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22卒満足度No.1のサマーインターンの秘訣『人事である前に、人であれ』

こんにちは!ワンキャリアクラウドチームです。

先日、クチコミアワード2021上期速報TOP30が公開されました。昨年とランクイン企業の顔ぶれが大きく異なっています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う採用のオンライン化の中でも学生から支持を受ける企業はどのような採用をしているのか。

今回は2年連続でTOP30にランクインした3社の中から、日鉄物産にお話を伺いました。

日鉄物産は、もともと新卒市場における認知度の低さや、他社と比較した際のわかりやすい強みに課題を感じていたとのこと。3年前よりクチコミを中心に学生の声をもとに採用施策の改善を進めたところ、2022年卒の夏インターンシップの応募者数は昨年から500%以上も伸長したとのこと。更に本年のインターンシップではクチコミ4.8と満足度No.1※を記録しています。
(※ワンキャリアの22卒会員のインターンに対するクチコミを集計。5件以上クチコミが集まった企業を対象。2020年10月26日時点)

どのようにして3年間で学生に選ばれる企業になったのでしょうか。

今回は、同社で新卒採用を務める植田 裕真さん、小竹 綾華さんの2名に、採用に対する考え方から、学生の声をもとに企画したサマーインターンシップの設計、クチコミをいかした採用マーケティングの全容について、詳しくお伺いしました。

プロフィール

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誰でもできることを、誰よりもやる

ー クチコミアワードのノミネート、おめでとうございます。学生の満足度を高めるために、工夫している点はありますか。

植田さん:我々は特別なことはしていません。
改善のために小さな振り返りを徹底すること、とことん学生視点に立って物事を考えることに時間を投資しています。

学生のキャリア観も世の中も大きく変わっている中で、我々企業側が変わらないのはリスクです。現状に満足して停滞してしまうのが怖いため、常に学生の声をききながらPDCAサイクルは回しています。終わるたびに何時間でも振り返りを行って、愚直に少しずつ改善しています。

PDCAサイクルの質を高めるために、振り返りを数時間単位で実施するだけでなく、学生に対しても細かいフィードバックを求めます。具体的にいうと、学生にお願いするアンケート項目は40項目ほどあります。全部で1万文字くらいでしょうか。これを見て改善点を洗い出し、毎年蓄積しています。

ー そのアンケート、書いてもらえますか?笑

小竹さん:アンケートをお願いする際に、その意義やアウトプットの重要性を伝えて書いてもらっています。「学生の皆さんがフィードバックをすることで、我々の採用活動が改善され、皆さんの後輩の就職活動に良い影響を与える。むしろ書かないことは失礼ではないか。」と就職活動に臨むスタンスとして求めることもお伝えしています。結果、回答率は高くなりますが、時には辛口な意見を正直に頂戴することもあります。

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植田さん:また、アンケートだけでなく、ワンキャリアのクチコミも同様の文脈で書いてもらうように伝えています。そのために、どの時間で書いてもらうか、どうすれば学生が書きたくなるか、本気で書いてくれるかをかなり考えています。例えば、夏のインターンシップ(5days)では、5日目の振り返りの時間に学生間で話し合いながらクチコミを書いてもらいました。結果、20名程の学生にクチコミを投稿してもらい、良い評価もいただくことができました。

アンケートとクチコミを書くことは、意義を伝えなければ学生にはただの面倒な作業だと思われて当然だと思います。だからこそ、学生視点での体験と伝え方にこだわるんです。

最近はクチコミをきっかけに当社を知ってくれる人も増えたので、学生には皆さんの投稿するひとつひとつのクチコミが新しい出会いを生んでいるということも知ってもらいたいですね。

ー コンテンツについてはどんな工夫をしましたか?

