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念願の一人暮らし、部屋探しは管理会社探しでもある?

誰しもアパートやマンション等の賃貸物件探しの経験はあるかと思う。部屋探しの経験がない方でも、この先必ず機会が訪れるでしょう。

そんな『部屋探し』。わからない事だらけで何に重点を置いて探せば良いのか?『間取り?』『家賃?』『エリア?』『設備?』…少し考えただけでもたくさんの希望条件があって、最終的には『どうしてこの物件に決めたのか分からないけど契約しちゃった・・・』『入居したのは良いけど、管理会社の対応が・・・』そんな経験はないだろうか。

そんな不安を少しでも解消できるように賃貸がメインの不動産会社で店長をしている私が解説したいと思います。

今回触れるのはズバリ『部屋探しは管理会社探しである』という事。

どうしても内見時に目が行きがちなのは設備や周辺環境等だと思う。もちろん設備や周辺環境も大切だが、皆さんは物件を内見した際、入居後にその物件で生活をしている事を真剣に考えた事はあるだろうか?物件に備わっている設備を使って快適に生活している自分のイメージ、周辺環境に馴染んできてワクワクな新生活をしているイメージ・・・・どれも大切。がしかし実は一番大事なのは『入居後の管理体制』だという事に数々のお客様を契約した中で私自身感じた。では『入居後の管理体制』について少し触れたいと思う。

1、そもそも管理会社ってなに?

管理会社とはアパートやマンションのような賃貸物件をオーナー(大家さん)から依頼を受け、管理料をもらって"オーナーに代わって管理をしている会社"の事である。

管理内容についてはオーナーと管理会社によって様々。
・家賃の入金管理
・入居前の点検
・退去後の室内リフォーム、清掃の手配
・共用部分などの定期点検、清掃巡回
・入居中のクレーム対応 等 多岐にわたる

これらの業務を有償にて行なっているのがほとんどだと思うが稀に家賃の入金管理だけなど、一部分のみを委託するオーナーもいる。
オーナーの中には、相続して大家業をやっている人や投資目的で賃貸物件を購入する人など様々だが、管理のノウハウについて十分理解してアパート経営をしている人はほんの一握りである。管理会社とは、オーナーに代わって物件のメンテナンス全般を行う第三者の事である。

2、物件を案内してくれた不動産会社が管理会社じゃないの?

結論からいうと、物件を案内した不動産会社が物件の管理会社である事もあるが、そうでない場合もあり、どちらの可能性もある。

私の経験上、体感だが部屋探しの段階で管理会社がどこなのか?という疑問を持って相談するお客様は5%にも満たない。
ではお客様が管理会社を知るタイミングはいつなのか?それは契約前に必ず行わなければいけない"重要事項説明"か仲介会社によっては"契約書の説明"の時だ。中には説明もしない不動産会社もあるかもしれない。その時は必ず管理会社がどこかを確認するべきである。
ここでお気づきの方はいると思うが、すでに契約の説明を受けているという事は、その物件を借りる前提で9割方契約がすすんでいる。という事だ。そのタイミングで「管理会社が〇〇だからここの物件はキャンセルします。」という事は、部屋を探すまでの労力や交通費などを踏まえても中々考えにくいものだ。
私の経験上、契約のタイミングで「仲介してくれるあなた達が管理会社ではなかったんですか?」という質問がくる事が多いと感じる。もちろん、物件案内時や申込のタイミングで管理会社についての説明はしているが、恐らく管理会社がどこなのか。という事に意識が向いておらず、スルーしている方が多いからではないだろうか。

ここでまとめておくと、物件の管理者は下記2パターンだ。
①大家の自主管理
②大家から委託を受けた第三者の管理会社
※サブリース等は②に含む。

仲介会社から物件を紹介されるパターンは主に下記3パターンだ。
①大家の自主管理物件を紹介される。
②他社管理の管理物件を紹介される。
③仲介会社の管理物件を紹介される。

大切なのは、この3パターンの中で自分が内見する物件がどれに該当するのかだ。
そして最も大切なのは本記事で一番伝えたい、物件の「管理者の質」である。

3、管理者の質とは

管理者の質といっても、管理会社の担当者によって対応がバラバラだったり入居者の捉え方によっても変わってくるので、質の基準というのは中々判別しづらい。

不動産会社の視点でみると、
《管理会社の規模》
→管理戸数や管理スタッフの人数、所属団体、設立年数等
《管理の仕方》
→巡回の頻度や、管理スタッフ一人当たりの担当物件数、共用部の状態等

などを調べる事で、ある程度管理会社の実態が見えてくるが、不動産に精通していない方がこのような事を調べる事は中々難しいだろう。試しに入居してみる。という事もできない。

では皆さんでもできる管理会社の質を判別する簡単な方法は?

①内見時に共用部分、建物周り状態を確認する

「清掃が行き届いているか」
→エレベーターの中や階段、照明まわりの蜘蛛の巣、窓の汚れ、集合ポストのチラシ等を確認する事で、日々の管理体制がなんとなく見えてくる。

「専用ゴミ置き場の清潔さ」
→よくあるダメな管理会社の例として、引っ越して退去した人が粗大ゴミを捨てていく。という事。ダメな管理会社は片付けずにそのまま、、、という事がある。どのくらい放置されているかはゴミの状態を見れば一目瞭然だ。

「掲示板の掲示物」
→日に焼けて何を書いているのか分からない掲示物や3年前の自治体配布のゴミ曜日表等が張り出されていれば、なんとなく管理体制が見えてくる。
余談だか、共用部の掲示物はそこの物件で何が起きているのか。という事を示している事がある。例えば「騒音苦情が多発しています。、、、」のような掲示物。あからさまに、ここの物件では騒音苦情が多発しているという事を示している。
思いがけずに物件の状況や入居者層などをイメージできる事もある。要チェックだ。

「空室の清掃状態と空室期間」
→空室が汚い、または空室期間が長いと内見者が選ばない理由が必ず何かある。条件面で周辺相場と不釣り合いな場合もあるが、そうでなければ何かしら管理体制に問題がある可能性が考えられる。気になったら営業マンに聞いてみても良いかもしれない。腹を割って話してくれる営業マンだったら、正直に話してくれる場合もある。

②口コミなどを確認する
→インターネットが普及した昨今では、不動産会社や管理会社からするとネット上の口コミが営業成績を大きく左右する位とても大きな影響力がある。
ネット上の口コミを確認するのも一つだ。


まとめ

・部屋探しは設備や周辺環境だけではなく、管理会社がどこかを確認する事が大切

・管理会社がどこかを確認するだけではなく、管理内容、管理体制、管理状況も確認する

物件を選定する上で、希望条件の優先順位は人それぞれだが、『管理会社』という条件も踏まえた上で選定する事で、きっと部屋探しから入居後まで、より良いものになるだろう。




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