向き合う心と寄り添う心

 「パパ、ザリガニを一緒に見よう。」疲れて帰宅したパパを捕まえて、6歳の息子がせがんだ。これに応じて息子と一緒にしばらくザリガニをみたという話を聞いた。以前にパパと一緒に捕まえたザリガニを飼っているようだ。

私はこの話に感動した。これこそ基本的な社会教育だ。私はこのパパの年代にどんな教育が出来ただろう?

私はこのパパの年頃には、仕事しか意識になかった。肉が嫌だといって家内の手に負えない息子を叱りつけて、無理やりに肉を食べさせた。肉が食べられない息子に育ててはいけない。そういう意識から、行ったものだ。

いまは、これが正しかったかどうかに自信はない。

それに比べて、飼っているザリガニを一緒に見て心を共有する。この教育に感動した。

同じものを一緒に見て、心を共有する。ここから、社会性が生まれる。社会生活を送るには一つのことを同じ目線で見ていかなければならないことが多い。

そこに同じ心が生じ、また、自分と異なる心が生じることを知る。子供はこれを体験して、社会生活の第一歩を学ぶ。

大人も時として、この基本を忘れてはいないだろうか。

大人になったら、向き合って、お互いを知ろうとして愛し合うのも大切だが、寄り添って、異なる心を理解していくのも大切ではないだろうか。どちらが正しいかなどと判断をするより、同じものを見て異なる反応をする友の心を大切に扱う生き方をしたいと思いました。

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