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転職入社直後、たった2週間で「オンラインメディア発表会」をやった理由と、準備したことをまとめてみた。

私は、今年8月にLAPRAS株式会社に入社したのですが、僕は前職は製造業の大手メーカーだったので、IT業界も人材採用業界は初めてで、まずは業界の理解から始めていました。

web系のITエンジニア業界の理解はやっぱり難しくて、知らない言葉ばかりで、最初の1、2週間でかなり頭が沸騰してました(笑)

色々とキャッチアップしている中で、新しいサービスを出すということになっている情報をキャッチしました。そのサービスのローンチまでのタスクリストを見てみると、「プレスリリース」と端っこの方にそっと書かれていました。

これを見つけた時から約2週間で、プレスリリースを書き、オンラインメディア説明会を開催することになるのですが、その経緯をここでお話ししたいと思います。

スタートアップの広報担当の方と想いを共有できたり、少しでも参考になったりするといいなと思っています。

プレスリリースを書くまで

プレスリリースが自社でどんな風にこれまで書かれていたのか確認してみると、メディアが取り上げたい文章としては、改善の余地が大いにあるというか、勿体無い書きっぷりでした。

ただ、それはこれまでPR・広報担当がいないんだから当然なんです。笑

ということで、まず最低プレスリリースは自分で書こうと決めました。
正直、業界や事業に対する理解はまだまだ足りてないけど、プロダクトマネージャーや開発エンジニアが素晴らしく親切で懇切丁寧に教えてくれるので、プレスリリースを書くのはそこまで問題なかったです。

少しだけ余談ですが、プレスリリース自体は基本的にフォーマットがあり、いかにメディアが求める観点を盛り込めるかにかかっています。なので、広報としての基礎力があればどんなプレスリリースもある一定のレベルで書くことができます。(正直、最近の○○timesとかのプレスリリース配信サービスが、自社のお知らせツールみたいになってきている感が否めないですが、本来はプレス=メディアに向けて情報提供するものがプレスリリースですよね。)

ということで、プレスリリースを書くことに関しては、前職からの経験もあるので不安もあまりなかったです。

実際に書いたプレスリリース

オンラインメディア説明会をやることにした理由

広報・PRとしてやはり考えるのが、"ニュースバリュー"です。
できる限りメディアに取り上げてもらい、世の中の人(具体的にいうとそのサービスのターゲット)に興味を持ってもらい、サービスを使ってみたいと思ってもらえるかです。

それを考えると、プレスリリースを配信しただけではやはり情報の伝達度合いは弱いです。広報・PRとしてはメディアの編集記事を狙いたいと思っています。

なので、プレスリリースの次に考える手段がメディア説明会です。
前職は大手メーカーなのですが、基本的に新商品系のプレスリリースは全てメディア説明会(レクつき発表とも言います)を開催していました。
コロナ禍になりオンラインでの説明会やりやすくなったので、オンラインで記者さんを集めて、開発担当者からの発表をしてもい、Q&Aを受けるような会です。

記者さんはやはり1次情報を求められています。そのために、担当者に質問をして生の情報を引き出したり、裏どりをされたりします。プレスリリースに書かれていない深い背景や数字、事例といった記者が自分だけの独自情報を得られる場所がこのメディア説明会になるわけです。

こう聞くと、それはやったほうがいいじゃん!って思いますよね?

でも、開催するのはそんなに簡単でもないんですね。
まず、記者さんを集めて参加してもらわないといけないです。

大手メーカーの時は、基本的に自社の担当記者さんがついているので、直接お誘いがしやすかったんです。新しいメディアに対しても会社の名前を言えば、わかる人がほとんどなので、ある程度の数は集められるものです。(それでも、BtoB領域の新製品はかなり難しいので、日々のメディアリレーションをかなり強化していました。)

しかし、僕が入社したのは広報がいないスタートアップ企業。
繋がりのあるメディアは代表の知り合いのメディアの2、3社のみ。一応、半年前くらいまでいた前任者が作られたメディアリストがあるけど、ちょっと使えそうにない…しかもスタートアップ企業なので知名度もない。

その状況で、メディア説明会の開催はさすがに厳しいかと思いました。

しかし、新サービスはそうそう出るものではないので、今を逃すと次にいつこんな発表の機会を作れるかわからない。

「広報・PRのプロとしては、こんなチャンスを逃すことは絶対にしたくない。」

そう思って、「業界知識は乏しい」「メディアの繋がりもほぼなし」「準備期間は2週間を切ってる」という三重苦の中、メディア説明会をやると決断して社内メンバーに宣言しました。

