宇宙の誕生は、はじめに呼吸ありき

「西野流呼吸法」(西野皓三著)では、じつにおもしろいことを言っている。
「生命のルーツを探ってみよう。200億年前にビッグ・バン(大爆発)によって宇宙ができた。その宇宙という物質世界の片隅にある太陽系の一つの惑星、地球に30億年ほど前から生物(有機的生命体)が発生した。有機的生命体とは、細胞体だといってよかろう。この細胞体には、ミトコンドリアという粒状、棒状の小体が含まれている。ミトコンドリアは、生物が呼吸を続けて行くうえで重要な酵素を生成し、エネルギ-を生む場としての役割を果たしている。つまり、『はじめに言葉ありき』といういい方をすれば、『はじめに呼吸ありき』ということになる。

 『エネルギー体操』という深いところに影響を与える話をするには、まず呼吸の話をしなければならない。 息を吸う度に、天と地の新しいエネルギーが入ってきます。それが、浄化と癒しを起こして新しい自分を作ってくれます。


腰呼吸・足裏呼吸



『エネルギー体操』は、丹田呼吸では不十分で、さらに下の腰を意識して、呼吸する「腰呼吸」が原則です。腰呼吸は『エネルギー体操』で初めて使う名前です。『エネルギー体操』を補う歩行やストレッチなどの運動では、さらに下の足裏まで意識する「足裏呼吸」もあります。
 もちろん、呼吸は肺で行うのですが、意識が腰や足裏ということになります。ただし、武道やバレーで用いる西野流足芯呼吸や、林流足裏呼吸は行いません。


腰呼吸のやり方

 腰呼吸と言っても腰で呼吸するわけではありません。実際の呼吸は、横隔膜の上下によって行われます。
 しかし、腰を意識することで、横隔膜はさらに下がります。肺などと違って、腰に力を入れても他の部分は力みません。ここが重要なところです。
 気管と気管支は、息を吐く時には狭くなり、息を吸うときには拡大します。そのためには、息を吐く時は長い時間が必要で、息を吸うときは一気に短時間で吸うことができます。
 息を長くゆっくりと吐き続けると、セロトニン神経系という、攻撃を押さえる神経系が働き、身体はリラックスします。身体を緊張させないためには、普通に息を吸い、柔らかく長く吐きます。吐き切らないで、少し残します。吐き切ると、緊張を起こすからです。


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