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海外セルフサーブSaaS 30社のLPを調べてみた -Part1-

こんにちは、SaaSペンギン(@saas_penguin)です。

セルフサーブSaaSにとってLP(ランディングページ)ほど重要なものはないと思います。営業を介さないセルフサーブSaaSにとって、LPのデザインやコンテンツがCVR(コンバージョン率)に大きな影響を与えるためです。

今回は海外のセルフサーブSaaSのLPを "ざっくり" 調べてみました。その調査結果を2回に渡ってお届けします。前編はCVや導入事例、価格などに関する定量調査です!

セルフサーブとは

セルフサーブとは、顧客自身が製品を理解/検討し、サービスを利用できる提供形式のことです。B向け製品だと営業担当を介してサービス利用することが一般的かと思いますが、ACV(受注金額)が低かったり(営業マーケコストがかけられない)、機能がシンプルで誰でも使えるようなプロダクトでは、セルフサーブ形式を採用するSaaS企業も多いです。基本的にはオンラインで全て完結させる必要があるため、LP(ランディングページ)のコンテンツを充実させたり、申込フローをシンプルにする必要があります。

対象の企業

今回は、セルフサーブ形式を採用している海外SaaS企業の中から30社を対象に調査を行いました。対象企業は以下となります。

調査対象企業(サービス名/提供会社名)
Docusign / Docusign
Trello / Atlassian
Microsoft365 / Microsoft
Slack / Slack Technologies
Dropbox Business / Dropbox
Zoom / Zoom Video Communications
Datadog / Datadog
Wix / Wix
Cloudflare / CloudFlare
Fastly / Fastly
Pagerduty / PagerDuty
Elastic / Elastic
Surveymonkey / SVMK
Smartsheet / Smartsheet
Twilio / Twilio
Shopify / Shopify
New relic / New relic
Hubspot / Hubspot
Zendesk / Zendesk
LogMein / LogMein
G suite / Google
Workplace / facebook
Asana / Asana
Wrike / Wrike
Jira / Atlassian
todoist / doist
Evernote Business / Evernote Corporation
box / box
Benchmark / Benchmark Email
Taskworld / Taskworld

サービス名=会社名にしている企業がほとんどですね。

CV(コンバージョン)

言わずもがなですが、LPで最も重要なのが「CV」です。なぜなら、CVを獲得するためにLPを作成するから。ただ、CVの定義は企業によって異なり、ターゲットやサービス提供形式によって変わってくるかと思います。どのようなCVを設置しているか調べた結果、以下のようになりました。

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「トライアル」「登録」96%を占める結果となりました。「トライアル」とはその名の通り、プロダクトを一定期間、無料で試してもらって、良ければ採用(課金)、そうでなかったら不採用となります(トライアル期間については後述します)。次に多かった「登録(サインアップ)」ですが、これはひとまず無料プランに登録させて、その後、有料プランへ移行させる「フリーミアム形式」のプロダクトが中心です。セルフサーブということで、まずはプロダクトに触ってもらうことを前提としている企業が多いです。

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最近ではCVを複数置くのが一般的になっているかと思いますので、サブCVについても調べました。

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約半数の企業がサブCVを設置しています。それでは、何をサブCVとしているのでしょうか。

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「問い合わせ」56%(9社)と最も多い結果になりました。これはEnterprise向けのCVですね。SMBやMidと比較すると、導入までの意思決定に時間がかかったり、社内承認プロセスが複雑化しているEnterpriseに対しては、セルフサーブであっても問い合わせフォームを設け(セールスとの接点を持たせる)、導入まで丁寧にサポートするケースがほとんどかと思います。EnterpriseはACVが高額になるため、それなりの営業&マーケコストをかけることができます。逆に言えば、それらコストを回収できるプライシングにしなくてはなりません。

加えて、少しユニークなことがあったので紹介します。「問い合わせ」をどのような文言で表現しているのかを調べたところ、以下のようになりました。

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サブCVに問い合わせを置いている企業の77%が「営業への問い合わせ」と表現していました(以下参考)。日本企業だと「営業担当への問い合わせ」と表現しているのはほとんど見たことがありません。これは日米のセールスに対する認識の違いから生まれているのかもしれません(アメリカではセールス=専門職と認識されているとかいないとか)。

