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いまさら仮想通貨を始める方へ(手数料編)

(2021/05/11 20:28、スマホアプリで図表をタップすると、一つ前または後に現れる別の図表が拡大される不具合があるようです、原因不明すみません)

 やはり、いくら爆上げ、大儲け出来そう!?、と思っても、手数料はできる限り抑えたいですよね。

 よく「xxの手数料無料!」、なんて広告に謳われていたりしますが、そこはそれ、xxの手数料とは別のコストがかかってて失敗した!なんてことの無いよう、理解は深めたいです。

 以下では、仮想通貨取引時にかかる各種手数料、スプレッド、コンバートなど各種コストをまとめてみます。本noteをご覧になっている方々は株式取引経験がある方も多いかと思い、株式売買との差異、見落としがちなものを中心に記載します。投資が初めての方に分かり辛かったらお詫びします。ただ、そもそも投資初めての方は、いきなり仮想通貨は危ないかもしれませんからこれで良いのかもしれません(・∀・)

1.取引所・販売所手数料

 以下は、私がメインで使っているGMOコイン取引所・販売所の例です。私はGMOコインの取引所・販売所・FX・送金等それぞれ使いますが、他社と大きな差は無くこの料金体系でそれほど困りません。これを一つの基準とし、これより高い取引所・販売所は、よく考えてから使われたらと思います。

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 販売所は手数料が無料と提示されていたとしても、実際はスプレッドがありますので、これが実質的なコストとなります。表のスプレッド値は往復です。結構高いですよね。買いで5%、売りで5%もあれば、買いの時に10%の場合もあります。特に話題なコイン、草コインほど、高いです。

 販売所と取引所の違いは以下口座選び編を参照ください。

 取引所の手数料は、販売所のような大きなスプレッドが無く、低コストで売買出来ます。表のとおり、株式並みの手数料といえるでしょうか。かつ、マイナス手数料、つまり手数料を貰える場合があります。これは株式売買に無い大きな特長です。Maker、Takerという用語も聞き慣れないと思いますので、以下で一つ一つ説明します。

2.入出金手数料

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 仮想通貨を購入するためには、まず日本円を取引所・販売所へ入金する必要があります。

 国内の取引所・販売所の多くが無料な銀行と提携していますので助かります。特にリアルタイムで入金が出来、かつ手数料無料としている銀行は以下が多いです。

・住信SBIネット銀行
・GMOあおぞらネット銀行
・三菱UFJ銀行

 私は住信SBIネット銀行を良く使います。仮想通貨の入出金以外にも、コンビニATMで一定回数手数料無料ですし、もし持っていないならこの機会に住信口座も作っておくと便利です。

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3.販売所手数料

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 販売所は手数料無料、と謳われている場合が多いですが、それとは別に、スプレッドがあります。スプレッドは実質的な取引コストにあたり、大きなスプレッドで売買すると、最終的に損益にも影響するため、スプレッドの狭い販売所を使うことが重要です。

 表をご覧ください。仮にスプレッドが10%の仮想通貨を100万円分購入しすぐ売却したとすると、手元の資金は90万円、単に往復しただけなのに10万円も減ってしまいます。

 スプレッドとは、取引をする際の買値と売値の差のことです。 

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 図1:スプレッド例その1(上下に開いている場合)

 上図はスプレッドが10%の例です。販売所では1,000円と価格が提示されていても、実際の買値は1,050円と、5%高い値段で買うことに、売る時は表示価格より5%安い値段で売却することになります。

 販売所によっては 表示価格=売値の場合もあります。

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 図2:スプレッド例その2(片方向に開いている場合)

 図2のケースでは、表示価格より10%高い値段で購入することになります。気になっている仮想通貨が950円になったので買おう!、といざ購入ボタンを押そうとしたら、買値が1割も高く提示されているかもしれません。

 前者はbitFlyer、Coincheck、後者はGMOコイン販売所などで見られます。前者の取引所の方が安く買えるのでは?、と感じるかもしれませんが、実際はほとんど差がありません。上図のとおり、どちらで買っても買値は同じ1,050円、売却時の売値も同じく950円だからです。表示価格を真ん中の値とするのか、売値とするか、の違いと捉えています。

