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インターネット・パノプティコン

 もう少し”パノプティコン”について説明しよう。パノプティコンは、思想家のベンサムによって唱えられた、集中型の監獄形式。中央に監視塔を設け,その周囲に円状の収容施設を配置する。

 中央の塔からは収容施設の各独房に監視のための光線が送られるが,それによって囚人を監視しつつも監視者の姿は決して見られない環境がつくり出される。これは監獄の効果的・能率的な経営をもたらす。

 たとえ監視者がいなくとも,その光線があるかぎり囚人は監視者の存在を意識せざるをえないからである。”インターネット・パノプティコン”はネット社会にいるヒトたちの脳内にある架空の施設だ。

 あくまで架空なのだから、監視者は存在しない。光線は監視者がいないのだから、単なる光線にすぎない。インターネット・パノプティコンに収容されているのは、いわゆる匿名のヒトたち。

 あくまで架空なのだから、ときにはリアルな世界へと脱出はできる。ただパノプティコンにいるうちは、実質的に他のヒトとの交流はない。匿名の存在などというのは、インターネット・パノプティコンにおいてヒトとはいえないのだ。

 このシリーズにおいては、ネット社会の有名人をとりあげ、インターネット・パノプティコンの世界について記録していきたい。

今日のところはこれまで。ごきげんよう。
この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。

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