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カスタマーサクセスの副業を行うには?(スキル・案件・業務内容を解説)

先日、カスタマーサクセスの副業を扱うKOMMONSの白塚代表とお話をして、私自身もともとビズリーチで人材業界系のキャリアをしていたことに加え、カスタマーサクセスの副業の採用を企業として行っているのもあり、「カスタマーサクセス×副業」のテーマはまだお話しておらず、伝えていきたいなと思うようになりました。
これまでかなりの採用案件に関わってきましたし、自身で相当数のカスタマーサクセスの副業採用を行ってきているので、かなり具体的なカスタマーサクセスの副業の話が出来ると思います。

この記事では、カスタマーサクセスのスキルやポジション別に、そもそも副業はどうやって始めるのか。また、どのような業務なら副業の仕事がありそうで、副業として役に立てるのか。ということを共有したいです。

副業とは「個人事業としての業務委託契約」を企業と結んでいくこと

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まず、副業とは何かを具体的に解説すると、個人と企業とで「業務委託契約」を結ぶものとなります。私もベンチャー取引関連の法務相談でお世話になっているプロコミットパートナーズ法律事務所様が契約書の雛形を用意しており、こちらをリバイスすればそのまま活用が可能です。

法的には日本人は職業選択の自由があるため、納税の義務さえ果たせばどんな人でも副業は可能です。開業の手続きはfreee開業であれば簡単に行うことができ、発生した売上とコストをfreeeのアプリでコツコツ入力して、確定申告をする必要はありますが、思いの外、個人事業に挑戦するハードルは高くありません。

企業によっては就業規則で副業の報告義務があったり、副業を禁じたりするケースもあると思います。これは法的には守る定めはないので無視することも可能ですし、自身の人事評価を下げないためにも報告義務を果たすことも出来ます。これは各々の判断によるでしょう。

カスタマーサクセスの副業をするなら「売り込み」をしなければならない

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相当の著名人でない限り、カスタマーサクセスの副業は待っていても来ないため、基本は自ら企業に売り込むか、人材の会社に代わりに売り込んでもらうかをしてもらわなければなりません。

企業はなんらかの事業成長、組織改善、戦略推進といったことを行うために人に仕事を依頼しますので、逆に考えれば個人として何のバリューを企業側に提供できるのか?を考えながらカスタマーサクセス職種として「売り込み」を行うことになります。

当然ながら、自社で既に出来ているカスタマーサクセスの領域でわざわざ外に依頼しようとはなりませんので、カスタマーサクセス組織として困っている、やりたいけど出来ていない、能力的に難しい、正社員では採用できないといった領域で、企業側は副業を依頼することになります。

そのため、そもそもカスタマーサクセス組織においてどのような業務ニーズが発生しうるのか。またどのような業務が一般的なカスタマーサクセス組織において難易度が高く、価値発揮しやすい領域なのかを考えながら、自らの売り込みや価値提供を考えなければなりません。
参考までに、このような領域であれば、企業は困りやすく、副業のカスタマーサクセスであっても成果は出しやすいというものをポジションごとに整理します。

ハイタッチ(ALL)のカスタマーサクセスの副業 : 月5~20万円

ハイタッチの面で困っているとよく聞くのは、取引社数に対してシンプルに手が足りていないケースです。
特にVertical SaaSの製品案内が難しい、専門的な領域、古い業界向けの製品であれば、相応の専門性が必要となるにも関わらずカスタマーサクセスの正社員採用が難しいという悩みは多くあります。
実際に弊社openpageでもハイタッチ領域で副業で参加している人は複数人います。(カスタマーサクセス経験者でなければ製品のCSが難しい製品のため)

ハイタッチ(オンボーディング)のカスタマーサクセスの副業 : スポット10~50万円

現在、様々な会社がカスタマーサクセスの型化に着手しており、特にオンボーディングについては、どのような時間軸で誰が何をすると効果的にオンボーディングが出来るのかを構築・改善している状況です。
例えば、昔SmartHRの高橋さんが共有していたオンボーディングの資料のような業務設計をしてほしい、という副業はあると思います。

ただし製品理解力は顧客のほうが高いため、求められる業務は業務設計コンサルティング(BPR)の経験者で、カスタマーサクセスというよりはコンサルティングの副業に近くなります。
弊社もAccenture出身のコンサルタントにカスタマーサクセスのプロセス設計は依頼しています。

