祖父の戦争

昨夜のNHKの番組で、インパール作戦の特集があったようだ(見逃してしまった。再放送は必ず見る)。
昨年末、『Forbes』の仕事でミャンマーを訪れた際に、同作戦に従軍した日本人兵士が眠る墓地を訪れた。
クライアントの住友商事の部長さんに、酒席で「祖父がインパール作戦に従軍していたんです」と話したところ、「ぜひ行くといいですよ」と勧めてもらったのだ。
私の母方の祖父は、日中戦争とインパール作戦の2回従軍している。通信兵だったことから前線には放り込まれず、幸いに死なずに日本に戻ることができた。祖父が戦争で死んでいたら、母の暮らし向きも相当に変わっていただろうし、私も生まれていたかどうかわからない。
インパール作戦は半数以上の餓死・病死者を含む、7万人を超える犠牲が出たそうだが、ミャンマーの日本人墓地はとても小さく、訪れる人も最近では少ないとのことだった。祖父の戦友に墓参りしたことを正月の帰省時に母に告げると、「天国のお父さんも喜んでるよ。お父さんは戦争のことはほとんど話さずに死んじゃったけど、私らももっと聞いておけばよかった」と悔いていた。祖父は私が生まれる前に50代でガンで亡くなったが、生前は数年に一度、戦友が遠くから訪ねてきて、夜遅くまで酒を飲みながら戦争の思い出話を語り合っていたらしい。祖父に話を聞いてみたかったな、と思う。




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