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今日のエウレカ#7 卑屈は創造の敵

先日とある版元さんのスタッフさんが、とある絵本作家さんにこんなことを言うのを耳にしました。

「厳しい現実を知っておいてください。

新人絵本作家の本なんて、ホントに売れませんからね。

在庫が残るの当たり前だと思ってくださいね」

って。


なんてことを言うのだろう、と思いました。

作家なんて夢を見てなんぼの商売でしょう。

ましてや絵本作家です。子供が読むものを、これから作る人、です。

「厳しい現実」なんて、どうして知る必要がある?

どうしてそれを、自分が本を出している版元さんに言われないといけないのだろう?

それは、だれにとっての「現実」なの?


その人は編集者さんではなく、本を売る立場の人でしたが、

まるでじぶんたちの怠慢を言い訳しているようにしか聞こえませんでした。

そういうことを言うようになったらおしまいだ、と思いました。


萎縮しているのは業界ではなくて、じぶんたちの頭と胸じゃないのか。

作家をぎゅうぎゅう締め付けているのは、読まなくなった読者じゃなくて、作品を世に送り出す、作り手のほうじゃないのか。

私は別にその版元で本を出さなくてもいいけど、これからその版元で本を出そうとしている絵本作家さんのあたまのうえに、そういう言葉でふたをするのは本当にやめてほしい。

私がこれまでに出会った、仕事のできる編集者さん、とか、書店員さん、とか、版元で働いている方々は、絶対にそういうこと、言わない。って信用できる人たちだった。

そういう人たちだから、作家にすぐれたものを、作らせるのだと思う。


それを聞いて、私は卑屈をやめよう。と固くちかった。

卑屈は自分のばかりか、他人の創造力をもけずる。

他人の創造力に火をつけられない作り手なんて、

ばかだ。

ありがとうございます。