「ママがさみしそうだったから」娘は生まれた
息子が5歳くらいのとき、「橙(トウ)くんはどうしてお母さんのお腹にきてくれたの?」と聞いたことがある。「お母さんが一番面白そうな人だったから!」といった答えだった記憶。嘘でもなんでもいい。そもそも 質問が質問なのだから。
昨晩、寝る間際に、娘にも尋ねてみた。どうせ「ママがやさしそうだった」とか「かわいかった」とか笑、言うんだろうな、と高をくくりつつ。
少し考えてもり(3歳10か月)はこう言った。
「ママがさみしそうだったからもりちゃん行ってあげたんだよ」
声が出ない。やっとしぼりだした先で気づいたときには、「うん、お母さんさみしかったんだ」と言っていた。めちゃくちゃ動揺してる。もう寝たかな? と恐る恐る横を向くと、娘の猫目が暗がりでこちらをじっと見ているのがわかる。「ママ、泣いてるの? ずっと一緒だよ」
・・・しばらく、心が揺れて眠れなかったのだけど、その後久しぶりに深い、深い眠りについた。
ひと夏の学び。
「さみしかった」と認めたら、ほっとした。ここから少し、前に進める気がする。
静かなお盆を。
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