拝啓、先輩 あなたのことが嫌いです
頭のなかで考えていることと、自分のなかで湧き上がってくる感情が別物らしい、ということに気づいたのは大学生のことだった。
思えばたいした大学生活を送っていたわけでもないのだが、私は小さなクラシック系の音楽サークルに所属していて、同期の一人とちょっと揉めていた。
揉めている、という言葉が大げさなほど些細な事柄で、そして相手の言っていることのほうが正論だった。私は妙にそれが癪に障って、ぶちぶちと愚痴を言っていただけだった。
別の同期とある日飲んだときにその話題になった。
相変わ