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それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

作家小野美由紀によるエッセイマガジンです。タイトル通り "それでもやはり、意識せざるをえない” 物事について、月に5-10本程度配信します。日々のエッセイ、恋愛、性愛、家族、また… もっと読む
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2018年4月の記事一覧

寝台列車の恋

寝台列車の恋

4月某日
ハノイからダナンへと南下。乗るのはベトナム統一鉄道。22時発の深夜特急である。
ベトナムでは鉄道での移動は最も効率が悪いとされる。なんせ5000円で18時間もかかるのだ。LCCなら同じ値段で1時間、バスなら半分の値段で15時間程度で着く。
それでも私がわざわざ鉄道の旅を選ぶのは、沢木耕太郎「ベトナム街道をゆく」への憧れと、ウェスアンダーソンの「ダージリン急行」に見るような、食堂車つき寝台

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世界中の男が自分の味方だって、100%信じて疑わない女の子のこと

世界中の男が自分の味方だって、100%信じて疑わない女の子のこと

女であることを100%楽しんでいる女の子に出会った時、私はあったかいような、なんだかいたたまれないような、ほんの少しの罪悪感と、それでいて自分がまるで男の子になったかのようなドキドキを覚える。

この気持ちの正体を、自分でもよくわかっていない。

<ここから先は有料です。単体でも購入できますが、有料マガジン「それでも、やはり、意識せざるを得ない」の購読がお得です。末尾に、台北で訪れてとても良かった

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韓国の女性にとっても帰省は憂鬱だ

韓国の女性にとっても帰省は憂鬱だ

私にとって海外で翻訳版が出ることは、日本で書籍が出ることと同じくらいに嬉しい。

翻訳版は各出版社さんの担当さんが頑張ってやり取りをしてくださっているのだが、現地のエージェントさんや翻訳者さんや編集者さんに直接お会いすると、心強い仲間が増えたような気持ちになる。

だから新刊が出るたび、私は予算度外視で現地に飛ぶ。

4月5日

台北からソウルへ。ソウル、三度目の来訪。台湾の蒸し暑さから、一転、震

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