[野球] 来季ファイターズの陣容 その2

 

 前回の記事で10月末時点での来季戦力状況に関して書きましたが、それ以後決まった新入団選手は次のふたり。

ドリュー・バーヘイゲン投手と契約合意
https://www.fighters.co.jp/news/detail/00002335.html
クリスチャン・ビヤヌエバ選手と契約合意
https://www.fighters.co.jp/news/detail/00002352.html

新外国人投手バーヘイゲンと、読売ジャイアンツから移籍してきたビヤヌエバです。バーヘイゲンはクビになったバーベイトやハンコックの後釜ということになりますが、どうやら先発での起用を考えている様子。そしてビヤヌエバは、長打が売り物の三塁手。レアードの穴を埋められず苦しんだファイターズにとって、まさにドンピシャの補強になります。

ビヤヌエバは今季ジャイアンツで打率.223、本塁打8、打点24、出塁率.325、OPS.711、得点圏打率.163 という成績でした。私は実際にプレーするところを見ていませんが、評判を調べると、守備はかなり巧いが、インコースのストレートが打てないので成績が伸び悩んだとのこと。守備が巧いのは好材料で、おそらく栗山監督なら、レアードの時がそうだったように、たとえ打てなくてもかなり辛抱強く使い続けるはずです。クリーンナップではなく下位での起用になるでしょうが、プレッシャーを感じることなく気軽に打てれば、もしかしたら化けてくれるかもしれません。性格もマジメなようで、ハムには合うんじゃないでしょうか。打率のわりに出塁率が良いのもいい感じ。NPBの他球団に在籍していた外国人選手をとるのはやはり巨人から来たオビスポ以来、さらに遡ればオリックスからMLBを経て入団したセギノール以来ということになりますが、もちろんセギノールぐらいやってくれれば言うことなしです。そこまで行かなくても、7番ぐらいでHR20本ぐらい打ってくれれば、多少打率は低くても御の字じゃないでしょうか。なにせチームの長打力不足は深刻なので。

バーヘイゲンに関しては未知数ですが、これで外国人選手はマルチネス、ロドリゲス、王に加えて計5人体制となります。一軍に同時登録できる外国人選手は4人までなので、1人余るわけです。2018年シーズンでは外国人枠を活かすために未知数だったロドリゲスをいきなり開幕投手に抜擢し即抹消する奇策をやって大失敗した栗山監督ですが、今度はどうするんでしょうか。今季の実績があり上がり目もあるロドリゲスと、サードの穴を埋めるビヤヌエバは開幕一軍で使うだろうし、バーヘイゲンもケガでもしない限り開幕一軍でしょう。そうなると今季全休したマルチネスと、大きく期待を裏切った王のどちらかが開幕をファームで迎える可能性が高い。実際には登録・抹消を繰り返しながら併用していくと思いますが、特に台湾国民の期待を一身に背負って死に物狂いで来季に臨むであろう王には期待したいと思います。

さて、FA戦線に参入しないハムの今オフ補強は、新人を除くと、ここまで外国人選手2人だけです。トレードもあるかもしれませんが、相手のあることなので、必ずやるとは限らない。パリーグの他球団の補強状況は次の通り。新外国人と新人は除きます。

(ソフトバンク)
バレンティン(外野手) ← ヤクルト
(西武)
松坂大輔(投手) ← 中日
森越祐人(内野手) ← 阪神
(ロッテ)
小野郁(投手) ← 楽天
ハーマン(投手) ← 楽天
ジャクソン(投手) ← 広島
福田秀平(外野手) ← ソフトバンク
美馬学(投手) ← 楽天
西巻賢二(内野手) ← 楽天
(楽天)
涌井秀章(投手) ← ロッテ
酒居知史(投手) ← ロッテ
鈴木大地(内野手) ← ロッテ
牧田和久(投手) ← パドレス

 一番積極的に動いているのはロッテと楽天。両チーム同士が複数の大型トレードをしただけ、という見方もできますが、涌井を金銭で獲得した楽天はしてやったりじゃないでしょうか。福田が流出した代わり、バレンティンという大駒を大金を投じて獲得したのがソフトバンク。一方秋山の流出が懸念される西武は福田の獲得に失敗して、自前で後釜の外野手を育てる覚悟を決めたようです。西武の野手育成力は高いので、自信もあるんでしょう。最下位オリックスも新外人以外の補強はありませんが、その新外人アダム・ジョーンズはメジャー通算282本塁打の強打者で、当たればでかそうです。しかし活躍できるかどうかは未知数。そう考えていくと、積極的に動いた球団とそうでもない球団がはっきりしていて、これがそのまま来季のチーム成績に直結するようだと、ただでさえ今季5位に低迷したハムはますます差を広げられそうです。特にAクラス争いの直接のライバルになりそうなロッテと楽天の積極補強は不気味。ウチは若手の伸びしろに期待するしかありませんが、そんなのは他チームも同じこと。ほかに大きく変わったといえば小笠原コーチの就任ぐらいしかありませんが、もし効果があるとしても2〜3年後じゃないかという気がします。それまでどうやって凌ぐか。

先日、西川と有原が将来的なメジャー希望を表明し、早ければ来オフにポスティングで渡米する可能性が高いという報道がありました。ただでさえスカスカの現状の戦力から、エースと不動のリードオフマンが抜ける。吉田輝星や田中瑛斗や淺間大基あたりが大成長してくれればいいですが、普通に考えれば、大幅戦力ダウンで2021年シーズンはBクラス必至でしょうし、穴を埋めるのにへたすれば数年はかかる。そう考えると、2020年シーズンはなにがなんでも優勝、最低でもAクラスに入ってCS進出を狙うべきですが、どうも球団からは、そういう「なにがなんでも」という意欲が希薄なように見えてしまいます。2020年〜2021年と連続してBクラスに沈むなると、3年連続してBクラス、5年間でAクラスはたった一回ということになって、下位の常連となって負け癖がついてしまう。2023年の新球場開場までに、チームの状況も観客動員もボロボロになっている可能性がある。そのへん、球団フロントはどういう将来設計を描いているのか。私にはまだ見えません。





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