名前のない職業の転職活動記

2027年には、65%の人が今は存在しない職業に就くそうです。とは、言っても、これは2011年に語られた言葉なので、この時想定されていた職業の一部は現在しっかり職業になっているわけですが。
それはさておき、私も昨年までそんな新しく生まれた、まだ役割に名前のない職業に就いており、その中で転職活動を行っていました。
今回はそんな名前のない職業の転職活動記を記していきたいと思います。
とはいえ、クソ面白くない文章を書いてもしょうがないので、色々なジャンルの企業にお邪魔し、話を聞く中で感じたことを、いろんな星に着陸し、話を聞く中で人間を知った「星の王子さま」よろしく書いて行きたいと思います。


目次


壱.まず、はじめに私はどんな人間
弐.やりたいことベースでゲームづくりへ
参.ソーシャルゲームで聞いたこれから必要なもの
四.映像クリエイター・フォトグラファーここでも必要な人
五.実はみんなやっている。入り口のないマーケティング
六.新しい分野で学びを届ける、AI教育
七.これからは体験を売る時代!イベント施設運営
八.おわりに
九.これから(有料!!)


壱.まず、はじめに私はどんな人間

まずは自己紹介。私、おんじと申します。齢33歳です。
もともと個人事業主として映像制作フォトグラファー、そして、近所の3歳児〜小学生を集めて、フットサルのコーチをしながら、知人のイタリアンでウェイターをやっていました。
実は、工業系の大学を卒業後に、人材派遣の営業をはじめ、3ヶ月でやめて、その後IT系の総務職に就いて5ヶ月でやめました。この時ばかりは、人生オワタと昼下がりの小田急線、下り電車に揺られ地元秦野に帰っていったわけですが、その後映像編集に出会ったりして、個人事業主に着地(不時着)したというわけです。

その後、イベントで映像制作をやらせていただいていたご縁で、IT教育系のベンチャー企業に就職いたしました。その企業では、映像制作だけでなく、イベントでの司会や、若手クリエイターと共同でのものづくりなど本当に多岐にわたり担当させていただきました。感謝、感謝です。

特に、主として担当させていただいていたのが「教育×エンタメ」という軸での教育イベントの設計・演出。簡単に言うなら、体験してくれた方が、楽しく学べて、海外ドラマ24を見た時の伊集院光さんのように、「もっとこの学びをくれー!」となる体験を作っていました。このCMが思い浮かんだ方、同世代ですね。その親近感で、どうぞ最後まで読み進めください。笑
そして、こここそが、2011年頃にはなかった、まだ名前のない職業と言えるのではないかなと思います。


弐.やりたいことベースでゲームづくりへ

まず、転職記を書く以上、動機を明確にする必要があると思いますが、端的に述べると、下記3点です。

理由1.多くの人に届けたかった
理由2.子供ができて、生活リズムが変わった
理由3.挑戰したかった


理由1は、ターゲットを日本中1億2千万人にしたかった

理由2は、娘が生まれて保育園に通って。まあこれが大変。結婚した時もそれまでとの生活のリズムの変化を感じたけど、子供にはこっちの事情なんて通じないので。
育児されているみなさん、マジリスペクト(古)奥さんに任せる割合大きくなっていたけど、うまく協力したいなと。

理由3は、そうだろう。挑戦こそが人間というものだろう(?)

ってなわけで、転職活動をはじめたわけですが、まずは理由1が強かったことと、ゲームが好きだったこと。そして、これまでもシナリオを書いたり、IPコラボで、オリジナルストーリー描かせてもらったのが胸アツだったので、ゲーム業界(特にコンシューマ)へ。

ただ、齢33で転職となると、基本は経験者、さらにマネジメントができる人が欲しいのでしょうか。なかなかすんなりとは行かず。そして、これまで自分のいた環境を考えると、ゲーム作るなら、企業に入って作るよりも、チームを組んで作ったほうが面白いだろうな。と感じたこともあったのでした。

ただ、ここで次の業界を指し示す話を聞くことになるのでした。そう、名前のない職業での経験を活かせる場がソーシャルゲーム業界にはあると!

参.ソーシャルゲームで聞いたこれから必要なもの

日々、新しいゲームが発表される中で、神ゲーが乱立し、プレーされない
さらに、韓国からの黒船!超ハイクオリティソシャゲの侵攻

というのが、ソシャゲ業界での転職活動中に聞いたトピックスでした。
特に後者は、韓国から入ってくるソシャゲのクオリティ(やりこみ度・アイテム数)マジやべぇ!

