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補助単位は正しく使おう

75日目。
今日は“単位”のお話。

補助単位とは?

物事の表現方法として標準使用される単位としては、
国際単位系(SI)“と言うものがあります。
国際単位系は物理定数を定めたものであるので、
それらを基にして、“SI基本単位”と言うものも
設定されています。
以下のようなものです。

・長さ    →メートル(m)
・重さ    →キログラム(kg)
・時間    →秒(s)
・熱力学的温度→ケルビン(K)

ただしこれらのSI基本単位は全ての場面で
使用されているわけではなく、
慣習的に“別の方がわかりやすい”と考えられるものは
今でも別の表現がされているものもあります。

(例)
・食事由来の熱量→カロリー(cal)
・液体の容量  →リットル(L)、cc
・お米の容量  →合(ごう)

補助単位“とは、これらを実態に即して
わかりやすく表現するために使用される
接頭辞的に使用される単位です。

補助単位の例

理科系、特に実験系の分野に属していた方だと
多少馴染みはあるかもしれませんが、
そうでないと知る機会があまり無いので、
いくつか紹介したいと思います。

【拡大方向】
・h(ヘクト):x 100 (x 10^2)
・K(キロ):x 1,000 (x 10^3)
・M(メガ):x 1,000,000 (x 10^6)
・G(ギガ):x 1,000,000,000 (x 10^9)
・T(テラ):x 1,000,000,000,000 (x 10^12)
・P(ペタ):x 1,000,000,000,000,000 (x 10^15)
・E(エクサ):x 1,000,000,000,000,000,000 (x 10^18)
【縮小方向】
・c(センチ):x 1/100 (x 10^-2)
・m(ミリ):x 1/1,000 (x 10^-3)
・μ(マイクロ):x 1/1,000,000 (x 10^-6)
・n(ナノ):x 1/1,000,000,000 (x 10^-9)
・p(ピコ):x 1/1,000,000,000,000 (x 10^-12)
・f(フェムト):x 1/1,000,000,000,000,000 (x 10^-15)
・a(アト):x 1/1,000,000,000,000,000,000 (x 10^-18)

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
“0が3つ増えるor減る”際に補助単位は変化します
この辺は国際単位系なので、カンマをつけるかどうか
を基準にしているのが背景ですね。

日本で使用している数量単位(千、万、億、兆 等)は
0が4つ増えるor減る”が基準なので、
なかなか馴染みが湧きづらいのが悩ましいところです。

補助単位だけでは意味をなさない!

昨今、補助単位のみの表現が散見されます。
特に“情報系分野”においては顕著です。

スマホプランの“ギガ”や、通信速度の“メガ”など。
サービスを提供する側はわかりやすく
表現しているつもりなのでしょうが、
結果的に“勘違い”が横行しています。

スマートフォンで言えば、
通信量であれば“バイト(byte)“だし、
通信速度であれば“ビット(bps, bits per second)“です。
メモリ“と“ストレージ”の違いも
明確に区別できていない
消費者が多いこともわかっていて、
十分な説明をなさないことも多く見受けられます。
(何度 口を挟みそうになったことか。。。)

慣習的に使用されるもので言えば、
体重の“キロ”、身長の“センチ”、
なんかもそうです。
もっと言えば、家具などの設計系だと
ミリメートル(mm)”ですね。
ネットで買った商品だと単位が書いていないことが
多いので、結構焦ります。

「それくらいわかるだろ!」
「そんなに細かいこと言わなくても」
「みんな分かってるならいいじゃん?」

そう思われるかもしれません。
しかし、“正しい表現を知って使用すること“と、
ただ慣習的に使用し続けること“は
似て非なるものです。

略称とは正しい意味を知ってこそ使う価値のある
表現である
と私は考えます。

今一度、自身の使っている言葉に
想いを馳せていただければ幸いです。

おにぎり紳士🍙

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