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人の結婚を祝える人間になった話。

先月、生まれて初めて友人の結婚披露宴に参列した。

彼女とは高校の時に知り合ったので、もう10年以上の付き合いになる。こんな私と今でも年に1回はご飯に行ってくれる、心優しい友人だ。

披露宴の招待を受けたのは3ヶ月くらい前の話だった。コロナで式が先延ばしになっていたものの入籍は昨年だったので、もう聞き飽きただろうなと思いつつ念のためLINEで何度目かの「おめでとう」を言っておいた。


そもそも自分に結婚願望があまりないのと、結婚式というイベントへの違和感をずっとうっすら抱いてしまっているので、今まで何度か招待を受けたことはあったけれど、こういう式の類は全て断ってきた。

もちろん結婚したこと自体はめでたいと思っているけれど、ストレートに「結婚した人」って、今の時代それだけで大分恵まれているわけで。
異性を好きになって、結婚=幸せと思える素直な感覚を持ち合わせていて、さらにそういう感覚が育まれるような環境で育って来て、もうあなた十分すぎるほど「恵まれて」いるし「幸せ」じゃないか。

それをわざわざ周りに見せつけるイベントをお開きになる……!?どう考えてもあなた方より世間一般的な「幸せ」を持ち合わせていない(かもしれない)人たちを集めて!?と思ってしまうのだ。あーあ。(改めて自分って嫌なヤツだなという落胆のため息です)


正直、10年来の友人の披露宴だってどんな顔をして参加すりゃあいいのか分からず、「もうダメだよ、私には荷が重すぎる。やっぱりキャンセルしちゃってもいいんじゃない…?」と天使のような悪魔に囁かれたことも一度や二度ではなかった。

でもその度に「いや、キャンセルしたらしたでその場合のご祝儀の送り方とかが分からないからここまで来たらもう行くしかないよ」と悪魔のような天使が言い返してくれた。怠惰がプラスに働くことってあるんだな。

ご祝儀の用意はもちろんのこと、おしゃんなドレスや靴をレンタルしてみたり、ヘアメイクを調べたり、パーティー用のメイクの解説動画を漁ったりコスメを買ったりと、とにかく忙しい1ヶ月になった。参列するだけなのにな。


そして披露宴当日。

すごかった。空気の重みが。

きらびやかな会場、華やかな女性陣とまぁスーツの男性陣。
皆様にこやかにご歓談されてらっしゃった。「おしゃべり」じゃなくて「ご歓談」だった。おほほ。

出てくるお料理もおしゃれすぎて何食べてるのか一ミリもわからなかった。そんな中で出てきたショートケーキの安心感。こんなに安心してショートケーキ食べたの初めて。

当然のことだけど、本当に結婚って家と家の行事なんですね。親や親族との関係も全部ひっくるめて、一生関わっていきましょうねっていう契約なんですね。


そういう責任を背負って生きて行くのって、かっこいい大人にしかできないことだなぁと思いながら見ていた結婚式。二人の乗り越えてきたものやこれから背負って行くものに思いを馳せて。たしかにこれは、とてつもなく、おめでたい行事だ。

いままでひねくれた目で見ていてごめんなさい。

今後は素直にお祝いできる人間でいます。


みんなみんな、結婚おめでとう。


書いてあることは全部、冗談とユーモアです!