ハイタッチ(業界/インダストリ)のカスタマーサクセスの副業 : スポット1~5万円、月1~10万円

これはカスタマーサクセスに限った話ではありませんが、SaaSの中でも、医療や会計など専門性が高度な領域になると、サポート内容を磨いていくうえでは専門性のある人材の知見が必要となってきます。
ライトなところでは、ビザスクの1時間3万円~といったような、スポットコンサルから、毎週1時間で月○○円~といった契約は弊社もよく行っています。

カスタマーサクセスというよりは業界専門性のニーズが高く、○○業界向けへのカスタマーサクセスでの入り込みに苦戦しているので、1~2ヶ月コンサルで入ってほしい、といったような副業となるでしょう。

テックタッチのカスタマーサクセスの副業 : スポット5~30万円、月5~20万円

 テックタッチはそもそも経験者がおらず、会社としても初めての挑戦となります。業務の当たりどころをつけるためにテックタッチ経験者に依頼したい、ないしは具体的にテックタッチの設計をしてほしい、というニーズはあります。
具体的にいえば、既存顧客に対するサイト、メール、動画などのコンテンツ作成経験がある方は副業として相談したい会社は多いです。
(弊社もopenpageの取引先の企業様から何度も相談を受けています)

CSops(IT)のカスタマーサクセスの副業 : スポット20万円~、月10万円~

ハイタッチからカスタマーサクセスを更に高度化させようという取り組みの中で、CSOpsとしての動きでカスタマーサクセス関連の各種IT製品の導入全般を相談したいというニーズは発生しています。
例えば下記のSansanのようなカスタマーサクセスのツール導入・ツール接続のようなことを相談するようなものです。

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SansanはSIer出身者が多いと聞いておりますが、業務としてはカスタマーサクセスというよりは「IT導入コンサルティング」に近く、ITコンサルやSIの副業という側面が強いです。
案件としてもカスタマーサクセスというよりはITコンサルティングのアウトソースの求人に強いみらいワークスのような会社に相談するようなものとなります。

CSops(データ分析)のカスタマーサクセスの副業 : スポット20万円~、月10万円~

カスタマーサクセスのデータ分析領域においては、ヘルススコア設計、BIによるデータ可視化、BigQueryやtroccoなどでのデータ分析基盤構築、Salesforceのオブジェクト設計といった業務が発生します。
これらはいわゆる「データサイエンティスト」の業務となり、これも正社員として採用するのは難しいため副業でまずは依頼する、ということが多い内容です。
まだまだ少数ではありますが、先日、みずほ証券のSaaS担当のアナリストにヒアリングしたところによると、SaaSはカスタマーサクセスに関する指標が業績に及ぼす影響が高いため、IRの内容として関連指標を公開する会社が増えていると聞いています。
上場を意識したSaaSベンダーのカスタマーサクセス組織であれば、少しずつデータ分析投資を意識することになり、その過程でまず副業からというニーズは発生してくるでしょう。

カスタマーマーケティングのカスタマーサクセスの副業 : スポット10万円~30万円、月10万円~

コミュニティイベントなど顧客協力型の施策を推進したりするうえで、その経験者に相談したいということはあります。
エンゲージメントの高い顧客をどのように生み出していくか?マーケティング活動への協力はどのように依頼するべきか?などはカスタマーサクセス組織で初の取り組みになることも多いので、すでに経験したことのある人に相談したいという会社はありました。
これも職種としてはカスタマーサクセスというよりは、マーケティングとしてのCRM、コミュニティマーケティングに近いと思います。

有償コンサルティングのカスタマーサクセスの副業 : 要見積もり

ある程度の顧客数になり、エンタープライズ取引が多くなったSaaS企業は有償のコンサルティングメニューの設計を検討し始めています。
はじめは中のカスタマーサクセスの組織のみでやろうとするのですが、コンサルテーションとして有償で課金した業務経験がないため、実際にどの程度の業務を納品すれば有償に足りうるか?を相談できるコンサルティングワークの経験者へ業務相談するニーズが発生します。
これもカスタマーサクセスというよりは経営コンサルティング、ITコンサルティングの領域で、ツールと合わせたドキュメンテーションや計数分析の部分を副業で依頼したいということは起きてくると思います。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
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藤島 誓也:Twitterアカウント
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