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トライアル

サブCVも含めると60%の企業が設置していた「トライアル」ですが、無料期間をどのくらいにすべきかという話は、SaaS関係者であれば誰もが気になるはず。調査した結果、以下の通りとなりました。

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「30日間」38%(7社)、「14日間」33%(6社)となりました。記載があるものについては、全て1ヶ月以内に収まっていますね。確かに、1ヶ月以上触っても理解できないプロダクトは売れないし、触ってすらいないユーザーはターゲットにならない、と言うことができるかもしれません。

トライアルにおいて、CVRに関わりそうなのが「クレジットカードの登録要否」。こちらはどうでしょうか。

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88%(16社)はクレジットカードを登録せずにトライアルすることができます。ストリーミングなどのC向けサブスクだと、クレジットカードの登録を必須にしているサービスが多い印象ですが、B向けだとほとんど必要としていないですね。法人の場合、必ずしも利用者=購入者とならないため、クレジットカードの登録はハードルがかなり高そうです。

カード登録が不要な企業については、「クレジットカードの登録は必要ありません」という一文を記載している企業が多かったです。まだ記載していない企業の方がいらっしゃれば、これを機に記載してみてはいかがでしょうか。CVRが向上するかもしれません。

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導入事例

SaaSに限らず、今や当たり前となっている導入事例。海外セルフサーブSaaSの場合はどうでしょうか。

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96%の企業が導入事例を設けていました。逆に設けていなかった会社わかりますか?正解は「Microsoft365」(あったらゴメンなさい)。Powerpoint,Excel,Wordは誰でも知っているので、事例はなくても問題なさそうですね。世界で最も説明コストがかからないサービスかもしれません。

続いては、どのようなコンテンツで導入事例を掲載しているのか。

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テキスト(記事)で導入事例を掲載しているのが70%(21社)、動画を用いている企業は50%(15社)となりました(重複あり)。日本に比べて動画のようなリッチコンテンツを上手く活用できているイメージ。

営業マーケコストをそこまでかけられないセルフサーブは、プロダクトに関する情報をすべてオープンにする必要があり、その手段として動画を活用しているのは非常に納得がいきます。

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価格

SaaSの価格掲載についても、関心のある方が多いのではないでしょうか。

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セルフサーブだけあって、80%(25社)の企業が価格を公開していました。残りの2割は、価格を知るために問い合わせなどをする必要があります。

そして、気になるのが料金の掲載順序。料金表の右側に高価格プランを掲載するのが一般的ですが、左側に置くことでCVRが高まるという説もあります。

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高価格プランを右側に掲載しているのが96%(24社)となりました。左側に掲載しているは「Wix」のみ。

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その他

デモ動画の活用状況はどうでしょうか。

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ご覧の通り、60%(18社)の企業が動画を活用しています。やはり、動画はプロダクトの魅力や活用方法、効果を伝える上で、有効なコミュニケーション手段となっているようです。

最後は「COVID-19」に関する調査。「テレワークへ対応」という文言をファーストビューに盛り込む日本企業が増えましたが、海外の場合はどうでしょうか。

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64%の企業は特に訴求なし。36%(11社)の企業は、ファーストビューで「テレワーク」や「COVID-19」に関して言及していました。DocusignなどはCOVID-19の特設ページを作っており、流石だなあという印象です。

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まとめ

まとめると以下のようになります。

・CVは登録またはトライアルが一般的。トライアルはMAX1ヶ月とすべし
・導入事例や製品紹介は動画を活用すべし。コンテンツのリッチさで勝負
・料金は基本オープン。ABテストしないならば右に高価格を置くべし

前編は以上です。後編では、LP作成において参考にしたいユニークなポイントをお伝えする予定です。乞うご期待ください!

弊社では主にアーリーステージのSaaS企業へ投資をしています。資金調達の相談や壁打ちなどは、Twitter(@saas_penguin)にてDMいただければと思います!
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SaaSスタートアップへの投資と大企業のDXを支援するベンチャーキャピタルです。スタートアップと大企業の両面から、日本の変革を推進します。コーポレートサイト(Notionで作りました):http://www.onecapital.jp/

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