 スプレッドの幅は通貨によっても違います。人気のBTCビットコイン、ETHイーサリアムなどは5%前後、マイナーなコインは10%前後のようです。

 スプレッドが狭いほうが低コストと言えますから、売買コストを抑えたいならスプレッドが狭い販売所、通貨を選んでみてください。

 またそもそも販売所ではなく取引所で売買(スプレッドが無いまたは最狭)し、取引所に無いコインが必要な時だけ販売所を使う、というスタイルが良いです。

 販売所でしか買えないコインを買いたい!、という場合、スプレッドが最狭な口座については 以前まとめたnote(口座編)を参照ください

4.取引所手数料

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 販売所と違い、取引所の手数料はとても小さいです。ですのでこの章は読み飛ばしても大丈夫ですが、株式同様短期売買、何度も売り買いをしたい方は、地味に効いて来るので、株式売買との違いであるMaker/TakerPostOnlyについて軽く説明します。

・Maker:取引板に無い新たな価格で注文を出し約定した場合
・Taker:取引板にある既存の注文と同じ価格で約定した場合

 仮想通貨取引所では、取引市場に流動性を作る(make)ため、板に無い新たな価格を提示した人(Maker)の手数料を格安に、或いはキャッシュバックしてくれる場合があります。GMOコインは上記表のように、取引額に対し一定の割合をキャッシュバックしてくれます。

 これなら常にMakerになりたいですよね。ただ、実際のところ、板を見て、新たな価格を指値したとしても、タイミングが悪く自分より先に同じ価格で指値する方が居たりすると、Takerとなってしまいます。

 そのため、手数料を抑えたい、常にMakerになりたい、という方のための仕組みに「Post Only」があります。

・PostOnly:確実にメイカー(格安手数料)として発注するためのオプション機能。ただし約定の即時性が犠牲になる

 発注時に「Post Only」にチェックを入れるだけで、テイカーなら発注されず、メイカーとなれる時のみ発注してくれるので、コストに敏感な方にはありがたい機能です。マイナス手数料を採用している取引所なら、売買のたびにキャッシュバックされるわけです。

 ただし欠点があります。Maker状態になるまで約定しないので、他の方は同じ値段で約定しているのに自分だけ約定できないなど、売買機会を逃すリスクがあります。

 「Post Only」はGMOコイン、bitbank取引所などで利用可能です(GMOコインはWebブラウザから指定。アプリからは現段階で指定出来ません)。また、bitbankは-0.02%とGMOコインより高いキャッシュバックのこともあるのでお得です。

5.自動積立時のコスト

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 自動積立、便利ですよね。ほっておけば、ドルコスト平均法(定額定時で買い付けることで買付単価が下がる可能性がある購入方法)で優位になるかもしれません。自動積立自体は便利で私も使いたいのですが、手数料・コストの面では注意が必要です。

 「自動積立手数料無料!」と表示されていても、多くの場合、スプレッドがついた価格で積み立てられてしまいます。ご自身が開設した口座の注意書きなどを良く読んでみてください。「販売所価格で積み立てる」といった記載がありませんか? つまり先ほど説明した、販売所で+5%、+10%の高い値段で購入することと同じコストが発生しかねません。

 残念ながら私が知る限り、取引所価格OR低コストな自動積立サービスはありません。代替策としては、手数料が格安な取引所で毎月手動で買うしかありません。

 しかし仮想通貨は値動きが大きいです。いざやってみると、積み立て予定の前日に大きく値上がりしていると「割高だから下がるのを待とうか、、」、逆に暴落していると「もっと下がっちゃうかも、、怖いなぁ」、どちらにしろ不安になりがちです。自動積立は人の恐怖心などお構いなしに淡々とドルコスト平均法を活用できるので、今後、取引所価格で積み立て可能なサービスが各社から提供されるのを期待したいです。

6.FX手数料

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 投資経験がある方ならFXはご存知かと思います、仮想通貨FXも同じようなサービスになります。

