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リニューアルしたコネヒトコーポレートサイトのキービジュアル制作プロセス

コネヒト株式会社でデザイナーをしているnappiです。
こちらはコネヒト Advent Calendar 2020 9日目の記事です。

この度、12/1にコネヒト株式会社がリブランディングいたしました。
これまでコネヒトは、ママ向け事業を軸に事業を進めておりました。これからのコネヒトは、ママ向け事業にとどまらず、すべての家族を対象とした事業展開をしていきます。そんな指針となるべく、今回のリブランディングは「あなたの家族像が実現できる社会をつくる」というビジョンを軸に進めてまいりました。

5月くらいにキックオフし、なんやかんや紆余曲折あり半年以上に渡るプロジェクトでした。ようやく世に出せて本当にホッとしています...。
今回のプロジェクトは、コネヒトが昔からお世話になっているデザイナーの @ottieeさんにご参加をお願いし、新ロゴもottieeさんに制作いただきました。

今回のプロジェクトにおける私の主な役割は、コーポレートサイトのリニューアルのデザインでした。特に苦労したのは、TOPページのキービジュアルの制作です。

特に、「ビジョン」という抽象概念を伝える難しさに悩み続けながらキービジュアルを制作していきました。

ということで、今回は、コーポレートサイトのキービジュアルに焦点を当てて制作プロセスをご紹介したいと思います。


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今回、プロジェクト初期段階のブランドアイデンティティ言語化の議論から参加しました。その議論の過程で、アウトプットのもとになるキーワードを抽出していきました。ちなみに、言語化の種は、社内でアンケート調査をしたり、外部でコネヒトの印象調査をしたり、競合ブランド調査をしたりと、各所からエッセンスを抽出していきました。

ottieeさんがまとめてくださったコネヒトデザインポリシーDo/Don'tは制作中、何度も参考にしました。これは良いよね、だけではなく、この表現はNGだよね、がわかると、やってはいけないラインはわかるのでアウトプットが作りやすかったです。とても勉強になりました。

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今回のキービジュアルは、コーポレートサイトの入り口、「顔」となる大切なものです。ビジョンを体現するアウトプットになるよう「多様な家族像」というキーワードは特に大切にしました。

イラストでいくか、写真でいくかなど、方向性によって、テイストがガラッと変わるのでいくつかラフを作成して、プロジェクトメンバーや経営陣と擦り合わせをしていきました。それぞれの方向性のメリット・デメリットを伝えながら、どれがビジョンを表現するのにもっとも最適なのか定めていきました。

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※ 他社さんのビジュアルでラフを作っている箇所はぼかしています

写真:イラストよりも具体性が上がるので、コネヒトの目指す姿のイメージを与えやすい。一方で、イラストよりも具体性が上がるので、固定観念を与えやすい。家族像に対する想像力を奪う可能性がある。
イラスト:イラストは写真よりも抽象度が高いので、家族像に対する固定のイメージを与えにくくなる。一方で、表情や感情は写真よりものせづらい。

以上の議論から「多様な家族像」を表現するには、写真よりも表現の抽象度が高いイラストのほうが良さそうということでイラストの方向で進めていきました。

ブラッシュアップした案がこちら。

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色に関しては、この段階でコネヒトの新ロゴが完成していたので、新ロゴと同じく多様な色彩で表現したいと考え、新ロゴで使っているカラーリングをキービジュアルにも入れてみました。また、人だけではなく、背景に町並みを想起するモチーフをいれることで社会も表現してみました。

このキービジュアルを経営陣に見せて、「コネヒトが実現したい家族像ってこれだけなんだっけ?」という議論になりました。夫婦、パパ、ママ、2世帯家族、これから家庭を持ちたい方... コネヒトが対象とするであろう家族の姿をキービジュアルに盛り込んでみました...
が、「ここで表現したい家族像ってなんなんだ?」という壁にぶち当たりました... 

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「家族像とは?」に煮詰まった私でしたが、プロジェクトメンバーのみなさんとの会話がよりよいアウトプットを生み出すきっかけになりました。

特にプロジェクトメンバーが実施してくださった「家族像について考えるワークショップ」は自分の中で家族像を理解する良い機会でした。
ワークショップの内容は、下記のテーマでグループごとに付箋を出し合い、お互いに発表するというもの。

・あなたの家族ルールを教えて!
・あなたの理想の家族像を教えて!

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このワークショップを経て気づいたのは、
・「自分の子供が出来たら自分の理想の家族について考える」というわけではないよね。自分の生まれ育った家庭の影響から家族について考えることもあるし、恋人ができて付き合ったら将来についてこうしたいと考えるときもあるよね。
・我が家の家族ルールって、今では当たり前のように感じているけど、父母もしく祖父母との話し合いや擦り合わせをもとに生まれてるんだろうな。もし“我が家にとっての当たり前”に対して障害になることがあったり、誰かから価値観を押し付けられていたりすることがあればとっぱらいたいな。

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そして家族像への理解を経て、ブラッシュアップしたキービジュアルがこちら。

キービジュアル_Fix版

私なりに、「理想の家族像ってなんだろう?」ということを考え、このキービジュアルに盛り込みました。

・今子供はいないけど、未来に子供がほしいなと思ってる人が描く未来も「家族像」。だから、あえて子供がいない夫婦や独身を想起する男性も描く。
各々の家族の当たり前を実現している社会を描く。誰かから押し付けられてる価値観をとっぱらった社会。例えば、養子を迎える家族、仕事をしながら子供を育てている家族を描く。
家族の課題に対して社会が向き合っている様子を描く。何か困っている人に対して助ける人がいる社会。

「ビジョン」という抽象概念を目に見える形にするのは大変でしたが、
・抽象的な概念(家族像)への理解を深めるために、関係者で何度も対話する
・迷ったら考えうる方向性をすべて形にしてみる
・抽象的な概念も、1度具体的にしてみる。具体化によって自分ごとにする。
を実施することで、自分も周囲も、納得のいくアウトプットできたかなと思います。


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おまけ

12/1のプレスリリースより前に社内で新しいコーポレートアイデンティティお披露目会(社内通称「出港式」)を実施し、そこで使うワークシートや資料も制作しました。

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社内メンバーの決意表明を見て、とても刺激されたり・・・(手書きって個性が出て素敵ですよね。手書きの素晴らしさを改めて痛感)

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コネヒトの今後の事業展開に合わせた資料を航海図っぽく作ってみたり・・・

家族を話そう航路図

コネヒトの新しい船出に立ち会えて幸せだなあと思うと同時に、自分自身も決意を新たにすることができました。

これからのコネヒトにもご期待ください!


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