ノリと拳銃

日記・1日目(10月8日)

流れに任せて行動するのは危険だ。俗に言う「ノリ」などは最たる例で、それで身を滅ぼした若者も少なくない。バイトテロとかね!しかし残念ながら私の友人達は流れしか見えていない。その場の流れで奇声をあげたり、乳首の位置を確認したり、陰毛みたいなパーマをあてたりする連中。それが美術部。この日記が始まった理由も「千里の道も一歩から」計画という最悪のノリにある。無謀である。
正直、私などは流れに身を任せる人生はまっぴらで、将来は警察官になって国家の犬として一生を過ごしていきたいと思っている。堅実そのものの真面目な警察官になって、塾帰りの中学生集団と、
「あーごめんね笑、ちょっと協力してもらえるかな?自転車見せてもらえる?」
「こんな時間まで塾?大変だねー笑」
「もう夜遅いし、おじさんがパトカーで家まで送ってあげようか?笑 なーんつって笑」
みたいな会話を繰り広げたい。さらに言えば、
「ごめんごめん、一瞬だけだから時間いいかな?バックの中身見せるだけでいいから」
「これなに?へー笑 アニメのグッズなんだ〜。お兄さんアニメ好きな人?オタク系?笑」
「はいありがとう。じゃあ行っていいよ」
そんな日常が一番幸せである。幸福とは平凡の中にこそ存在する。そう信じている。
若者の中には波瀾万丈の人生に憧れる人間がいると思う。大方、ロックスターやユーチューバーに憧れてのことだと思うが。しかし、そんな人間が人並みの幸福を手にすることは無いだろう。ロックスターは波瀾万丈の人生を歩もうとして歩んでいない。ヒカキンはスーパーでアルバイトをしていた。その輝かしい功績の裏には平凡とも言いがたい、いくら煮詰めても映画になりそうも無いような、そんな生活が確かに存在する。それを直視できるようになるまでは理想的な人生を送ることは出来ないだろう。ヒカキンもアルバイトをしていなかったら、今頃は口から変な音が出るフリーターだっただろう。はじめしゃちょーも大学に真面目に通っていなかったら片田舎の平社員だったろう。
おそらく、美術部連中の将来には期待できない。お得意のノリで良くないことをしでかすに
決まっている。モラルもなければ、節操もない。例えるならば全力疾走をする下半身、煮詰めきったスラム街、ファッキンジャパニーズ。そんなところだ。たぶんスクランブル交差点の真ん中で唐突に下半身のみ服を脱ぎだす。そしてコサックダンスを踊りだす。嫌な光景だ。もしそうなった場合には、せめて私の手で裁いてやりたいと思う。腰の拳銃には手をかけたくないが。

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