仮想通貨FX:実際に仮想通貨を売買する「現物取引」と異なり、元手を担保に売買し、価格変動の差額分だけを利益として受け取る/損失として支払う「証拠金取引」。またレバレッジ(元手の2倍、3倍)、およびショート(仮想通貨を保有せずに売り建てる。暴落時に有効)が出来る

 ただし為替のFXと異なり、仮想通貨FXでポジション(買いまたは売り建て)を長期で保有するとコストが結構かさみます。FXを利用する人でそのような人は少ないと思いますが、仮に365日ポジションを保有すると、
年14.6%となります。

 また仮想通貨FXも、為替FXと同様スプレッドがあります。
 おおむね0.05%前後(取引所、タイミングにより違う)でしょうか。販売所ほどではありませんが、FXを利用する方は繰り返し短期売買を行うと思いますので、回数が多いとコスト面で結構効いてきます。

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 図3.仮想通貨FXのスプレッド例
    (画面はGMOコインの暗号資産FXアプリ)

 図3の例だとスプレッドが3,158円開いているので、ちょうど
0.05%です。

7.送金手数料

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 仮想通貨は銀行などを通さずに、手軽に&24時間365日、いつでも取引所や個人間・ウォレット(仮想通貨を安全に保管するお財布のようなもの)などへ送金が出来るのは便利です。

 これも「送金手数料無料!」と謳われている口座であっても注意が必要です(このパターン多いですね、、)。取引所・販売所での送金手数料とは別に、コインごとの手数料が差し引かれます。例えばXRPリップルという仮想通貨は、一回送金ごとに0.1XRPの手数料が必要です。1XRP=160円としたら、たかが80円です。ただしこの手数料は仮想通貨の種別によって異なり、以下3パターンかと思います。XRPリップルは以下①のケースですね。

①定額(送金量によらず、送金毎に一定のコイン数が課せられる)
②従量(送金量によって変動)
③変動(速く送金したいなら高めに手数料を指定)

 いまさら仮想通貨を始める方は、いきなり送金することは無いと思うので詳細は後日追記します。

8.コンバートコスト

 国内取引所・販売所では、基本、

日本円 ⇔ 仮想通貨

での取引になります。

 一方、仮想通貨を別の仮想通貨に交換(コンバート。投資信託のスイッチングのようなもの)したい、仮想通貨建てのコインを売買したい(円でなく保有する仮想通貨で他の通貨を購入すること)がその仮想通貨を持っていない、といった場合は、コンバート時のコストも知っておく必要があります。

 GMOコインなど多くの国内取引所は仮想通貨のコンバートサービスや、仮想通貨建ての売買サービスは提供していませんので、詳細は別の機会にまとめたいと思います。

9.税金

 手数料ではありませんが、税金も大切ですよね。
 知らなかったばかりに、ともすれば手数料以上のダメージを受けるかもしれません。以下は稀有な例かと思いますが、億り人になったのに税金返済に追い込まれるケースもあるようです。

 ここでは株式売買時との違い・ポイントのみ触れます。

雑所得、累進課税(株式は譲渡所得、配当所得)
総合課税(給与、事業所得との合算となる。株式は分離課税が選べる)
仮想通貨間のコンバート(スイッチングのようなもの)や、購買(仮想通貨で支払い・物品購入など)すると、それまでの損益によっては課税対象となる所得が発生したとみなされる(特に海外取引所利用時注意

 詳細は別のノートにまとめたいと思います。

10.最後に

 仮想通貨の手数料体系はそれほど難しくなく、ポイントもはっきりしているので軽く書こうと思ったのですが、結構な分量となってしまいました。

 次回は積立以外の稼ぎ方や、万が一、億り人になってしまった時に税金で慌てないように、そこまでいかなくてもエアドロップやハードフォーク、コンバート時の予期せぬ課税対象を失念し納税漏れを指摘されぬよう、そのほかの話をまとめてみたいと思います。

11.本noteについて

・これらの情報によって生じたいかなる損害についても本情報提供者は一切の責任を負いません。
・本書記載および講演内容は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。
・データ・数値は、過去の実績またはシミュレーション例等であり、誤っていないこと、および将来の一切を保証しません。
・投資にあたっての最終判断はご自身でお願いいたします。 

おおがでした。

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