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桃の季節と災いと。

流石と書いて『さすが』と読むのを知ったのはお店を始める少し前の話。それと同じ時期に桃が夏の果物と知った。

小さい頃は桃が夏の時期にしか収穫できない事や、高額なフルーツなどと知る由もなく、母親が買ってきた桃をパクパク食べていた。値段の事など気にせずパクパクだ。挙げ句の果てに「桃缶の方が美味しい!」と言ってしまうような少年Yくんは今はいない。

母さん、ありがとうね。桃って意外と高いのよね。

そんな桃を使ってスイーツやパフェをお店で提供している。(完全予約制にて)SNS映えしないよう気をつけながら、またはバズらないよう細心の注意を払っている。見栄えのいいスイーツでお客さんを引き付けるのはちょっと違うし、桃そのものを楽しんでもらえるような工夫という名のアイデアを届けたいと心の底から思っている。

"桃のデザート"というだけで「食べたい!」という気持ちになるのは分かるけど「ちょっと待てよ!(キムタク風)」と言いたくなるのは桃園への敬意も少なあらずあるわけで、僕らはちょっと違ったアプローチでお客さんにアプローチをしている。

3年ほど前から福島県桑折町の桃園から直接桃を仕入れることができている。この上ない幸せなことだ。そんな"福島県産の桃"を全面的にアピールすることで、お客さんのSNSに"福島県産の桃"と書いてもらう事が本当の狙いである。

3.11の震災・原発事故より福島県の食材を敬遠していたのは正直なところ。放射能の影響で"安心"とは程遠く、"恐怖"の方が頭の中を埋め尽くしていた。何なら福島県の食材を見て見ぬふりをしていた。

『どうしたら"安心・安全"と思ってもらえるか。』

僕が仕入れさせていただいている桃園がそうやって努力をしてきたのが、出会った瞬間にわかりました。(憶測ですが。笑)

日本の基準ではなく世界基準を2年もの時間をかけてクリアし、今なをその基準を保っている。桃を美味しく育てる事と並行してそう言った努力を惜しまない。本当に素晴らしい桃園だ。(そして桃園の三代目は僕よりも若い。)

そんな桃園の桃を使うことができるのだから食材そのものを楽しんで欲しい。そして福島県の桃を食べている!という事実を発信して欲しいという僕らの意図がある。ごくごく小規模なビジネスではあるれけど、福島とこうして繋がれていることはお店をやっていてとっても楽しい。

ただ人生は楽しいだけではないのが事実。桃の季節は何かしら問題があるんですが・・・去年は桃の営業をしたあと妻が体調を崩しました。

今年は細心の注意を払って営業して行きたいと思います。

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