どうか優しく鳴ってくれ

161日目(7月6日)

 今日はサラダ記念日だったようだ。サラダ記念日とは有名な詩人(俳人?)の俵万智の作品である「この味がいいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日」という歌になぞらえたもので、義務教育を受けてきた人間であればピンときたはずだ。なんじゃそれ?と思った人はサラダにマヨネーズと醤油をかけて食べてみろ。すごくおいしいから。
 この歌、「この味がいいねと君が言ったから」という何気ない理由から記念日を作ってしまう野田洋次郎みたいなアグレッシブさが魅力の一つだが、それに隠れて腑に落ちない点がある。「この味がいいね」の部分だ。サラダにおける“味”とはなんだ?野菜本来の素材の味というやつか?それともかかっているドレッシングの風味か?いずれにしても「この味がいいね」なんて感想が出てくるのか疑問だ。なぜならそこに料理を作った個人の介入はほとんど無いからだ。だって野菜切っただけだもん。そもそもサラダを褒めるか?メインディッシュあったんじゃないのか?え?なかった?サラダと水のみの食卓?…そう。じゃあいっか…。
 ここまでの文章、最悪に野暮である。対面でこんなこと言われたらそいつとは友達をやめる。しょうもないと吐き捨てて殴る。みなさんは自由な感性で楽しみましょうね。

 ここ数ヶ月で自分を取り巻く環境がことごとく変わってしまった。そりゃ高校三年生になれば変わるだろうが、ペースというものがあるだろう。急に学校を始めたら、そりゃついていけない(そこまで急でもないだろという意見は聞いていません、静かにしてください)。プールに入る時は心臓のあたりに水をぱしゃぱしゃかけてから足からゆっくり入るじゃないか。急に頭から入れるな、バカ。ということで先生に怒られてしまった。ついていけなかった私が悪いことは分かっている。
 大人に怒られるとすごく落ち込む、というか怖い。大人は自分がどれだけ怖い存在なのか分かっていないまま威圧してくるからタチが悪い。後輩相手に肩を組んでくる部活の先輩みたいな部分がある気がする。あとそもそも私が大人と喋るのが苦手というのもある。これは関係ない話だが、威勢の良いヤンキー風の生徒にはフレンドリーに話す癖に萎縮した暗めの生徒にはしっかり指導を行う先生は嫌いだ。もっと簡単に言うとヤンキーにやけに優しい先生が嫌いだ。全員に優しくあるべきだからだ。
 話が逸れてしまった。そもそも逸れるほどの軸はないのだが。そう、私は大人と話すのが苦手で、中でも電話をすることが大の苦手だ。手が震える。欠席の連絡はLINEでさせてほしいと思っている。おそらくこれは私の家の電話にも問題がある。信じてほしいのだが、私の家はいまだに黒電話を使っている。ジブリに出てくる、ダイヤルを文字通り“まわす”タイプの電話だ。その電話に着信があると、「ジィリリリリリリリリリリリン!!!!!!」という爆音ベルが流れる。
もちろん留守電機能など無いので、出るしかないのだがベルの威圧感のせいでその着信が良い知らせだとはどうしても思えない。事実、良い知らせだったことは少ない(中学生の時半年でやめたバスケ部の顧問からの連絡とか)。せめて「ぽよよんぽよよんぽよよんぽよよんぽよよん!!!!」だったら良かったのに。

 そろそろ寝なければ。学校を休むと電話がかかってきてしまう。弟に「兄は出れません」と言わせるはめになってしまう。では、おやすみなさい。





#日記

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