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昆虫眺めるのにとても便利!と思ったので作ったカンタン手作り観察器

表題上の昆虫観察器は、数年前に「日本自然保護協会(NACS-J)」の会員向け機関紙に載っていたものを私(日本自然保護協会の会員で、自然観察指導員です)が今回作ったものです

こんなふうに使います


観察器にクマゼミを入れたところです
セミは捕まえるとバタバタ暴れてなかなか観察し難いのですが、写真のように紐に脚でつかまると静かに落ち着いた様子になり、観察し易いです
セミの他に蝶や甲虫類などなど、指でつまめる程度の大きさのなら、いろいろな陸上昆虫の観察に使えます

使う入れものは、写真のようにペットボトル(底を切ったもの)ですから、360°まわして、虫の背中もおなか側もよく見えます

学校はちょうど夏休み

虫とりする子ども達は少なくなったのかと思ったら、そうでもありません
イベントなんかで虫とりを始めると、それに熱中する子ども達はまだまだたくさんいるみたい

学校の「夏休みの宿題」の自由研究に生かせるかもしれないと思ったので、この日本自然保護協会提供の昆虫観察器の作り方をnoteしました

用意する材料は・・・

1.ペットボトル
見やすく持ち運びしやすい炭酸飲料の、シンプルに丸っこいペットボトルがいいと思います

2.ひも
写真のものは細目の麻ひもです
この程度の太さの、しかも昆虫がしがみつきやすい、ツルツルではないひもがいいです

3.底を切ったペットボトルが隠れるぐらいの板(真ん中にひもを通す穴をあける)
写真のものは片面が白いベニヤ板ですが、厚めのボール紙でもいいし、大きめのびんのフタでもいいです

作り方・・・

1.ペットボトルの底を底面になるべく並行に切ります

キレイに切るためにはボトルに目印の線を描いた方がいいです
この線をちゃんと描くために、写真のように平らな机にペットボトルを置き、目標高さにペン先がくるように、適当な台になるモノを置いてその上にペン先を固定し、ペットボトルに当て、ボトルを手でぐるっと1回転させたらうまく底に平行な線が描けます

また、ちょっと高等テクニックですが、
ボトルの切り口に、アイロン(180℃ぐらいの高温にして)を数秒間から十数秒間押し当てると、縁がクルッと丸まり、持ったときにつぶれにくくなるから、虫を捕まえ易くなります、ただこのアイロン処理はやらなくても大丈夫です
でも、あまりアイロンを押し当てすぎると、大きくクルッとしてしまい、虫を逃がすときに不便になるから・・・ここは試行錯誤してください
何回か失敗したのちに、上出来な観察器の逸品ができると思います

2.写真のように、ペットボトルのキャップの真ん中と、ベニヤ板(他の板やびんのフタ)の真ん中にひもを「押し込んで入る」ヒモより少し細目の穴を明けます


穴はキリや千枚通しでブスッと穴を明ければだいたいオーケーだと思います

この穴に+ドライバーなど、先がとがった工具でひもを押し込むようにして通します

3.下から板、ペットボトル、キャップにひもを通したら、ひもの先端を結んで団子にして穴から抜けないようにします
なお、ひもの長さはペットボトルの2倍程度長くしておいてください

ひもを通す順番は、下の写真を参考にしてくださいませ

これで出来上がりです

虫の捕まえ方は・・・


上の写真のように、底の板を明けて、狙った昆虫にボトルの底からかぶせて、キャップ側のひもを引っ張って板で底を閉じてください

掴まえた虫はしばらく中で暴れていますが、脚をひもに触れるようにうまくボトルを傾けたりしてあげると、虫はひもにぶら下がるようになり、それでだいたい落ち着くと思います(上のクマゼミのようn)

あとは・・・

捕まえた昆虫をよくみて

図鑑などで、その虫と同じ特徴のものは載っていないか調べたり

虫の動く様子をみたり

顔をみたり

かわいいところを探したり

自分の知っている他の虫と何が同じで何が違うかさがしたり

画に描いたり

そういう「観察」をしましょう

観察が終わったら・・・

底の板をずらして、中の虫を逃がしてあげましょう
もし、なかなか虫が出て来ないなら、板の底を明けたまま、横倒しにしてそのまま逃げていくのを待ったらいいと思います

この観察器は捕まえた虫を少しの時間だけ観察するためのもので、飼うためのものではありません
たぶん長くても30分ぐらい観察するのが精いっぱいです

捕まえた虫を飼う場合は、もっと大きくて、中に草や木の枝や、場合によっては土や石など虫が生きられる環境が作れる容器を用意して、そこに移しましょう

ちなみに、この昆虫観察器を機関紙で紹介してくれた「日本自然保護協会」のサイトは下記です

この協会を一言で紹介するならば、
自然観察を通じて、自然の大切さを理解して広めることを進める会です

2024,08,10追記

少し改良しました

底板がズレて捕獲した虫が逃げ出さないように、自立するように、底板を大きくしました
あとは、観察後に虫を逃がしやすいように、ひもを長くしました

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