Tabloid Revue。たぶん其の一。

現在公演中のTabloid Revue『rumor~オルレアンの噂~』。
同じくTabloid Revueと冠した『密会』は、もう七年も前の事ですって。
Facebookさんがランダムに上げてくる過去記事の案内で教えてくれました。

「レビュー」と言う呼び名が好きで。
それはやはり「ショー」だと本人性が強く感じられるのに対して、どこかドラマの中の人物を演じているように思えるからで、そんな薄靄の薄曇りの摩訶不思議が心地良いのですね。

もちろん、演者の個性と魅力が活かされなければ、決して良い舞台にはなりませんので。演者本人が自由に才能と技術を発揮し、意思と感性を自信をもって開放することが大事です。
ワタクシ共は、物語の骨子・枠組みを作って地盤を固める土木工事の責任者。乱れて暴れることのないように治水工事の担当者。出来るだけ広く牧場の囲いを作って、後は放牧の群れを眺める観察者。
役者の翼を折らないように、さり気ないサポートをするのが役目。
ことに、ショーの舞台においては。
如何に演者が気持ちよく羽ばたけるか。
お客様に喜びと楽しさの切り売りをする、おおもとの素敵に豪勢なケーキを焼き上げられるか。それを手伝うばかりです。
そんなお世話をする乳母や爺やの役割が、自分も嬉しいのですね。

さてさて。
レビューやショー、コンサートなんていう歌舞音曲の祭典が、実は昔から好きだったようで。ひょんなことで辿り着いた場所がREVUE COMPANYなんてトコでしたので。
いつの間にかレビュー屋さんになっておりました。

「物語」に対して、芝居の奥深さや探求心も好きですが、レビューの舞台における連想や跳躍、ある種の放埓さは快楽です。
無限に繋がる回廊、綾取り、合わせ鏡。終わりのない地図を辿る果てしない旅に束の間、身を委ねる訳です。異世界探訪ですね。
夢の中に旅をする。それがレビューだと思っております。

ですが、現在の日本では、ごく僅かのREVUE COMPANYでしか「レビュー」は作られず。「ショー」の舞台も限られています。
「コンサート」は増えており、それも楽しいですし、歌い手の妙なる調べの奥行きを堪能して感動するのですが。
私にとっては世界の拡がりに物足りなさを感じてしまうこともあるのです。もう少し膨らませたい……と。美術や衣装、ダンス……手間と暇とカネのかかる事ばかりですね。

ショー作りに携わっていた経験から、コンサートやショーの舞台を依頼されることもあります。有り難いし、嬉しい事です。
私は雇われ演出家ですから、雇い主からのオーダーを伺って内容を固めていくのが仕事です。それも楽しく、刺激的で喜びを感じる作業です。
ですが。たまにはね。
と、自分勝手に進められる事など此の世に無いとは知りつつも、余りシガラミや政治や忖度が(あくまで「興行」なので、まったく0になることはあり得ませんが)少ない環境で作ってみたい……と。そんな想いで臨んでいるのがTabloid Revueのシリーズです。
言わば低農薬レビューですかね。なので余り多くは作れません。色々な意味で。

『密会』は所属事務所であるジャンクションが制作でした。
ウチの社長もレビューやショーが好きなのです。ただ、ジャンクションは舞台制作を中心にやっている会社ではありませぬ。
今回の『rumor~オルレアンの噂~』は、日頃お世話になっているatlasさんに御協力いただいて、自主公演的に立ち上げました。色々な責任を考えれば、もう何度も出来ることではありません。これが最初で最後かも知れません。
でも、やはり好きなのですね。レビューが。
しかし、レビューやショーの舞台を観ない・知らない方々も(演劇業界でさえも)多く。どうやってか、レビューやショーの多様性と多彩な面白さを伝えられないものかと思っております。ま、伝道師のような真似は到底出来ませんし、柄でもありませんが。
創ったものを観て頂く。ただ、それだけを一生懸命に……出来ているかは、心許ないですけれどね。頑張ります。

そして大劇場で羽根とスパンコール溢れるレビューに対して、「Tabloid Revue」です。
新聞のタブロイド判のように小型(小規模)で、より猥雑で風刺や皮肉を盛り込んだ些か悪夢よりの夢。
でも、それでも夢ですから、夢の舞台です(笑)。
でもでも、多くの方にお見せするものですから、毒はなるべく控えめに。
でもでもでも、毒は必要不可欠な甘美なスパイスでもありますから。

取り留めのない文章になりましたが、次回?は、もう少し現在の公演の雑感を書いてみたいと。
まずは19日までの公演が大切です。日々、お客様に愉しんで頂けるよう願っております。

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