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元外国人の私が行政書士と共に挑む、「入管業務のデジタル化」宣言

こんにちは、one visaのジャファーです。生まれも育ちも日本ですが、両親共にスーダン人で、社会人になってから日本国籍に帰化した元外国人です。

私が働くone visa という会社は、ざっくり説明すると海外から日本へやってくる、もしくは日本に住んでいる外国籍の人たちが、日本で生活していく上で必須であるビザ(正確には在留資格、といいますが一般的な知名度を考慮してこの記事ではビザとします)を簡単、シンプルに取得できるサービスを提供している会社です。

私自身元外国人ということもあり、外国人にとってのビザの問題に強い当事者意識を持って生きてきました。

そんな私が責任者を務める「one visa for 行政書士」というプロダクトのβ版が先日リリースされたのですが、このnoteでは、私の半生を振り返りながら、one visa for 行政書士の開発に至る原体験とプロダクトに込めた思いをお話させてください。

69枚の提出書類、数十往復のメール・・・。帰化申請のトラウマ

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1988年、東京都港区の病院で私はスーダン人の両親の間にスーダン国籍として生まれました。高校2年生のときに留学ビザへ切り替えて、大学院を卒業後の社会人2年目の年に日本国籍へ帰化しています。生まれも育ちも日本で、日本語を母国語として話す自分にとって、帰化申請をするという選択肢はごく自然なことでした。

しかし、帰化申請は本当に大変でした。ビザの申請は申請書類を書いて、その書類に書かれている内容が間違いないことを証明する書類を提出することで、その申請が適切かどうかを判断します。
帰化の場合は、家族の同意書や出生の証明書、渡航歴証明のための過去全てのパスポートのコピーなど、本当にたくさんの書類を提出しなくてはいけません。

当然何の知識もない私は、市ヶ谷のとある行政書士の先生を頼って帰化申請を進めました。
帰化申請に必要な情報をエクセルのシートに入力して送ったり、メールで必要な書類の依頼を受けては集めて送るという作業を繰り返した結果、最終的に集めた書類は69枚にものぼり、行政書士の先生とやり取りしたメールは数十往復にもなりました。
仕事の合間に作業を繰り返し、準備だけで約6ヶ月かかりましたが、ようやく申請の準備が整い、その後9ヶ月の審査期間を経て無事日本国籍に帰化することが出来ました。

もう二度とやりたくない、トラウマとも言えるほどの経験ですが、いま心に浮かぶのは、自分に寄り添ってくれたあの行政書士の先生がいなければ、このすべての工程を自分一人でやらないといけないという恐ろしさです。
あの1年3ヶ月を、1人で乗り越えられたかというと、自信がありません...。

外国人に寄り添い、支え続けてきたのは行政書士だった

この経験から、one visaに入社する前からビザに対する課題感が非常に強かったと同時に、行政書士の先生への感謝、敬意を持っていました。

殆どの人は、自分ひとりで専門知識が必要なビザ申請を行うことは出来ません。日本語が得意ではない人ならなおさらです。そこで外国人に寄り添い、支え続けたのは行政書士の先生たちだったのは間違いないでしょう。

行政書士の仕事は決して楽ではありません。自分も申請者の立場でビザ申請は非常に大変だと感じましたが、これは行政書士にとっても同じことなのです。
申請者の状況によって必要な書類は異なるため、ヒアリングに膨大な時間を費やし、メールや電話で何度も書類収集の依頼をして申請準備を進める必要があります。業務は労働集約型になり、一人の行政書士が処理できる案件数は月に10件~15件程度が限界です。

入管業務は必ずデジタル化されていく

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テクノロジーが進歩した今、システムの力を借りて行政書士の業務も効率化されるべきだと私は思います。それは従来の行政書士の先生方が築いてきたノウハウや実績を否定するものではなく、業務を効率化することで、行政書士にしか出来ない領域に力を注いでほしいと思っています。

少子高齢化による人材不足を補う形で特定技能が新設されるなど、日本で働く外国人の数は増え続ける一方です。これだけテクノロジーが進歩して来ている世界の中で、年間何万件と手続きされているビザの申請・更新が、何十年経っても今のままあり続けるとは考えにくいです。どこかのタイミングで必ず変革が起きるはずです。
一方で、入管業務の専門家である行政書士が介在する価値は必ず残り続けます。one visaに入社してから痛感していますが、ビザの申請業務はそのすべてをシステムに代替できるほど単純なものではないですし、専門家が責任を持って進めるべきプロセスは多いです。
テクノロジーによって入管業務が変化する部分は、例えば申請書類がアナログ管理ではなくなるとか、書類の提出は窓口まで行かずに、オンラインで提出できるようになるなどでしょう。
また、one visaがまさに解決しようとしているように、エクセルでの煩雑なヒアリングや手打ちによる書類作成等はどんどんなくしていけるはずです。

そうした本質ではない業務をテクノロジーが代替し、専門家が知識や経験をフルに生かした業務に集中できる未来は必ず訪れると私は信じています。

また、一般企業では今やセールスフォース等の顧客管理システムを利用して適切なタイミングで効率的に顧客への営業活動を行うことは当たり前になってきていますが、行政書士は大半がエクセルや紙の書類での管理にとどまっているのが現状です。
しかし例えば、過去の申請者のビザの期限を参照して、「ビザの更新が必要なタイミング=営業タイミング」を通知をしてくれる、行政書士に特化した顧客管理システムがあれば、より効率的に漏れなく営業活動を行うことも出来ます。

私自身トラウマになるほど大変だった帰化申請を行政書士の先生に手伝ってもらい本当に助かったという経験もあり、その恩返しになるようなプロダクトを世に送り出したい、さらに欲を言えば先生方にも意見をもらいアップデートしていきたいというのが、正直な気持ちです。

行政書士と共に入管業務をアップデートしたい

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行政書士の先生方の仕事がもっと効率的になり、本来時間をかけたい業務に集中できるようになれば。そして入管業務全体がペーパーレスに、デジタル化できれば...。その先にいる、私のように幸せな元外国人・外国人がもっと増えるのではと、今、ワクワクしながら毎日を送っています。

現在多数の行政書士の先生にフィードバックを頂きながらプロダクトに改良を加えています。10月に正式版のリリースを予定しており、入管業務をグッと効率的にできる、良いものを作れていると胸を張って言えます。ご興味お持ちいただけた方は、ぜひお気軽に私までご連絡ください。

行政書士の先生たちと共に入管業務をアップデートすべく、引き続き邁進していきます!

筆者:ジャファー アフメット

1988年東京生まれ。スーダン人の両親の間にスーダン国籍として生まれ、2014年に日本国籍に帰化。大学院卒業後、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など海外で事業開発や新規事業開発の経験を積む。前職のJapanTaxiではPMとして、タクシー業界のDXに尽力する。2020年1月にone visaに入社し、one visa for 行政書士の事業責任者としてプロダクト開発をリード。入管業務のDXに取り組む。

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「世界から国境をなくす」というミッションを掲げる東京のスタートアップ、one visaの活動の舞台裏をご紹介します。 メンバーがいつもどんなことを考え、議論し、新たな世界を目指しているのか。知っていただける記事を日々更新します!https://www.onevisa.co.jp/
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