【01】いちばん多かったのがコレ
家が遠かった。
学校から歩いて1時間かかる。
だから、家に帰りつくころには昼食のことしか考えられないほど腹が減っていた。
母が帰る時刻を逆算して食事を準備してくれていたのが救いだった。
「ただいまー!」
「おかえり。もうすぐお昼できるよ」
この日の昼食は、ラーメンだった。
カップラーメンではなく、袋麺。
サッポロラーメンやチキンラーメンが主力だったが、この日は違った。
出前一丁だ。
言うまでもないが、出前一丁は醤油味だ。
九州から引っ越してきたクラスメイトによると、