よい乗り物はよいところへ連れて行ってくれる

今年から京都に住み始めた。
市街地からは外れているものの、駅もバス停も一応徒歩圏内にあるし、割と良い立地だ。
しかし、京都は地下鉄や私鉄の種類が少なく、乗り換えには少し不便を感じるし、バスは時刻通りに動くことはほぼないと言っていいだろう。
自転車があればもっと色々な場所を巡ることができ、楽しい京都ライフを送ることができるはず！と、本気すぎないけれども少し早くてカッコいい自転車を探し求めて早数ヶ月…。
ネットで目星をつけたお店に足を運び、ついに自転車を手に入れた。

色は真っ黒。よく知らないブランドの中古品だが、昭和に作られたペダルやベルなど、付属品が可愛らしかったのと、そこまで前傾姿勢にならなくていいところから選んだ。
本当は青もあって、こっちもいいかなぁって一瞬悩んだけれど、前の持ち主のココナッツのような家の匂いが染み付いていて、苦手な匂いだったのでやめた。店主に「この自転車は前の人の匂いがする」と言ってみたが、彼はそれがわからないらしかった。もしや店主のガレージの匂いなのだろうか。

早速乗って寄り道。一人で過ごす時間を大切に、というコンセプトのカフェを見つけた。本棚に置いてある漫画のセレクトが素晴らしく私好み。「きのう何食べた？」をゆっくり読んで寛いだ。
ここは自転車が無いと来れないところだ。やはりよい乗り物はよいところへ連れていってくれる。

自転車、これが今年買って一番よかったものだ！