小竹さん:5daysインターンは、「就業体験とは何か」「オフライン/オンラインだからこそ伝えられる魅力は何か」を学生視点で突き詰めた結果、現在の日鉄物産の働き方に即した「オンライン3days/オフライン2days」の複合型になりました。

22卒の学生はオンラインでの就職活動がほとんどで、「横のつながりがない」「社風やオフィスの雰囲気がわかりづらい」という学生の声を聞いていたので、リスク対策を徹底した上で一部オフライン開催を決行しました。コンテンツを考える中で「本当にオフラインでしか提供できない体験なのか?」と何度も問い直しました。一番大事なのは学生なので。

また、オフラインだからこそ伝えられること、オンラインだからこそ伝えられることを全て明文化し、チームで共通認識をとりました。たとえ話でいうと、好きな人に告白するときにFacetimeを使って伝えるのと対面で伝えるのってどう違うか考えます。対面のほうが、話す間や仕草、声の抑揚などが伝わり、細かいニュアンスや空気感が伝わるのではないかという仮説を検証し、社内提案しました。「学生視点で、いかにオフライン開催が良いか」を上司に説得するのは苦労しましたね。

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ー インターンだけでなく説明会も学生から高評価のようです。何か意識していることはありますか。

植田さん:先ほどと同じですが、改善に手を抜かないということです。イベント毎に次のような数値分析をして毎回振り返っています。これは自社の結果だけですが、他社の満足度なども参考にしています。

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例えば、オフラインで合説を行っていた頃、満足度が高いと評判だったバンダイさんのブースに偵察にいきました。30分の時間の使い方はどうか、プレゼンの構成はどんなものか、それが学生にどう評価されているかを分析し、自社の採用施策として取り入れられるものは取り入れています。

他社さんでも学生にとって良い体験を提供しているコンテンツからは積極的に学びたいと思っていますね。商社業界は人事の横のつながりが強いため、人事同士の情報交換も盛んに行っています。

知る人ぞ知る人気ラーメン屋でありたい

ー 学生視点で小さな改善を重ねたからこそ、いまの日鉄物産の採用があるんですね。ちなみに他社さんだと「クチコミはあまり参考にしていない」などのお声もいただきますが、御社はクチコミをどのように捉えていますか。

小竹さん:ワンキャリアさんの提供するクチコミアワードは非常に本質的だと思っています。事実上お金で買うことができるランキングも多くある中で、”本当に質の良い体験を与えられたか否か”が点数に如実に反映されるためです。

学生が良い体験をして弊社のことを好きになってくれたら、その学生が更に周りの学生に「よかったよ」と勧めてくれる。体験の質を追求していけば、自然と学生の満足度が高まり、新しい認知にもつながっていると感じています。

植田さん:まさに、「知る人ぞ知る孤高のラーメン店」ですね。有名になろうとしていないけど、実際に行った人の誰もが認めるあの美味しいお店、みたいな。
クチコミは最強のマーケティングツールだと思います。

広告でお金をかけて無理して集めるよりも、体験に価値を感じて自然と集まってきてくれる人が増えるといいですね。

小竹さん:ちなみに、クチコミは採用に関わる人事をエンパワーしてくれる存在とも捉えています。実は、ワンキャリアさんのクチコミアワードなどは、我々の努力が数値として表れる貴重な機会なので、役員含めて採用に協力してくださった社員に必ず共有しています。今回のようなテーマのインタビューを受けるのも我々人事にとってはこれまでの行動に意味があったことを示す一つの成果ですし、社内にも共有します。

本質的な活動をしていけば、クチコミが生まれ、それにエンパワーされた組織が、学生や社員に更に新しい体験を作っていく。クチコミは会社すらも変えていく力があると信じています。

人事である前に、人であれ。

ー クチコミを書いてもらうために、意識していることはありますか。

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植田さん:「フラット」「透明性」という点でしょうか。

大前提、採用につなげる気が全くないインターンを、本気でやってるというのはあると思いますよ。コンテンツも学生の声を事前に聞き、体験を追求して考えています。学生の声を聞かずに、企業側の論理を入れるから変なコンテンツが出来上がるんだと思います。

自社の採用のことだけ考えてやると、どうしても「囲い込みたい」「見極めよう」というスタンスで学生を見てしまいます。これは学生視点ではないと感じますし、学生にも伝わります。我々はそういったことはせず、1人の社会人として学生に接するように意識しています。

小竹さん:そうですね。クチコミを書いてもらう際にも、本音を引き出すことが重要だと考えています。そのためにまずは、私たちから本音を伝えますし、本音を言いやすいようにできるだけフラットに接します。「このインターンの前にどれだけ学生が落ちてるか」「採用にもお金がかかっている」という企業の採用の裏側もちゃんと伝えます。ひとりの先輩として就活のときに知っておいてほしいことを伝えています。