この時の気持ちは、「もう失敗したらしたでいいや!メディアが集まらなかったらごめん!!って言おう。」という感じで半分開き直りでした。笑

メディア誘致

とにかくメディアを集めないと話になりません。
なので、誘致をしていきます。

具体的にした方法は3つです。

①自社の残るメディアリストに案内
案内をするのですが、一応社内に残っているメディアリストで有力なところにメールを送りました。すると、

「メールが配信できませんでした」

メールボックスはどんどんオートリプライのメールで埋まっていきました。笑
これはダメだ。と一気に血の気が引きました…
約20メディアに送って返信があったのは1メディアでした(泣)

②メディアへの問いわせフォーム
内容に合いそうなWEBメディアなどのプレスリリース受付フォームやお問い合わせフォームへ案内を送ります。
これはそもそも返信が来る確率は相当低いのですが、やれることはなんでもやらないといけない状況なので、片っ端から送りました。笑(でも、明らかにマッチしないメディアには送ってないです。)

でも、送っても送っても何も返信ないので、心が半分折れました。

③知り合いの記者をとにかくたどる
前職の記者さん繋がりで、興味のありそうな記者を紹介してもらったり、代表が繋がりのあるメディアを紹介してもらったりして、お誘いしました。
直接お願いができる関係性のメディアをどれくらい持っているかはかなり重要ですね。正直、一番集められるのがこの方法ですね。

このようなメディア誘致をしている時が、正直一番ドキドキします。
心の中では、「全然集まらんやん!!!!どうしよう…」って思ってました。

メディア誘致以外の準備をひとりで

もちろん、メディア誘致と並行して準備を進めていかないといけないですね。

・プレスリリースの作成(関係者へのチェック、法務確認なども)
・想定問答
・メディア説明会の資料
・登壇者への説明
・リハーサル

など準備物はたくさんある中で、メディア誘致を進めていかなくてはなりません。

しかも、それを一人で。

ほんとにひとり広報って大変。
世の中のスタートアップのひとり広報は本当にすごいですね。尊敬の念です。笑

ただ、前職での経験がやはり役立ち、何をやればいいかは全てわかっているので、ただ作業時間が多いだけで、進めることに迷いや困ることはありません。(前職で鍛えていただいたことにめちゃくちゃ感謝です・・・)

オンラインメディア説明会の結果

ということで、色々と準備をしてなんとか開催することができました。

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で、結果がどうなったかということですが、こちらです。

声かけしたメディア:50メディア
来場メディア:6メディア
記事化:3メディア

記事化の一例

2週間しかないなかで、なかなかしびれましたが、なんとか3件の編集記事露出を獲得できたことは非常によかったと思います。

何より嬉しいのが、社員メンバーがこれを喜んでくれたことです。やっぱりいい形で社外で露出が出ると嬉しいですよね。

最後に

入社後2週間でドタバタのメディア説明会でしたが、これが実現できた理由は大きく2つあったと思います。

経験
まずはこれまでの経験です。プレスリリース、メディア説明会を実施する際のプロセスを熟知していること。これはやっぱり大きいです。自慢するということではなく、色々なPR手法や取り組みを経験していることはやはり生きてくるのだと実感しました。

社内メンバーの協力
いくら自分がやり方を知っていても、PRは自分ひとりでできません。社内メンバーの協力が必要不可欠です。今の会社のメンバーは本当にPRに対して、理解してくれるし、協力をしてくれます。

開発やPMは、僕が聞くめんどくさい質問に対してもちゃんと答えてくれるし、考えてくれます。(「結局これってどういうことですか?」とか聞いちゃうので。)法務責任者は、法務観点で的確にチェックしてくれるだけでなく、てにをはの指摘もしてくれるくらいのありがたい存在です。

そんな社内メンバーなので、僕はできる限り、なぜこの施策が必要なのか、今何をしようとしているのかをできるかぎり説明して理解してもらうように努めています。

まぁ、この件から何を思うかというと、何事も何とかなるってことですね!笑
あとは、メディアリレーションは大事ということ。

少しでも同じような人の参考になれば嬉しいです。


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