすくアポを取るためのリストとして使えて、ROIが分かりやすいからだと思われる。
・また、ソーシャルセリングもブームだ。米国ではLinkedinが更に普及していて、セールスが当たり前に使っている。
・日本でソーシャルセリングが流行るなら、Twitterになるかもしれない。イーロンマスク体制でセールステック側の機能を開発していく可能性は0じゃないだろう。
・また、先日記事で取り上げた会話型のBtoBマーケティング領域もトレンドのようだ。Quickerの紹介記事でDriftなどを紹介したが、サイトアクセス中に声をかけるような使い方をする。

openpage藤島の感想: 日本企業にセールステックはどのように広がっていくか?

・日本の大手企業はSFA導入が終わったため、次はセールスのコミュニケーションか、セールスの自動化分野に投資していくはずと予想している。
・何故ならSFAの導入だけでは営業業績は上がらず、営業マンの顧客への話し方やアプローチの仕方を修正することで業績は改善するし、不要な営業業務を無くしていくことで営業の人件費コストが下がっていく。
・つまりSFA単体ではROIが出にくく、コミュニケーションや自動化に投資をしないと営業DX的な投資が無益なものになるからだ。
・SaaSベンチャーは優秀な人材確保のために営業のインセンティブやコーチング、教育系のところに投資していくかもしれない。
・何故なら大手企業はすでにこの辺りの制度を外部のコンサルタントを入れて設計し切ったはずなので、これから何かテクノロジーを入れて改善していくことは荷が重たい。
・SaaSのベンチャー企業であれば、営業担当をモチベートする仕組みはこれからデザインできるので、米国のトレンドを見習いながら新しい取り組みを取り入れやすいはずだ。
・今米国で流行っているセールスインテリジェンスや会話型マーケティングの分野は、倫理観を欠けば顧客にとって迷惑なものになる。これから日本でも同様に流行っていくのかは、少し様子を見られるかもしれない。
・使われるとすれば主にSaaSのインサイドセールスで1to1の会話をしていくために用いられるはずだ。日本の大手企業の採用は少し遅れていくだろう。