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ぼくは、ぼくで満たされている。

 こんにちは。
今日もお越しくださり、ありがとうございます。

 自己肯定感を高める…というテーマで最近は自己啓発本がたくさん出版されていますね。
その元祖みたいな本ではないかと思い、昨日、19世紀のアメリカを代表する思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンが著した「自己信頼」(伊東奈美子/訳 海と月社)を読んでみました。

 いやー。確かに元気でました。
背中を押してくれるワード満載で。


 これはちょっと自信をなくしている10代の子たちにも読んでもらいたい。
エマソンの思想はアメリカの個人主義のもとになったと言われていますが、利己心に根ざしたものではありません。
自己中心(エゴ)とはまったく違う。
 己の中にある普遍的な存在を信頼することで内外に調和をもたらし、謙虚さを忘れず自分が望んでいることを真剣になせば、人間はより自由で幸福になれることを示唆するものです。

うぬぬ…やはり、ちょっと難しい…。

そうおもわれる方は、ぜひこちらの絵本をおためしください。

 本日ご紹介するのは、絵本作家であり詩人でもある内田麟太郎さんとグラフィックデザイナーの藤井克彦さんの絵本「ぼくはぼくだよ」(あすなろ書房)です。

 主人公は見たものの色にカラダを染めることができる(いわゆる擬態です)カメレオンの「ぼく」。

 幼少期はだれでも自己肯定感しかなかった(笑)でしょ?
カメレオンの「ぼく」も、森や花の色にカラダを染めることができる自分がとってもスキでした。
カメレオンに生まれたことを誇りに思って、ただ幸せだった。

 でも…ある日、一羽のオウムから質問されたんです。
「まわりのいろになるまえの、おまえの ほんとうのいろは、なにいろだったんだい?」と。
ヒョウもゴリラもゾウも、どこにいても自分の色をしている。
おまえのいろは、ほんとは何色なんだよ?って。
カメレオンの「ぼく」は、ハタと考えます。
「ぼくの…、ほんとうのいろ?」って。

 こういう核心をついた質問って、突然されがちなんですよねー。
「それで…ほんとうは何がしたいワケ?」とか…なんか、妙につらくなる。

 カメレオンの「ぼく」は、すぐさま両親にたずねました。
そりゃ、生んでくれた人に訊くのが手っ取り早い!

 でもね…とうさんはあくびをしながら「しらんなぁ」と答えるだけ。
かあさんは当然でしょ?って顔で、「あなたが、すぐにみてしまった すなのいろよ」なんて言うし。

 カメレオン君はちょっと混乱してしまう。
それでもカメレオンの「ぼく」は自分を信じた。
自分のやり方で、自分を理解しようとしたんだよね。
最後のページに、海と空の色に染まってうっとりしているカメレオン君がいて。
そう、そのままでいいんだよなぁ…と、読んだひとを笑顔にしてくれる。

「自己信頼」の中でエマソンはこう言っています。

「窓の下で咲いているバラは、過去のバラや、もっと美しいバラを気にかけたりはしない。あるがままに咲いている。今日という日を生きている。バラの一生はどの瞬間を切り取っても完璧である。(中略)バラの本質はどの瞬間においても等しく満たされており、自然もまたバラの存在に満たされている」


この自己信頼感が、調和を生むんでしょうね。
カメレオン君や一輪のバラのように…今日を生きよう!って…。
どちらの本も元気と勇気をくれますよ。

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