ポリコレの救済から零れる人たち


昨今、これほど人々があらゆるものの善悪、存在の是非について積極的に論じ、ひとつの一致した見解を出そうと躍起になっている時代はないのではないかと感じる。ポリティカル・コレクトネスをはじめ、ある人や組織やなんやの言動について、それが善か悪かで争い、時には罵り合い、論じるというさまは見飽きても尽きることがない。

では、このひとたちが間違ったことを言っているのかというと、そうではない。むしろ、だいたいにおいて正しいし、正しいからこそ問題なのだ。

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