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あのオレンジ色の意味は?

音楽室DXにいらしたことのある方、そして配信でライブをご覧いただいている皆様が目にする、ステージや店内の壁に縦横に貼られたオレンジ色の部分が気になるとの声がちらほら聞こえます。

これは全て「吸音材」と言って、文字通り音を吸う。つまり大きな音が壁に跳ね返るのを抑えるためのものです。

トップのステージ写真をご覧いただきますと、センター奥の両脇に縦に貼ることで主にドラムの音の鳴りを適度に抑え、左右の足元に横に貼ることでベースやギターの低音を抑えることになります。
これ、貼りすぎると音が吸われすぎて例えばドラムなどの残響が抑えられてしまいます。いくら力を入れて叩いても響かない。これを「デッドな音」や「デッドな環境」などと言います。

逆にコンクリートの壁や天井での環境で音の鳴りや跳ね返りが大きい場合を「ライブな音」「ライブな環境」と表現することが多いです。

言い忘れるところでしたが、ステージの天井部分にはオレンジではなベージュっぽい色の吸音材が貼ってあります。これで適度に響くステージ環境が整えられているわけです。

そして店内をぐるっと囲うようにスピーカー上部の高さに合わせて吸音材を貼り巡らせ。

これは一番後ろの座席部分ですね。

更に中央にある柱部分にもベージュの吸音材を。

後方に見えるように店内をオレンジの吸音材で囲っています。

ちなみに音というのはお客さんが入ることでも吸われる(抑えられる)ので、床や壁の下のほうには必要ありません。お客さんが多いほうが音は吸われますし、夏場よりも厚着な冬場のほうがより客席の音は吸われます。つまりお客さんのいないリハーサル時と本番の音環境は異なるわけです。

「吸音」がステージや店内の環境を整えるものに対して「防音」というのは音が店外、外に漏れるのを防ぐことです。これは施工時に外壁と内壁の間に施さないといけないので後から追加することは難しいのです。実はこの防音の工事に一番費用がかかったりします。

ということで最近特に配信でしか音楽室DXをご存じない方もいらっしゃるので、あのオレンジは一体何なんだ?というお声に答えてみました。
いつかいらした際には是非触れてみてください。

ちなみになぜ音楽室DXがオレンジ主体かといいますと、暖色は食欲の増進やリラックス効果があるから、というのが主な理由です。


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