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飲食店オーナーが現場に立つ意味

現場に出ることは、正解かどうかわかりませんが価値はあると信じてます。

私は何年もほぼ毎日現場に出てます。
周囲からは、「すごいですねー」「さすがですねー」と言われることが多いです。
確かに、現場に立つと体力と多くの時間を使いますので、その分、オーナー業務(事務作業や経営判断)に充てる時間は少なくなります。
私の場合は、飲食業以外の事業もやっているので、結果として、個人的な労働時間は長くなっていきます。
※自分の能力不足は一旦棚にあげて。

そういう意味では、「すごい」し「さすが」と言われる理由はあるのかもしれません。
飲食店の経営方法に正解はないと思うので、あくまでも現場に立ち続けて個人的にどういう心境になってきたかを書いてみます。

①自分が納得できる

自分が現場のトップであれば、売上がよくても、悪くても自分の責任。
そこに言い訳はできません。
お店の売上は店長の通信簿ですから、良い成績をとれた理由をさらに深掘りして得意分野を伸ばすこともできるし、悪い成績に対しても対策を打てば解決に向かうはずです。
その意味では、自分の責任を果たすつもりで現場に出続けているという部分もあります。
あと単純に人件費を浮かせられるという安心感もあるのも事実です。

②ヒト・モノ・カネの温度感を理解できる

「ヒト」の温度感を理解するということは、不平不満を察知することができるというメリットがあります。
オーナーが現場を知らないケースでの不満あるあるは、「社長は現場分かってないくせにうるせえな」です。
忙しさや大変さは、不平不満につながります。
多くの場合は、「おれたちはこんなに頑張っているのに、どうせ社長は遊んでるだけだ!」という基本理論が根底にあります。
経営感覚のある社員は、不平不満はあったとしてと口に出さず、ビジネスとして飲食店を運営する構造を理解し、その役割に対する責務を果たそうとします。私の経験上。

「モノ」の観点からは、例えばお店の冷蔵庫が調子悪いのに、お店のスタッフは修理するとお金がかかるからと勝手に気を遣い大破寸前までいっていることもありました。
内装外装も必要に応じて、設備投資しなければならないタイミングがきます。
それは、直接現場で見ていればいち早く察知できます。
また、1年前にヒットした商品は、もう飽きられているということもあります。
今までやってきたからやっています、では、淘汰されます。
お客さんの顔のリアクションをみて、満足度を図らなければなりません。

「カネ」、一般的にここでいう意味とは違いますが、単純に金銭事故もありました。
それは、残念ながら飲食業界にはつきものです。
現場にいることで防止できるなら、という意味もあります。

③事業拡大するタイミングかどうか

私は、過去に全部自分でやらないと気が済まない時期がありました。
誰にも何にも任せない。
という暴君スタイルを貫いていました。
その結果、
・改善点の追求には終わりがないことに気づく
・次の店を出すアイデアと時間がないことに気づく
・今の飲食のトレンドを知らないことに気づく
という現象が起こりました。

良いお店を作っていきたいけど、現場を任せられる優秀な人材は自分じゃないよね?と、考えるようになりました。

自分の中の合格点をキープして、人に任せられることは任せる

最近は、「任せる」という考えで動いています。
店舗数も増えてきたし、東京都と愛媛県で店舗を運営しているという状況もあります。
任せられることは、任せて、自分は社員の給料を上げられるような仕事をしたり、事業拡大できるように戦略を練り、知識を得ようとしています。

試行錯誤です。

いずれは、全く現場にでなくなると思います。
そうしないといけないと考えるに至った機会がありました。
その時、自分がどう考えるのか。
それも楽しみではあります。

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