
🐤2月の“透かし”御朱印🌸
2月は寒さの底を迎える季節でもありますが、厳しい寒さの中にも少しづつ、春の足音が聞こえはじめてきた今日この頃。
「立春」を迎えると、暦の上では春となります🌸(今年は3日!)
境内の河津桜も蕾をつけ、ほころびはじめました…♪

今月の御朱印では、御祭神や神社の動物たちが一足お先に春の訪れをお祝いしています✨
◆「鶯の里」特別御朱印

菅原道真公が著した漢詩文集である『菅家文草』には、「鶯、谷より出る」という歌があります。
谷ふかみ 春のひかりの おそければ
雪につつめる 鶯の声
【訳】谷が深く、春の光が届くのも遅いため、鶯が鳴く声も雪に包まれている。

鶯は、"春の訪れを告げる鳥"として「春告鳥」という異名を持ちます。
この歌では、冷えた谷の中で鶯の声が静かに春の兆しを告げている情景が感じられます。

小野照崎神社も400年前、入谷の里に遷座する前は、上野の照崎という今のJR鶯谷駅のほど近くに鎮座をしていました。
御朱印でも、谷を巡る御祭神の小野篁卿たちの頭上の梅の枝に、鶯が佇んでいます。

梅の開花の時期は、鶯のさえずりがはじまる時期と重なることから、「梅」と「鶯」は古来より早春を象徴する取り合わせとして、詩歌や絵画において「美しいもの」の象徴とされてきました。

実際には、都心部で梅の枝間を飛び回る小鳥は鶯ではなく「メジロ」であることが多いようですが、春の訪れの代名詞である「梅」と「鶯」の共演は、多くの人の憧れであったことでしょう。

◆「道ひらきの梅」特別御朱印

「道ひらきの梅」は当社境内に太宰府天満宮より恵与いただいた、他の花々に先駆けて春を告げる早咲きの梅です。

御朱印では、当社庚申塚に祀られる神様・猿田彦大神も、「見ざる・言わざる・聞かざる」でおなじみの三猿を携えて登場。

猿田彦大神は、物事のはじめに現れになり、人生の岐路で迷う時に行き先を照らして導いてくださる神様。
「道ひらきの梅」は、そんな猿田彦大神の御神徳にちなみ名づけられました。

ご参拝の際には「道ひらきの梅」をぜひご覧いただき、春の訪れを感じてくださいね…♪

◆「飛梅」特別御朱印

大きな梅の木を見上げる菅原道真公と御神使のウシ。
梅の花をこよなく愛した道真公。今回の御朱印は、「飛梅」がモチーフです。
「飛梅」とは、大宰府天満宮に現在もある梅の木の御神木です。

道真公が都を離れる際、庭木に語りかけるように詠んだ「東風吹かば~」の歌に応えるように、都から一晩で飛んできたといわれています!

また、太宰府天満宮の飛梅の立札には、道真公の書の真骨頂とも名高い「鳥点の筆法」を用いて描かれているのも必見です🎵

道真公のご生涯には、近くに梅の存在がありました。
幼少のみぎり5歳ではじめて詠まれた歌も、晩年に詠まれた最期の歌も梅の歌です。

2月は梅の最盛期であり、道真公が神上がられた月でもあります。
御朱印を通じて、道真公に想いを寄せるひとときを と、今回のリーフレットは道真公と梅の関係を象徴するエピソードの特集と相成りました。

◆「立春大吉」特別御朱印

梅の花が咲く下、皆で手を繋いで春の訪れを御祭神の小野篁たかむら公、御配神の菅原道真公、神社の動物たちみんなでお祝い。

道真公が愛した梅の花。紅梅の芳しい香りに誘われて、鶯うぐいすもやってきました。

輪の外には、浮かれる動物たちに交じって下町情緒あふれる謎のお兄さんの姿もありますね🎵
そして御朱印中央にあしらわれるのは「立春大吉」の文字!