しかし、その韓国は、中国産ソシャゲが蹂躙している!という、ベジータ倒したけど、お前の星、フリーザに消されちゃってんの!?的なドラゴンボール世代胸アツの展開だったわけです。

そんな中で聞いた、活躍の場が与えられそうなのはもう一方
現在、誰もが名前を聞いたことのある有名ソシャゲも増え、さらにどんどん新しいゲームも生まれ、ただただ面白ければやってもらえるというわけでもないそう
大切なのははじめてもらえるか?続けてもらえるか?だという。
その中で最近注力されているのが、リアルイベント。eスポーツが盛り上がっていることもあり、大会とか、あとは声優さんを招いたオフ会などがそれに当たるそう。ここでは、名前のない職業でのイベント作成スキルを活かせそうである。
ただ、この職業、話を聞いた企業では、オフ会の運営がメインということもあり、勤務は土日と夜中心。これは理由2と思い切りバッティングするので断念した。

そして、ここで感じたことは、やろうとしている集客方法だと、オフ会を重ねるごとにコンテンツを消費していってしまうのではないかということだった。ユーザーとつながる場を作れるのは魅力的だが、何か違う
わかりやすく言うなら、声優さんを呼ぶオフ会は、声優さんを呼び尽くしたらそれ以上開催できなくなってしまうし、声優さんを変えても同じことの繰り返しでは、徐々に参加者は減っていくだろう。
そんな時に知った職がコミュニティマネージャーだった。

四.映像クリエイター・フォトグラファーここでも必要な人

物の売り方が、買い切りからサブスクになり、ユーザーと企業との継続的つながりができる。その沢山のつながりを束ね、横にもつなげるとコミュニティになる。そのコミュニティを運用していくのがコミュニティマネージャーというわけ。

いろんな企業に増えていく職業だろうが、映像クリエイターとフォトグラファーのコミュニティマネージャーに興味を持った。これは、どちらもユーザーコミュニティではなく、企業が映像案件や撮影案件を受注し、抱えているコミュニティのメンバーに発注する。クリエイターコミュニティのマネージャーだ。

抱える問題は、コミュニティメンバーは増えている。さらに、案件も増えている。ただ、コミュニティの手入れができていないので、発注するのがいつも同じ人になってしまったり、クリエイターごとのクオリティが担保できないこと。
つまり、ミッションはアクティブなクリエイターの増加とクオリティ担保できる仕組みづくり。コミュニティ運営に対する熱いハートと、実践していきたいアイディアをしたため、書類を提出した。

後日、「そういうガチなのいらないんです。もっとライトなやつで」という理由と共にお祈りメールが届いた。ついつい熱くなっちゃう質なんです。

五.実はみんなやっている。入り口のないマーケティング

コミュニティマネージャーええなぁ。お祈りメールが来た後も、それは思っていた。他の企業で同様求人を探したところ、コミュニティマネージャーは、マーケティング担当者と兼任して募集されているところが多いようだった。こちらもまだ新しい職業なので、住み分けが難しいのかもしれない。コミュニティマネージャーに恋い焦がれていた私は、厳密に言えばそれは違うんじゃないか。そう思いながらも、郷に入れば郷に従え。自分が該当しないことをただただ嘆いていた。

ならば、マーケティング職でワンバンしてから、コミュニティマネージャーにバンクシュート!なんてマーケティング職を探したが、こちらはどこも経験者のみ。一見さんお断りライク ア 京都の料亭だ。
唯一見つけた未経験からできるマーケティング職は、面接に行ったが、後日、「コミュニティマネージャーになりたいですよね?うちのマーケティングはもっとライトなやつです」という理由と共にお祈りメールが届いた。

がっくし。
でも、ここで知人に言われた言葉を共有させていただきたい。

コンテンツ創るとき、マーケ視点で見ないと良いコンテンツはできない。
だからコンテンツ頑張ってる人は、マーケティングしてないのかもしれないけど、マーケ視点ゴリゴリ持っている。

ありがたや、ありがたや。
ここまで読んでくれているクリエイターのみなさんみなさんはマーケティング視点持ってます!!
履歴書に載っていることが重要なんじゃなくて、その視点・観点を持っていることが重要よね(負け犬の遠吠え)

六.新しい分野で学びを届ける、AI教育

ここで転職活動先は教育に戻ってきて、AI教育に興味をもちました。
AI人材がたくさん必要とされるように、企業ではナウ必要とされている。そんな企業内のAI人材を教育する企業に話を聞きに行きました。
ただ、結果からすると、ここが衝撃的。他とは少し違う書き方になってしまうことをご容赦いただきたい。

お邪魔した企業の方が言うには、会社が必要としている人材を生むための研修なので、研修費は会社から出ることが多い。つまり会社の金で研修を受けさせられている人が多いとのこと。だから、学びに対するモチベーションは低いけど、お金の出どころは安定している。

心の声が聞こえていたら、完全に「ぼろい商売ですよー」と言っていただろう。

さらに、1回の受講で企業で実装できるのに、十分な知識など学べるはずもなく、その先、どのルートを歩めばAIを会社で活かせる人材になれるか聞くと、そんなルートは考えていない。とのこと。
それだけでも驚きだったが、質問の意図を聞かれたので、

「受講してAIの活用事例を知ったら、会社の導入したくなる。当然、その先を学びたくなる。入り口を用意したならその先が必要では?」

と答えると、

「おんじさん、教育者ですねー!」

と言われてしまった。

「えへへ、それほどでもー」
とは残念ながらならず、面接は終了した。

最悪、入り口を伝えて、その先の長さを教え、あなた達には実用は難しいから。と伝え、案件受注する。
とかはあるのかもと思ったが、案件受注もしていないとのこと。そんなハシゴの外し方あるんかい!!

