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PRパーソンが観るべきおすすめ映画3選

“新しい価値観”の種を蒔き、その芽を育てる。というミッションのもと企業のPR・コミュニケーション活動を支援している、オンヨミの山本です。

今回は「PRパーソンが観るべき映画3選」ということで、おすすめの映画をセレクトしてみました。

PRに関わる方、またはPRに興味のある方など、何かを考えるきっかけになってくれたらと思います。

それでは紹介していきます。


おすすめ映画3選

①サンキュー・スモーキング(2006)

監督:ジェイソン・ライトマン 
https://filmarks.com/movies/7512 

主人公であるニックの流麗でスマートな話っぷりは必見ですが、この映画ではPRパーソンとして別の視点からも観ることができます。

それは、PRは商品やサービスを売るための単なる交渉手段ではなく、他者との友好な関係づくりや世の中への問題提起を行うことがポイントであるということです。

作中でニックが、宿題を終わらせることができたら夜ふかししてもいいかとたずねる息子のジョーイに対して、「それは議論ではなく交渉だ」と諭すシーンがあります。

交渉とは、平たく言えば利害関係の調整であり、当事者間によるコミュニケーションで完結するものです。

一方で議論とは、客観的なテーマについて意見を共有することであり、必ずしも当事者である必要はありません。

PRとはPublic Relations、「他者との友好な関係づくり」を行うことが本質だと考えていますが、当事者間の利害関係の調整である交渉のスタンスでは、どうしても世の中ごととしての関係づくりができないのです。

当事者間の利害関係からはなれ、世の中にひろく意見や問題を掲げることができれば、だれかの共感や信頼を築くきっかけになります。

その議論を社会にとって建設的なものにするためにも、公表するデータやメッセージの信頼性・倫理観が問われるのですが、今回の映画ではその点は個人的にグレーかと思います笑
PRパーソンが気をつけるべきポイントとして学びがありますね。


②パターソン(2016) 

監督:ジム・ジャームッシュ 
https://filmarks.com/movies/66759

この映画では「日常をどう捉えるか」、その視点が美しく詩的な世界観の中で示されています。

主人公であるバス運転手パターソンは、一見代わり映えのしない繰り返しの日々をおくっていますが、日常のささいな発見や感情を捉え、秘密のノートに詩作することを日課にしています。

全く同じ物事にふれたとしても、そこから何を感じ、どのような気付きを得られるかはその人それぞれの捉え方によって大きく異なります。

その人のオリジナルのフィルターを通すと私たちや世界はどのように映るのか。
それを表現したものが詩であり、映画であり、絵画であり、音楽であり、すべての表現活動から生まれるものです。

PRパーソンの考えるアイデアや企画も表現物である以上、私たちのものの捉え方の中に、誰かを驚かせたり楽しませるアイデアを見つけるヒントがあるかも知れません。

とはいえ、ものの捉え方は一朝一夕に変えられるものではないので、まずはオリジナルの捉え方を築くための観察眼、「眼の使い方」を鍛えることがおすすめです。

コンビニまでの散歩道、ベランダから見える風景。
いつもと変わらない日常の光景の中に、なにかを意識的に見ようとしてみてください。
「まるいかたち」「屋根」「くぼみ」など適当なキーワードを設定して、それを普段の生活のなかで意識的に探してみると分かりやすいです。

見慣れた景色からも、いつもは見えなかったなにかが見つかるかも知れません。


③ジョーカー(2019年)

監督:トッド・フィリップス
https://filmarks.com/movies/80819

同じく昨年に公開されたポン・ジュノ監督の「パラサイト」と共通して、貧困と格差を描いた作品として大きく話題になりましたね。(作品の捉え方は様々ありますが)

この作品は、「情報発信者・受信者の責任」についての視点からも観ることができます。

インターネットが発達しSNSが普及した今の時代では、世界中のあらゆる情報に瞬時に触れることができる一方、情報の洪水の中では発信者が伝えたい意図通りに情報をコントロールして伝えることがより困難になってきています。

個人の意見が世の中を動かすことのできる時代だからこそ、それぞれの発信が「これまでの価値観の転倒」を引き起こす可能性を、良くも悪くも大いに含んでいるのです。


新しい価値観の提示によって引き起こされるその議論ははたして本当に社会にとって建設的になっているのか、それとも都合の良いように受け取られた情報を空っぽの偶像として祭り上げ、受信者の怒りや不満を撒き散らすだけの憂さ晴らしになっているのか
わたしたちそれぞれが情報の受け取り方・伝え方に責任を持つ必要がより高まっている時代といえるかもしれません。

情報は受信者の見たい・聞きたいように受け取られることが多い現代では、PRパーソンとしては発信時にどれだけ情報波及の設計に気をつけることができるかはひとつのポイントになります。

また、そもそも情報の受け取られ方のコントロールが難しいという側面を逆に利用し、あえて受信者が誤読しうる「余白」を残した新たなコミュニケーションのかたちも見られます。

はたしてそのコミュニケーションに美学はあるのか。
目先の利益のために倫理性をないがしろにしてはいないか。
混沌とした現代だからこそ、そうしたシンプルな問いを忘れないようにしなければいけませんね。


さいごに

今回紹介したような素晴らしい作品を通して、PRについて考えるひとつのきっかけになればと思います!

今後もこのnoteにて、PRやコミュニケーションに関わる内容をメインに発信させていただきます!

これからも皆さんに新しい発見を提供できるよう、リサーチなどの費用にさせていただきます! サポートよろしくお願いしますmm