かつては春のはじまりを「1年のはじまり」とする時代もありました。
お正月に目標を掲げそびれたという人も、春を寿ことほぎ気持ちを新たに今年の目標や抱負を携え、お参りいただければ幸いです…🎵
◆「梅花」特別御朱印

「梅花」の御朱印に記された和歌は、当神社御祭神の小野篁卿が歌ったもの。
暦の上では立春で春を迎えますが、1月末から2月上旬にかけては1年の中でも寒さのピークを迎えます。

雪の中でじっと耐える梅の花を、応援しているようにも感じます🌺
厳しい寒さの中、降り積もる雪に負けじと咲く梅の花を見事に描写した歌です。

梅を見上げ、歌を詠むのは小野篁卿。
御配神の菅原道真公は雪の中、牛の傍らで物思いにふけり、動物たちも思い思いに春の訪れを喜ぶあしらいとなっています…💛

立春を過ぎ湖や小川の氷が暖かさで割れ、水の底の魚が水面近くまで来る「魚上氷うおこおりいずる」の頃、その年の実りを祈る宮中祭事「祈年祭」が毎年2月17日に行われます。
この祈年祭が過ぎると、日差しは和らぎ、梅も見頃となり、本格的な春が訪れます🌺

◆「節分」特別御朱印

「立春」といえば、前日の「節分」がセット。
節分の日には、立春を前に災厄を象徴する鬼を豆で打って追い払う「豆まき」などの追儺神事が行われます。

春の訪れを祝って、豆まきをする小野篁卿と動物たち。
豆まきでヒートアップしてきた篁卿は、どこからか巨大な枡を持ち出してきました。
枡から伸びるチューブはサルの持つロケットランチャーに繋がっていて豆が噴射します…!!

ネコもバケツで豆をまいてサポート! 勢いあまってバケツからはネズミが飛び出ました。
たまらず逃げていく鬼役のイノシシ、オオカミ、狛犬たち。
逃げながらも狛犬には笑顔が浮かび、豆まきを楽しんでることがうかがえます🎵

2月3日の節分では、大晦日に「年越の大祓」を行うのと同じく、季節の境目である節分の日には「災いを祓い清めて新しい季節をいただく」と考えます。

1年のはじめに災いに通じる鬼を「豆=魔滅(まめ)」で一掃して、1年を無事に過ごせますように。そんな想いを込めて奉製致しました。
◆月参りのご案内

「月参り」とは、月に一度ないし二度、特定の神社に参拝することを言います。
御神前で呼吸を整え、背筋を伸ばして手を合わせながら、日頃の感謝を申し上げること。
また、自身を振り返り気持ちを整え、今後の誓いを立てること。
――こういった「祈り」の積み重ねが、神様と私たちの心の距離を、少しずつ近づけてゆきます。

当社では毎月の「月参りのおしるし」に、日本の美しい季節や文化を感じるあしらいの特別御朱印に加え、毎月の祭事や暦、日本の文化のコラムを掲載した特別なリーフレットを無料でお分かちしております。
当社は学問芸能の神様をお祀りする神社ということで、毎月楽しみにお待ちいただけるような内容を目指し、心を込めてお届けしております。
ぜひ一度、ご覧ください。

また、「小野篁卿とめぐる季節の旅」と題し、神社の四季を感じる特設サイトを公開しております。
毎月、月替りの『特別御朱印』のご紹介に加え、4種類の『待ち受け壁紙』(無料)のダウンロードも可能です。
御祭神と巡る四季の旅を通じて、親しくお参りをいただき、日々の中で四季の彩りを感じて頂ければ幸いです。

◆小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)

東京の下町 入谷にある学問・芸能・仕事の神様をお祀りする神社です。
御祭神は、平安時代有数のマルチアーティストである 小野篁(たかむら)卿。文鳥を愛する絵画の神様で、百人一首にも登場したり朝は朝廷に夜は冥界に出勤される多動な神様です。852年⛩創建 、境内には重要文化財の富士塚も🗻