でも、この面接を通して、自分の中で教育というキーワードの強さを再認識できたのだった。

七.これからは体験を売る時代!イベント施設運営

ここまでいろいろ紹介しましたが、いよいよ最後です。
最後に訪れたのは、イベント施設の運営職
「テクノロジー×体験」コンテンツが楽しめ、提供している施設、企業も増えている。わかりやすく言うと、チームラボの未来の遊園地のような。
偶然そんな企業に目を向けたタイミングとあちらからお声がけいただいたタイミングが重なったので、2社ほどお話を聞きに伺った。

こういった企業が抱えている課題は、施設のオペレーション。
どの企業も拡大し、店舗が増えていく中で、担当の正社員数名で、たくさんのアルバイトスタッフと一緒に店舗運営を切り盛りしていくことが求められるミッションとなっていた。

これは、もともとサービス業に長く従事していたことや、名前のない職業時代に若い世代と一緒に制作などをしていたこともあり、スキルセットは近かった。

ただ、やはりサービス業、土日祝日が勤務の中心。理由2と重なることもあり、違う業界に目を向けたのだった。

八.おわりに

転職活動記という形で、入り口を見て回らせていただいた業界を紹介させていただいたわけですが、いかがだったでしょうか?

紀行文のような形をとらせていただいたので、人事の方々からは「お前の取材に付き合うために面接したわけじゃねぇ!」なんて思われるかもしれませんが、面接に進む際には、その職場で働く姿や、できることを毎回イメージして、

「イメージして来ました。イメージし過ぎているかもしれません」

というくらいの状態でのぞんでいました。

さらに、今回上記6業界にまとめていますが、応募させていただいた企業はその10倍は優に超えていると思います。

お話を聞きに行った先で激詰めされたり、お説教を頂いたり、書類選考が全く通らずだったりと、大変な時期もありました。
一方、面接開始2分で不採用を決められた雰囲気だったのに、その後58分、業界に求められている人材や、私に足りないものをコーチングなさってくれた方や、転職活動をしていることを聞くと、私に合いそうな企業をご紹介いただいた方々もいました。本当にありがとうございます。

名前のない職業での転職活動で一番大変だったのは、
・自分のこれまでの仕事を理解してもらう
・受ける職種ごとに自分の切り出し方を変える
というところかなと思います。

前者は、演出と映像制作をやっていた経歴から、ゴリゴリのクリエイターと思われることもあり、「オペレーション寄りなのでうちは違うかと」とお断りをいただくこともありました。
ですが、私の中では何かを生み出す時に必要なのはアイディアのようなクリエイティビティだけでなく、それを形にするディレクション能力、落とし込み能力が必要だと思います。

そして、後者はどの職種でもそうかもしれませんが、やらせていただいていた事が多かった分、毎回毎回、この職業にはどの部分を出していけばよいのかと切り口を変えていく、それがウケたりウケなかったりというのが大変だったかなと思います。
〇〇職何年経験みたいに書ければ、企業側もこういうことはできるだろうとイメージがつきやすいかと思いますが、それがなかったので大変だったかなと思いました。

でも、転職活動をして思ったことは、確実に時代や社会に目を向ける良いきっかけになるということでした。
最近人材が必要とされているのは、どんな業界なんだろう?その業界のトレンドは何で、どんな課題があるのだろう?
企業や業界研究を通して、企業・業界だけでなく、職業にもトレンドがあることもわかりました。
そして、これは、転職前の業務でも活かせると思います。
だから、時間もお金もかかりますし、大変ではありますが、ちょっとでも考えているのであれば、転職活動してみて、実際転職するにしてもしないにしても、プラスは確実にあると思います。悩んでいる方はぜひ一社お話を聞きに行ってみると良いと思います。

そして、この先は、私のこれからを書かせていただきますが、今回の記事のメインコンテンツはここまで。ここからはおまけですので、有料化していますが、それはここまでのお疲れ様と頑張ってね。の投げ銭の意味合いが強いです。
転職活動記に興味を持っていただいた方はここまでありがとうございました。
今後はフリーランスでイベント制作、映像編集、シナリオ制作、YouTuberやっていきます。

最後になりますが、投げ銭以外で応援頂ける方は、以下応援いただけるとありがたいです。
ゲーム実況YouTuberやってます。毎晩FIFA20を生配信してますので、チャンネル登録・応援お願いします。
https://bit.ly/2IGjpDv
※数ヶ月毎日やっていますが、全然勝てなくて、レベル一番低くなりました。全然勝てません。

九.これから(有料!!)

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