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丸投げされたと憤慨するのは、「やらされている」と思っているから。

 2018年の6月18日の朝、大阪北部を震源とした大きな地震がありました。この地震では通学路に面していた3.5メートルもの高さのブロック塀が崩れて小学生の命を奪うこととなり、文部科学省は事故が発生した小学校に職員と専門家を派遣すると共に、全国の小学校・中学校設置者に対して敷地内のブロック塀についての緊急点検を実施するように緊急の要請を行うことを決定しました。

 そういったわけで、各自治体でも対応に追われていたのですが、横浜市では教育委員会がPTAに“ブロック塀調査”を丸投げ…と、twitterの投稿をきっかけに炎上していました。そして、実際のところは丸投げしっ放しってことでもなさそうであります。

 この騒動をネットで目にして、「ああ、またPTAが悪者扱いされるのか」と悲しくなってしまうくらいには、PTA好きな私です。

 たぶん、ほとんどの人にとって、PTAという言葉には、ネガティブな感情しか湧かないんでしょうね。役員決めの時のあの雰囲気の悪さだったり、時代に合わない活動内容だったり、やたら偉そうで、口出しもしてくるOBの存在だったり。そんな話を聞かされ続けているうちに、何とかして避けなければならないという意識が醸成されるのがPTA。不幸にして委員や役員がまわってきたら、やらされ感満載、暗黒の一年間ってところでしょうか。

 PTAという組織については、約70年の歴史を刻むうちに、ほーんと、厄介な存在になっているのも事実です。そのうえ、任期は1年だから 変革させるよりは1年我慢しちゃうほうが楽だったりします。変えようとしたら2~3年は頑張らなくちゃなりません。ひとりで頑張っても、そう簡単には変わってはくれません。PTAをなくしてしまう学校も増えてます。

 できるだけシンプルに考えたらいいと思うんです。通学しているわが子が安全に学校生活を送るお手伝いができるのですよ。私がかつて在籍していた小学校や中学校のPTAには「校外委員会」という部門があって、最低でも年に一度は自分の住んでいる地域の点検があり、こどもたちの通学路や遊び場に危険がないかを見て回り、それをお知らせしていました。わたしは小・中学校合わせて4回くらい校外委員を経験したのですが、委員さんたちはどの年度も目を輝かせて「あの交差点が危ない!」とマップを作っていました。最初こそ「やらされ感」があったけれど、今は楽しく活動をしているなぁと、それなりの充実感さえ感じたものです。

 今回の「危険なところの点検をPTAにも協力してもらい」の一件も。
実際の確認作業を「専門家」が来るまで何か月も待っている間に、次の災害が起きるかもしれないし、日頃から活動をしている人は、「丸投げされた」とは思わなかったように思うのですよ。むしろ自分たちの活動がわが子の安全を守ってる!というポジティブな感情が湧いてきたのではないかと思えるのですけど。

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