マイ・スマート・ホーム 表紙デザインの話

あっという間に時間が過ぎますね、、
NovelJamの振り返りをしたいしたいと、下書きばっかりたまっていきます。

まずは自分の参加したチームモリサワのデザインの振り返りからちょこちょことやっていこう。チームモリサワでは2冊の本を出版しました。

『あなたは砂場でマルボロを』森田玲花さん
https://bccks.jp/bcck/156972/info
『マイ・スマート・ホーム』沢しおんさん
https://bccks.jp/bcck/156973/info


まずは『マイ・スマート・ホーム』
未来の都知事、沢しおんさんの作品です。
少しだけ未来のSFなのですが、ものすごく自然な現実感がでていて、SFあまり読まないのですがすんなり読み進められます。藤子不二雄のSF(すこしふしぎ)っぽさがあります。

表紙デザインはこんな感じです。
こちらで目指したのは「違和感」です。何かちょっと変だな、、みたいな印象を与えられないかな?と考えました。

私が最初に感じた沢さんの作品の印象がそうでした。日常の生活がちょっとづれている感じ。何かを間違えているのにそのまま進んでシステムとしてがっちり組まれてしまった。でも日常生活はあまり変わらない。たまに何か不安になる、、そんな世界です。何か大きな災害やトラブルが起こるよりもどうしょうもできない絶望感がある。でもなぜかポップで、なのに人間味がある不思議な世界感です。ポップな印象は沢さんご本人の印象かもしれないです。

最初は写真を使うのを考えていたんですが、何かこう、、リアリティが出すぎてしまいポップな雰囲気が出ないのでやめました。
「違和感」をだすのに選んだ方法は「変な」レイアウトです。
縦に真ん中で真っ二つになっているレイアウト。作品のテーマにも合っているし、不思議な印象がしてかっこいいかもしれない!と思いました。
ただですね、、かっこいい「変な」レイアウトを作るには「変じゃない」レイアウトを作ってそれを崩さないといけない。つまり「変じゃない」レイアウトが作れないといけない、、しかも目指すのは「違和感」。つまり「一見変じゃないけど何かおかしい」感じなので「崩し方」にも説得力がないとただの「変な」デザインになってしまう!
その点の検討と検証に実力不足がでてしまったなと反省なのですが、チャレンジはした、、もしかして「変じゃない」レイアウトを崩す、という発想が違ったのかも、、?とぐるぐる思い起こします。
ただ面白い雰囲気はでたかもしれない。

タイトルの文字は「IT感を出そう!」ということで、雑誌「WIRED」のタイトル文字を参考に、、というかまま拝借しw 白黒の反転パーツをつけました。これすごく効果的だったかと思います。景虎さんと江口晋太朗さんのアドバイスです。ありがとうございます!

右側のスマホは写真に、編集の景虎さんが考えてくれたUIを合成しました。元ネタは高齢者向けのらくらくスマートフォンです。
何か、、ぬるっとした変にリアルな質感がお気に入りです。絵なのか実写なのか分からない感じも作品のテーマに合っているかも!と自画自賛。

もっと違ったアプローチもあったかも?とか、もう少しまとめる力があれば、、とか悔しい点もありますが、出来上がったものはとっても愛おしいです。

チームモリサワの作品たちをどうぞよろしく。
https://bccks.jp/store/181815

Kindleでも発売開始されました!

『あなたは砂場でマルボロを』森田玲花さん
http://amzn.asia/d/hQH0lhl
『マイ・スマート・ホーム』沢しおんさん
http://amzn.asia/d/6facop2


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