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種馬場の移動によって、種牡馬の評価を下げる必要はない!


「結果を出しても…厳しい時代である。ただ、これでダメというわけではない。」

気が付けば、早くも12月となり、本年もあと1ヵ月である。

サラブレッド業界にとっては、新しい命の誕生と交配という匂いがしてくる時期ではないだろうか。

来シーズンの交配に向けて、種牡馬の株やシンジケートの話が生産地では持ち上がっているころだろう。

さて、本年はナダル(アーカンソーダービー勝ち馬)とシスキン(愛2000ギニー勝ち馬)を社台スタリオンステーションが導入し、

ノーブルミッション(サンクルー大賞、英チャンピオンS勝ちなど)をJBBA日本軽種馬協会が導入、

そして、先日、米国のタピザー(BCマイル勝ちで、GI7勝のモノモイガール等を輩出)を優駿スタリオンステーションが導入することを発表した。

昨年もブリックスアンドモルタルを含めたビッグネームが導入されており、今や日本には世界のトップレベルの血統馬が多く存在している。

他にも日本で活躍した一流馬たちが毎年スタッドインしている。

新しい馬が導入されるということは、その場を後にする馬も自然といるということである。

上記の2頭の種牡馬を導入した社台スタリオンステーションは、先日の東京2歳Sを快勝したダノンザキットの父であるジャスタウェイをブリーダーズスタリオンステーションに、

初年度産駒からGIであるNHKマイルCに勝利したラウダシオンを輩出したリアルインパクトを優駿スタリオンステーションに、

ラストドラフトを輩出している欧州チャンピオンのノヴェリストをレックススタッドにそれぞれ移動させた。

移動先は明らかとなっていないが、リーチザクラウンも移動した。

ネット上では、“出された”と表現され、用無しとも読み取れるくらいの言い方をされることがあるのだが、

私自身は、全くそうは思っていない。

種馬場は、交配が多く見積もれる馬を残すわけで、生産者・馬主にとって新鮮である新種牡馬がどうしても直近で人気となり、花嫁を集めることができる。

よって、実績がある馬でも、他に同タイプの馬がいて花嫁が分散することが予想され、交配頭数が落ち着くと見込まれる場合は、

移動させることが珍しくないのだ。

なので、種馬場自体の各馬への評価が下がったわけではないことを覚えておいたほうが良い。

最初の繋養先から移動した種牡馬の産駒には出資しないと決めつけていると、良いチャンスを逃すことにもなりかねない。

移動した先で一生懸命に任務をこなし、誕生した産駒が活躍するということも珍しくないからだ。

チャンピオンスプリンターのレッドファルクスの父スウェプトオーヴァーボードも同様に社台スタリオンステーションからブリーダーズスタリオンステーションに移動していた馬である。



※作者 一口馬主マスターB
Twitter  → https://twitter.com/onemouthmaster2


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