今年こそ「優秀な人材」を採用したる!と意気込むあなたへ
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今年こそ「優秀な人材」を採用したる!と意気込むあなたへ

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

…ご無沙汰してる間に、人っこひとり産み落としておりました。
7年前、最初の妊娠に向け妊活したときに「男性ホルモンが強すぎて自然妊娠はほぼ無理!」と言い放った医者にあえて診ていただき、それから無事、分娩台に乗らない自然な?ワイルドでアクロバティックな出産をいたしました!

人生何があるかわからないものです。
そう、”自ずと”進むものは進むし、”自ら”けしかけたいことはけしかければいいし、、”おのみず”の世界。。 (弊社社名の由来ここにあり)

自ずと子宝に恵まれたので、自ずと、新生児子育てしながら経営することになり、自ら試行錯誤。素晴らしい援軍と共に産後1か月でクライアント先に出向きながら、なんとか2018年を終えました。

昨年の仕事納めに際し、クライアント社長から、
2018年、社員の・社長ご自身の成長に感動した、一緒に歩めてよかった、と喜びの年末のご挨拶をいただき、本当にありがたく思いました。

全力で伴走させていただく所存です。

さて。新年初ポストなので、新年ネタで一つ。
長いですが、ほんとに耳タコで、毎回説明するのが大変なので、ここに記します。

何が耳タコで、何をぜひお伝えしたいのか。

「優秀な人材いないですかねぇ? 」――組織開発コンサルタントとして、中小企業の経営者と毎日お話をするわけですが、社員や候補者への「優秀」という形容詞、ほんと多いです。否定形を伴うものも頻出で、退職を申し出てきた社員に対して「あいつは結局、優秀じゃなかったんですよね」「うちの求めるレベルの仕事は結局、俺(経営者)しかやれないんですよ」――と。

仕事柄はもちろん、私の父も経営者で、幼いころから父が人材のお悩みをぼそっと話しては「結局俺は孤独さ」と聞いて育っており、上記発言の趣旨はよく理解しているつもりです。性格行動特性を活用した組織開発コンサルタント、という仕事を、前職の米系人事組織コンサルティングファームで始めたのも、”優秀探し“を真正面からお手伝いしたいとの思いでした。

“優秀な人”を選べば経営者の悩みは減る。お役に立てる。と信じて。

ですが、です。

約3年前に“優秀探し”辞めました。東証一部上場企業から社員10名程の零細企業まで幅広く人事組織顧問を続ける中で、徐々に、ある人に対して「すごい」とか、「たいしたことない」と判断して、採用したりやめたりすることのサステイナビリティ の無さというか、人財活用という意味での愛の無さ、のようなものを感じ、顧客支援が窮屈になったのです。その頃運よく出会ったのが、Five Factors and Stressという理論でした(※)。

個々人に、良い も悪いもなく、誰しもストレス状態次第では、良さとして表出していた点も度が過ぎて、弱さが出てしまうことがある。逆に、ストレッサーに配慮した、適切な人と人の組み合わせ、業務の割り振り、指示だしを含めたコミュニケーションをデザインできれば、個々人の潜在能力を最大限引き出せることを知りました。

能力面で確かに経験の多少や、習得スキルのレベル感はあれど、それを適正に発露させる土俵こそが、組織には必要なんだ。そして、自身の役割を再定義し、自分的には再出発しました――「人に良し悪しなし。誰と、何を、どのようにやるか次第」――このことの実践と啓蒙が私の使命なのだなぁと。

経営者からのお悩み実例でもう少し説明します。

「うちの新卒2年目 で、遅刻ばっかりして本当にどうしようもない社員(A氏)がいる。こんなやる気のない社員を採用してしまい失敗だった。どう処罰すべきか相談させてほしい」――社員400名ほどの中小企業で、人が全てという業種につき、人材活用への想いが非常に強い2代目経営者です。

さて。

Aは本当に「優秀じゃない」「やる気のない酷い若手」なのでしょうか? 顧客の相談には愛をもって疑いの耳を傾けるのが私の習慣です(笑)。私は、Five Factors and Stressの教えに従い、そもそもの言動を司る個々人の脳の使い方、解釈の癖を知るアセスメント(テスト)をAはもとより、Aの所属する組織全体に実施し、その上で、Aという「不真面目社員 (仮)」とその組織構成員全員へのヒアリングを行い、分析しました。

そこで見えてくるのは、やる気のない不真面目社員Aとそれに困る上長他チームメンバーという特性への理解がない管理者目線のストーリーより、次のような構造だったのです。

――Aは、たまたま他メンバーと大きく違う脳の解釈の癖を持っており、A以外のメンバーにとって何ら違和感のないこと1つ1つに、Aは自身の解釈上どうしても解せないことが積み重なり、ストレス状態(不眠)に。朝方まで眠れず、眠りに落ちたときに鳴る目覚ましでは起き上がれない状態にまで。その状態で遅刻して出社するとさらに叱責され、そもそもの原因となった点は解決せぬまま、わだかまりを大きくしていった――というお話。

細かい話は割愛しますが、アセスメント結果でいう、「受容性」という因子が圧倒的に高いAに対して、本当に偶然だったのですが(人事部が今後はその組み合わせを意識すべきではある)、A以外は「受容性」が極端に低く、それといわば真逆の「弁別性」という因子が最も高い人が多い組織でした。

ゆえに、何が起きるか。

自分も愛するから僕のことも思いやってよ、という人懐こさ(受容性)が強いAからすると、実務上必要のない会話はしたくない傾向(弁別性)が強い周囲 に対して、「なんで、一言、相手を思いやった対応ができないんだろう?」など、Aにとって解せないことが溜まっていく環境だったのです。

長くなったので、振り返ります。

Aは「優秀じゃない」「やる気のない酷い若手」なのだろうか――答えは否、と考えます。良し悪しなく、Aとその周囲の脳の解釈の仕組みに差異があったことが根本。「優秀な人材」を探せど探せど、その人物の優秀な面が適切に発露できるかどうかは、実務上の周囲とのコミュニケーションやタスク次第ということでしかないのです。


「今年こそは、我を助く、最高に優秀な奴にジョインしてもらおうじゃないか!」と意気込む、経営熱心なあなた様。

冒頭に挙げた幻に近い、周囲との相互作用を無視した 「優秀さ」へのこだわり を捨てることが、第一歩だと、声を大にしてお伝えしたいのです。「誰と何をどのように やってもらえば、この人が最大限活かされ、ひいては組織にいい影響を与えるか?」という視点が、人材競争優位の原点なのです。そこから始めれば、ある程度のスキル上の足切りはあれど、今よりも採用候補者は多くなるでしょうし、採用後に活かす道を予め設計した、育成への一気通貫の人材戦略が可能になります。

雇う側にも、雇われる側にも、愛しかないのです。 

(※)FFS理論とは?https://www.youtube.com/watch?v=wqtZ1dhoTvA

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東京大学大学院教育学修士、外資人事組織系コンサルファームを経て2015年独立。専門は、性格行動特性を用いた個人/組織の行動変容、組織開発。 「ヒトミル」https://hitomiru.jp 運営中。 9歳男児と2歳女児の母。2020年7月よりステージⅢc乳がん闘病中。