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身近に自分を取り戻せる景色がある幸せ

毎日車を走らせると見える風景。

春には朝焼け・夕焼け時には空を映し出す水鏡に、夏にはどこまでも広がる緑色の景色、秋には黄金色に広がる稲穂の景色、冬には辺り一面雪に覆われる白銀の世界。

今まで意識したことなどなかった。それは、その景色が当たり前だったから。でも、思い返してみれば、東京では見られなかった景色だった。

高くそびえ立つビルの下で、決まらない内定、諦められない業界への思い、先行きが決まらない未来に漠然とした不安に襲われ、高い高い壁に手が届かず、ひとり打ちのめされていた。

いわば、負けて戻ってきた新潟。3年後に東京に再び出ることだけを決め、会社で毎日怒鳴られることに怯えながらも、1時間の道のりを通っていた。

会社に行くことにこわさを感じていたころ、運転中に顔をあげたら、遠くに見える山まで広がる田園風景が目についた。今まで目の前にあったのに知ろうともしなかった。毎日そこに変わらずにあったのに。

それからは運転が楽しくなった。

春夏秋冬ごとに変わる景色。毎日この景色を見れる幸せ。

きっと広い田園風景は東京の中心街にはない景色。これをどこか遠くに出かけるのではなく、毎日の通勤途中に見れること。

それがこんなに幸せなことだとは気づかなかった。

ウイルスが世界を蔓延している今、自分の生活圏内に好きな景色が広がっていることは幸福度が上がる。5分運転すれば大好きな風景が広がっている新潟は、思ったよりもいい場所なのかもしれないな。

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