自分の一挙手一投足に胸を張れるか。

植田さん:透明性の例としては、採用基準や、どんな人が活躍するとかは惜しみなく学生に伝えます。逆に、伝えられない採用基準を設けているのであれば、それはナンセンスです。我々は常に「一挙手一投足に胸を張ってやれることしかしない」を意識していますので、言えないことはやりません。

小竹さん:だからこそ、良いクチコミもそうでないクチコミも受け入れることができるのだと思います。
正しいことをやった結果、学生の反応が悪ければ、それはマーケットからの評価として受け入れるしかありません。私たちは、学生の声を聞き続けて、人事から日鉄物産自体も変えていく気概で採用の仕事をしています。

これらの我々のスタンスや取組が学生に評価されて、昨年(21卒)もクチコミアワードにノミネートいただいたのかもしれませんね。ちなみに、クチコミアワードにノミネートいただいたおかげか、22卒のインターンは応募数が昨対500%以上を記録しました。また、インターン生の半数以上がワンキャリアを通じて弊社を知ってくれた学生でした。

むやみに広告を出して広く集客するよりも、クチコミでおすすめされた方が学生も目的をもって選考に臨んでくれるので、結果的に志望度の高い学生が集まっているのかもしれません。

ー 今後は、採用に限らずユーザーに対して透明性の高い企業が存続していくと思いますが、どうでしょうか。

植田さん:まさにそうですね。これからの時代、透明性の高い企業しか残らないと思います。だからこそ我々は何も隠さないし、自分たちの利益だけを守ろうとしません。ワンキャリアクラウドでも他社の選考情報が見れるようになりましたが、それ以上に、このツールを用いて人事同士がオープンに繋がれると良いなと思います。

我々は大義名分として、採用活動を通して学生の人生・キャリアに明確な目的を与えたいと思っています。これは日鉄物産だけでなく、全ての企業に責任があります。この責任を果たすためには、採用のスキルやノウハウが人事同士でもっと流通し、人事がレベルアップするような仕組みがあると嬉しいと考えています。この仕組みが実現するのであれば、我々は何でも開示しますよ。今の時代は隠してても何もいいことはないので。

小竹さんワンキャリアクラウドも、採用におけるslackのような、人事にとって会社を超えたオープンなコミュニケーションツールになればいいですね。

学生の心に残る採用を。人生を変える力を持つ危機感を持て。

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ー 今後、目指したい採用の理想像はありますか。

植田さん:仮に日鉄物産に入社しなかったとしても、「あのときの日鉄物産の説明会で言われた一言が、ずっと心に残っています」と社会人になった学生から言われるような採用を目指したいです。実際にインターンシップ生のアルムナイのようなものが自然とでき始めている感覚があります。

小竹さん:人事は採用担当者である前に、ひとりの人間です。さらには、社会と学生を繋げる重要な役割を担っています。

「学生一人ひとりの人生を背負っている」「学生の仕事観に影響を与えることができる」という健全な危機意識を持ち、採用目標などの数字だけに追われることなく、学生の人生やキャリアに1つでも多くの学びを届けられるような人事でありたいと強く願っています。

そのために自分達の行動だけでなく、日鉄物産としての在り方も再考し、学生の仕事選びの体験が少しでもよいものになるよう努めていきたいです。


編集後記

日鉄物産のお二人にお話をお伺いして感じたのは、「学生の声を聞き、学生に良い体験を提供したい」「採用は透明性をもってやるべき」という思いを実際に日々の行動に移されていることでした。説明会やインターンの度に、学生の声をもとに毎度数時間チームで振り返りを行い、改善し続ける。数年間にわたって学生の声に向き合い続けてきた結果が、良い体験、良い認知につながったことで学生が学生を連れてきてくれる好循環を生んでいるように思いました。透明性を重んじ、学生の声に向き合い続ける日鉄物産はこれから求職者に選ばれ続ける理想的なモデルのひとつと言えるでしょう。

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本インタビューの終了後、植田様より熱いお言葉をいただきました。
植田様を筆頭に、新卒採用・インターンシップチームの採用にかける想いや3年間の試行錯誤の日々がリアルに伝わってきます。このような小さな努力を積み重ねて学生に向き合ってきた結果が、いまの日鉄物産の採用像を形作っているのではないでしょうか。(許可を頂いて掲載しています。)
我々は今後も、学生の本音に向き合い、採用活動を最適化しようとされている企業様に価値を提供できるよう尽力できればと思います。

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