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記憶のカイダン 10歳〜11歳

ー10歳〜11歳ー

◆コンプレックスの塊といじめ問題◆

とにかく自信がなかった。
多すぎる毛量。不揃いな歯並び。多汗症。
急に増えたにきび。
この頃から一部の女子間では
誰かを無視する、仲間外れにする。みたいな幼稚な行為が横行していた。
私はそのメンバーには入ってなかったけど、
無視された誰かが救いを求めてこちらの平和なグループのところへ
よしてーっとやってくる。
陰湿な行いが繰り広げられているのはカースト制度でいう
最上位のグループだ。
無視されている間、匿ってねみたいな感じで仮の友達ごっこをしはじめる。
そしてターゲットが変わればその子は晴れて上位メンバーへ格上げされ、別の子がまたこちらにやってくる。
今思えばうまく利用されているな…と思うけど、当時自信のなかった私は
その上位メンバーと仮でも仲良くできることは、一種の自分のステータスみたいな気持ちがあって、普通に優しく接していた。

またさらに深刻な問題もあった。
昔仲良くしていた友達で、すごくひとりよがりでジャイアンみたいな子がいた。でもそれがどんどんしんどくなって仲間外れにした。
私が率先して仲間外れにしたのかどうなのか全然思い出せない…
もともと疎まれていたその子はどんどん孤立し、ついにいじめに発展した。
男子からの容姿に対する罵倒や暴言。その子の存在自体の否定。
それでも毎日学校に登校して、一人で過ごしていた。
私は、傍観している。そして少しざまあみろと思う。なんだったら容姿の否定が私じゃなく、その子に向いていて良かったとすら思っていた。
何度か学級会議みたいなものが開かれたけど、いじめている子はあいつが強情で卑怯やから悪い。と。結局先生も、私も、誰もその子をかばう人なんてあらわれない。みんなターゲットにされるのも嫌だし、孤立するのが嫌なのだ。

のちのち中学校で自然と話すようになってからその子からは
「あの時は毎日自殺しようと思っていた、つらかった」と。

私はあの時どうしたらよかったのだろうか。傍観者でなんならざまあみろと楽しんでいた自分。自分の弱さや自己肯定感の低さから、誰かがそれよりも下のレベルにいることで優越感に浸っていた自分。あの子が悪いんだとどこか自分のこの考えを正当化しようとしていた自分。
今考えても吐き気がするくらい最悪な考えだ。

この時代の私はとても醜い。自分自身に対して卑屈になっていると他人への思いやりの欠片も持ち合わせることができないんだと今なら感じる。


‐------つづく--------

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