地球のはなし 電子メール
私たちの施設には外国人客員研究員の制度があって、もう10年以上も続いている。その候補者は国際的な学術誌で公募するのを原則としていて、最近も7月末日を締め切りにした募集広告を出した。
これが始まった当初、応募はすべて郵便だったが、いつのころからかファクスが加わり、3年前ごろからは電子メールが始まった。たまに送られてくる文字が変な風に化けて判読不能なことはあるが、問い合わせれば簡単に解決する。ともかく早いという便利さと確実さから、今回の応募は電子メールが主体であった。
しかし、何人かの人は郵便で応募してきた。ここに、問題が生じた。ある国からの書類が、2ヶ月もかかって、締め切り後に届いたのである。どこかで滞っていたのだろう。一次選考を済ませた後だったので、気の毒とは思うけれども、どうしようもない。私自身も、郵便はだめだったが、電子メールはうまくいったという、似たような経験をしたことがある。
こんなことに出合うと、国際的な郵便事情は、かなり良くなったものの、必ずしも万全とは言い難い、と言わざるを得ないようである。これからの手紙のやりとりには、多分、電子メールがますます大きな役割を占めるようになるに違いないと思う。
だが、時々、わけの分からない文書がディスプレーに現れることがあって、実に不気味なシステムでもある。
(1999.10.13)
【参考】
1993年:インターネットの商用利用許可、AOL(アメリカオンライン)と接続
1994年:ポータルサイトYAHOO登場
1995年:マイクロソフトWindows 95リリース
1997年:Hotmail(Microsoft)、Yahoo!メール誕生
1998年:Google誕生、漢字ショートメール(ドコモ)誕生
1999年:iモードメール(ドコモ)誕生
別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。
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