9月は当社境内「三峯神社」の例祭月!~現代に受け継がれる江戸の山岳信仰~
9月は、当社本殿の左手にある三峯神社の例祭月です。
今月は例祭を祈念し、「三峯」特別御朱印の授与を行います🍂
「三峯」特別御朱印の中央では三峯神社の神様の使い(神使)であるオオカミがお祝いされています🎵
◆三峯神社と山岳信仰
三峯神社の本社は、古事記や日本書紀にも記述がある、神話の舞台にもなっている歴史の深いお社です。
景行天皇の命により東国平定に遣わされたヤマトタケルが、埼玉・秩父にある三峯山の山川が清く美しい様子をご覧になり、国をお生みになられたイザナギ・イザナミの二神を偲んで創建されたと伝えられています。
高層ビルのような高い建物が無い時代、江戸での暮らしの中で遠くに見える雄大な山々は庶民の憧れでした。
交通網が整備されて実際に参拝が可能になると、こうした山々への憧れは強い信仰へと変容し、各地に関東の山岳信仰のお社の分社が創られました。
当社の三峯神社も入谷講社によりお祀りされたもの。
御社殿は、当地の御嶽信仰者によって古く創建された「御嶽神社」に、江戸末期に「琴平神社」が、大正時代に「三峯神社」が遷祀され、相殿で三社がお祀りされています。
◆「大口真神」神になったニホンオオカミ
三峯神社の神様の使い(神使)はオオカミです。では、どうして三峯神社の神使がオオカミになったかというと、ヤマトタケルが信濃国(現在の長野県)を旅していた時にまで遡ります。
旅をするヤマトタケルの前に、白いシカの姿をした山の神が立ちふさがります。ヤマトタケルはすばやく手にしていた野蒜(=ネギ属の野草)を投げつけ、山の神を倒すのですが、その祟りか道に迷って山中を抜け出すことができなくなってしまいます。
そんなヤマトタケルの道案内をして危機を救ったのが、白いオオカミ(山犬)だったというわけです。
このヤマトタケルを山の神から守護したエピソードから、オオカミは三峯神社の神使になったといわれており、親しみを込めて「おいぬ様」とも呼ばれて神格化され、『大和風土記』には「大口真神」と神名で記されています。
オオカミは畑を荒らすシカやイノシシなどの害獣から作物を守護することから、「大口真神」は盗難除け・魔除けの象徴として護符に描かれるなど、現在も篤く信仰されています。
当社境内の三峯神社も、神使のオオカミが三峯の溶岩石の上から社殿を守っています。どうかこの機会に、本殿と合わせてご参拝ください♪
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